株式会社データスプリング
株式会社データスプリング（本社：東京都千代田区）は、自社が保有する「訪日パネル」を活用し、中国、韓国、台湾の3ヶ国・地域の訪日経験者を対象に、訪日経験1回の旅行者と2回以上のリピーターの行動・意識に関する比較調査を実施しました。
調査結果ハイライト
1. リピーターは「定番」から「深掘り」へ ― 多様化する訪日目的と地方への周遊ニーズ
初回訪問者が「日本食」「自然・景勝地」といった定番の目的を重視する一方、リピーターはより多くの目的を持ち、訪問範囲を広げていることが明らかになりました。
中国のリピーターは、主要4都市（東京・大阪・北海道・京都）以外の地方都市への訪問が増加しており、日本各地への「周遊」や「探索」を志向する傾向が強く見られます。
韓国・台湾のリピーターは引き続き主要4都市への訪問率が高いものの、九州・沖縄や主要エリア周辺の県への訪問も増加しており、地域的なアクセスや文化的親和性の高いエリアでの体験を深めようとしていることが伺えます。
これは、リピーターが日本の多面的な魅力をより深く探求しようとしていることを示しています。
＜直近の日本旅行で訪問した都道府県TOP10＞
2. リピーターほど「日本への好印象」を維持・強化 ― 再訪意向が極めて高い
3ヶ国・地域すべてで、訪日経験を重ねるほど「再訪日意向計」が高まり、特に「1年以内」の早期再訪意向が顕著に増加しました。
訪日後の日本に対する印象は、中国・台湾では訪問回数を重ねるごとに「印象がとても良くなった」と感じる割合が増加、または高い水準を維持しており、日本への訪問がより強いポジティブな感情につながっていることが伺えます。
特に台湾の訪日経験2回以上の旅行者では、97%が再訪日意向を示し、日本が「何度も訪れたい国」として強く認識されていることが分かります。
＜訪日後の日本に対する印象の変化＞
＜再訪日旅行意向＞
3. EXPO2025 大阪・関西万博 ― 来場経験が再訪意向を押し上げる
EXPO2025 大阪・関西万博の認知度は、台湾が最も高く、次いで中国、韓国の順。
いずれの国でも、訪日経験2回以上のリピーターの認知計が高くなっています。
特筆すべきは、万博「来場経験者」に限ると、来場意向が圧倒的に高まっている点です。
一度訪れることで満足度が高まり、その後の再訪意向につながる傾向が顕著に見られます。
また、台湾では初回訪日者のほうが「知っていて、行ったことがある」の割合がリピーターより高く、万博が初回訪日のきっかけとなった層が一定数存在すると考えられます。
一方で、東京2025世界陸上の認知度は全体的に低く、スポーツイベントゆえのターゲット層の限定性が影響していると推測されます。
＜EXPO2025 大阪・関西万博の認知度＞
＜EXPO2025 大阪・関西万博への来場意向＞
【最後に】
本調査からは、日本のインバウンド戦略において、初回訪問者には基本的な利便性向上を、リピーターには多様化するニーズに応える質の高い体験提供やインフラ改善を行うことの重要性が示されました。本調査の詳細なレポートは、下記リンクよりダウンロードいただけます。
訪日パネルについて
「訪日パネル」は、アジア8カ国合計で数百万人規模を誇るパネルを保有しており、一部ではパスポート写真の提出による訪日事実確認を行うなど、高品質な調査対象を提供しています。
「訪日パネル」では、過去に訪日経験がある、または今後訪日意向を持つ海外の消費者から構成されており、「旅マエ」（旅行前の意向）から「旅アト」（旅行後の行動）まで、訪日外国人の消費者行動全般を把握する調査が可能です。
性年代や世帯年収といった基本属性に加え、訪日回数、滞在期間、宿泊先、旅行目的、情報収集源、訪日後の印象変化など、多岐にわたる詳細な旅行情報をターゲティングできます。これにより、本レポートで紹介したような訪日旅行者の詳細な比較分析はもちろん、特定ニーズを持つ層への深掘り調査や、未開拓市場のポテンシャル分析など、さまざまな切り口でのインサイト獲得にご活用いただけます。
【本件に関するお問い合わせ先】
MAIL：sales-jp@d8aspring.com
【運営会社】
株式会社データスプリング