東大IPC
東京大学協創プラットフォーム開発株式会社(本社:東京都文京区本郷、代表取締役社長:植田浩輔、以下「東大IPC」)が運営するオープンイノベーション推進1号投資事業有限責任組合(以下「AOI1号ファンド」)は、Beren Therapeutics P.B.C.(本社:米国、CEO:ジェイソン・カム、以下「Beren Therapeutics」)に対して出資を行うことを決定しました。

Beren Therapeuticsは、CEOのジェイソン・カムが共同創業し、開示済みの事業子会社であるMandosと並行して、ステルスモードで事業を展開しています。同社は、特徴的なオリゴ糖環状構造を活用し病因性物質を選択的に封入するシクロデキストリンをベースとした治療薬パイプラインを開発しています。初期の開発対象は、幅広い疾患で病因的役割を果たす細胞内コレステロールの異常蓄積です。リード候補薬はMandosが開発を進めており、最近、米国神経学会にて、乳児発症型ニーマン・ピック病C型(NPC)の治療において、治験薬adrabetadexによる有意な生存延長効果を示すデータを発表しました*。その他のパイプラインについては、後日公表予定です。
Beren Therapeutics CEOのジェイソン・カムは次のように述べています。
「パブリック・ベネフィット・コーポレーション(公益目的法人)として、PMDAを含む世界各国の規制当局と連携し、治療薬へのアクセスを支援することは私たちの使命の核心です。東大IPCとの協働を通じて、日本の世界的に著名なシクロデキストリン研究者とのネットワークを活かし、日本における医薬品探索研究を拡大できることを楽しみにしています。」
また、東大IPCのパートナー兼ライフサイエンスCIOである大堀 誠は次のように述べています。
「Beren Therapeuticsは、最先端のサイエンスに基づく革新的な治療モダリティを開発し、深刻なアンメット・メディカル・ニーズの解決に取り組んでいます。患者さんに画期的な治療を届ける取り組みを支援できること、そして日本の創薬エコシステムをさらに強化できることを大変嬉しく思います。」
本出資を通じ、東大IPCは同社の研究開発活動を多面的に支援すると共に、日本が抱える「ドラッグ・ラグ/ドラッグ・ロス**」の解消にも貢献してまいります。さらにBeren Therapeuticsは、2025年に設立した日本法人「Beren Therapeutics株式会社」を拠点に、国内の大学や製薬企業との共同研究を推進する予定です。これにより、国際競争力のある創薬人材の育成を促進し、日本の創薬エコシステムを世界とつなげることが期待されます。
* 免責事項:adrabetadexは現時点でFDAを含むいかなる規制当局からも承認されていません。
**「ドラッグラグ」: 海外で承認され使用されている医薬品が、日本で承認・使用できるようになるまでの時間差があること。一方、「ドラッグロス」とは、海外では使われている医薬品が、日本では開発すら行われていないために、日本国内で使用できないこと。
Beren Therapeutics, Incについて
概要 新規シクロデキストリン誘導体を活用した様々な難治性疾患治療薬の開発
代表者 Founder, Chairman of the Board Peter Thiel
東京大学協創プラットフォーム開発株式会社(東大IPC)について
概 要 アカデミア関連スタートアップ・エコシステムの発展を目指す投資事業会社
設 立 2016年1月
株 主 国立大学法人東京大学(100%)
所在地 東京都文京区本郷7-3-1 東京大学南研究棟アントレプレナーラボ261
代表者 代表取締役社長 植田浩輔
URL https://www.utokyo-ipc.co.jp/
【お問い合わせ】
東京大学協創プラットフォーム開発株式会社
東京都文京区本郷7-3-1 東京大学南研究棟アントレプレナーラボ261
TEL: 03-3830-0200 / FAX: 03-3830-0183
Email: info2@utokyo-ipc.co.jp
担当パートナー: 大堀誠