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舘鼻則孝による富山県・越中八尾の伝統工芸「型染め和紙」を活かした作品が「GO FOR KOGEI 2025」で公開。会場となる桝田酒造店は、銘酒「満寿泉」で知られる明治26年創業の歴史ある酒蔵。

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NORITAKA TATEHANA K.K.

GO FOR KOGEIは、ものづくりが古くから受け継がれる北陸から、新たな工芸の見方を発信するプロジェクトです。2025年は、富山県富山市の岩瀬エリアと石川県金沢市の東山エリアで開催されています。

©NORITAKA TATEHANA K.K., Photo by GION

目次

GO FOR KOGEI 2025

「GO FOR KOGEI」は、東京藝術大学名誉教授の秋元雄史氏がアーティスティックディレクターを務め、北陸を舞台に開催されている工芸・アートの祭典。2020年より継続的に開催されており、2025年は「工芸的なるもの」をテーマに、18組のアーティストによる作品が展示公開されています。

開催概要

テーマ|工芸的なるもの

会 期|2025 年9 月13 日(土)‒10 月19 日(日)[37 日間]

休場日|水曜

時 間|10:00-16:30(最終入場16:00)

会 場|富山県富山市(岩瀬エリア)、石川県金沢市(東山エリア)

主 催|認定NPO法人趣都金澤、独立行政法人日本芸術文化振興会、文化庁

共 催|富山県、富山市、北日本新聞社

後 援|石川県、金沢市、JR西日本、富山地方鉄道、北國新聞社、富山新聞社、MRO北陸放送、石川テレビ放送、HAB北陸朝日放送、北日本放送、富山テレビ放送、チューリップテレビ

©NORITAKA TATEHANA K.K., Photo by GION

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Spinning top “Thundercloud”, 2025

Hand-rubbed stencil-dyed Japanese paper, zelkova wood

String-spinning top (large): H 14.5 x W 15.0 x D 15.0 cm

Hand-spinning top (large): H 18.4 x W 15.0 x D 15.0 cm

String-spinning top (small): H 7.25 x W 7.4 x D 7.4 cm

Hand-spinning top (small): H 9.1 x W 7.4 x D 7.4 cm

富山市八尾町の型染め和紙工房「桂樹舎」とのコラボレーションにより実現した作品。伝統工芸「井波彫刻」で知られる南砺市井波の職人が独楽の木地を制作し、加飾として桂樹舎の制作した「型染め和紙」が活用された。舘鼻則孝のアイコンでもある「雷雲」の絵図が手染めによって手揉み和紙に再現されている。

室町時代から続く「越中八尾和紙」。現在の八尾和紙の特徴でもある「型染め」は、大正末期から昭和期にかけて柳宗悦によって提唱された「民藝運動」に起因して、西欧の近代文化の陰で失われていく民衆の文化にかけがえのない美を見出し残していこうという思いとともに重要無形文化財(人間国宝)「型絵染」保持者の芹沢銈介を中心に作り上げられた歴史があります。そのような文化的背景を重ね合わせると、東京藝術大学・染織専攻出身の舘鼻則孝ならではの視点が込められた作品とも言えるでしょう。

©NORITAKA TATEHANA K.K., Photo by GION
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Heel-less Shoes “Lady Pointe” (dragon scales), 2025

Dyed cowhide, Japanese braided cord, metal fastener

h.47.0 x w.8.2 x d.12.7 cm each

桝田酒造店の酒造場に展示された本作は、同社のシンボルでもある「龍」をモチーフに皮革で制作された龍鱗で加飾され完成されました。「龍」は古くから水源や河川の水神として崇められており、酒造りには水が欠かせないことからも桝田酒造店のシンボルになっています。

《Heel-less Shoes “Lady Pointe”》は、ヒールレスシューズの中でも代表的な作品のひとつで、米国歌手のLady Gagaが2011年に発表した楽曲「Marry The Night」のミュージックビデオの中でバレリーナに扮した彼女が履いているトゥシューズとして知られています。

©NORITAKA TATEHANA K.K., Photo by GION

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Descending Painting “Unryu-zu”, 2024

Acrylic emulsion paint

H18.2 x W7.3 m

大正元年(1912年)に建てられ、112年の歳月を経ている桝田酒造店・酒造場の床面に描かれた本作は、空間の奥に位置する神棚から稲妻が波打つように前方へ伸びています。その稲妻は、桝田酒造店のシンボルでもある「龍」を隠喩するもので、先端が三方に分かれるその姿は「龍爪(りゅうそう)」を表現しています。また、酒造りの原料でもある「米」と「稲妻」は縁が深いものでもあり、豊穣への願いが込められた絵図でもあります。

《Descending Painting》は、「稲妻」と「雲」が象徴的に描かれた舘鼻則孝の代表的な絵画作品シリーズです。本作は、仏教において臨終を迎える際に阿弥陀如来と菩薩が雲に乗り迎えに現れる場面を描いた「来迎図(らいごうず)」に着想を得て制作されたものです。また、中心に描かれる稲妻は神道における依代に「神のみたまが依り憑く」場面をモチーフとして表しています。先述したような主題から「天と地」や「生と死」などを一対の要素として描くことで、仏教と神道における双方の価値観が共存する「神仏習合」と呼ばれる習合思想が作中に表現されています。

©NORITAKA TATEHANA K.K., Photo by GION

©NORITAKA TATEHANA K.K., Photo by GION
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NORITAKA TATEHANA × MASUIZUMI “Sake Bottle Art”, 2025

Italian glass bottles and Japanese 1.8 liter bottles

舘鼻則孝が絵画作品の制作で普段から用いている技法を活かし制作したボトルアート。ボトルの中には、桝田酒造店の銘酒「満寿泉」が注がれている。日本酒の伝統的な一升瓶からイタリアの職人によって制作されたガラスボトルまで、様々なバリエーションで作品が展開されている。透明なガラスを活かし描かれた絵図には、舘鼻のアイコンでもある「雷雲」と桝田酒造店の「龍」が組み合わされることで新たなシンボルが生み出された。ガラスボトル正面の雲の狭間からボトルを覗き込むと、その向こう側には宙を舞う「龍」の姿を見ることができる。

桝田酒造店が醸す「満寿泉」の生い立ち

満寿泉の位置する岩瀬はかつて北前船の寄港地として栄えた港町です。岩瀬からは米や酒を積みこみ、北海道から昆布やニシンを持ち帰りました。明治初期桝田家初代兵三郎は長男亀次郎とともに岩瀬から北海道旭川に渡り酒造業を起こします。旭川では「都松」の商標で酒造りを始め、明治30年頃までには1,500 石と当時では日本有数の規模に成長しました。

しかし明治35年マイナス41度という日本最低気温を記録する大寒波が旭川を襲います。その頃から亀次郎の妻フデは極寒の旭川から故郷岩瀬に戻ることを切望するようになりました。妻の願いを受け亀次郎は帰郷を決意、明治38年より岩瀬の地にて「岩泉」の銘柄で再び酒造りを始めます。これが現在の桝田酒造店です。そして昭和のはじめ港町の芸者衆からも喜ばれる目出度い名前にしようと苗字の桝田にちなんで「満寿泉」と名付けた酒が大当たりし、これが主力ブランドとなりました。

廻船問屋の重厚な町家が連なる東岩瀬の街の中、北アルプス立山連峰を源とする常願寺川系伏流水で満寿泉は醸されます。

桝田酒造店オフィシャルウェブサイトより抜粋

©NORITAKA TATEHANA K.K., Photo by GION

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Descending Painting “Unryu-zu”, 2024

Acrylic on canvas mounted on panel

160.0 x 600.0 cm

桝田酒造店と同様の岩瀬エリアに位置する「KOBO Brew Pub」には、《Descending Painting “Unryu-zu”》が展示されています。

国登録有形文化財の「旧馬場家住宅」の米蔵を改装してオープンした「KOBO Brew Pub」には、店内に醸造所も併設されており、歴史ある建築とモダンな内装が共存する魅力的な空間です。桝田酒造店を代表する銘酒「満寿泉」の酒粕を活用した「ドラゴンエール」など個性的なクラフトビールが常時9種類揃っています。

《Descending Painting “Unryu-zu”》は、横幅6mの大きな絵画作品で、桝田酒造店の酒造場に描いた床面絵画と同様の主題で創作されています。モチーフとなっている稲妻は、桝田酒造店のシンボルでもある「龍」を隠喩するもので、先端が三方に分かれるその姿は「龍爪」を表現しています。また、酒造りの原料でもある「米」と「稲妻」は縁が深いものでもあり、豊穣への願いが込められた絵図でもあります。


©NORITAKA TATEHANA K.K., Photo by GION

アーティストプロフィール

舘鼻則孝(たてはな のりたか)

1985年、東京都生まれ。歌舞伎町で銭湯「歌舞伎湯」を営む家系に生まれ鎌倉で育つ。シュタイナー教育に基づく人形作家である母の影響で、幼少期から手でものをつくることを覚える。2010年に東京藝術大学美術学部工芸科染織専攻を卒業。遊女に関する文化研究とともに、友禅染を用いた着物や下駄の制作をする。「Future Beauty」(東京都現代美術館など国際巡回、2012)、「イメージメーカー展」(21_21 DESIGN SIGHT、2014)、個展「呪力の美学」(岡本太郎記念館、2016)、個展「It’s always the others who die」(POLA Museum Annex、2019)、個展「NORITAKA TATEHANA: Refashioning Beauty」(ポートランド日本庭園、2019)、「和巧絶佳」(パナソニック汐留美術館など4会場を巡回、2020-22)、個展「Distance」(山口県立萩美術館・浦上記念館、2023) 等の他、ニューヨーク、パリ、ベルギーなど世界各地で作品を発表。2016年3月にパリのカルティエ現代美術財団で文楽公演を開催など、幅広い活動を展開している。作品はメトロポリタン美術館、ヴィクトリア&アルバート博物館などに収蔵されている。また、東京都が主宰する「江戸東京きらりプロジェクト」の一環として企画され、東京の伝統産業に焦点を当てた展覧会「江戸東京リシンク展」(旧岩崎邸庭園、2024)の展覧会ディレクターを務めた。


NORITAKA TATEHANA オフィシャルサイト

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出典:PR TIMES

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