株式会社積彩
株式会社積彩(本社 : 東京都荒川区、代表取締役:大日方伸)は、チーズ菓子ブランド「BAKE CHEESE TART」の新店舗空間において、3Dプリンティングとコンピューテーショナルデザインを駆使した店舗の什器を担当しました。コンセプトは「メタモルフォーゼ」。チーズが多様な形に変化する様子を、流動的で重力を感じさせる造形表現で空間に落とし込みました。今回のプロジェクトは、グランスタ丸の内、大阪髙島屋、天神地下街、EQUiA 北千住の全国4店舗で展開され、ブランドの世界観を深く表現する新たな空間づくりに貢献しています。

「メタモルフォーゼ」をテーマに、什器を動的にデザインする

今回の空間演出は、BAKE CHEESE TARTのリブランディングにおけるコンセプト「メタモルフォーゼ」を共通テーマに掲げてスタートしました。積彩はこの抽象的なコンセプトをメインの装飾に変換する役割を担い、3Dプリンティング技術を用いてチーズの流動性やとろみを表現した装飾を制作しました。

新ブランドカラー「ライラックブルー」を大胆に活用し、行き交う人の視線を引きつける装飾を実現。造形には二重のシェル構造を採用し、見る角度や照明によって“揺らめく印象“を与える仕掛けを施しています。内部に組み込まれた照明が半透明素材を透過することで、空間全体に幻想的な光をもたらしています。
コンピューテーショナルデザイン × 3Dプリントのアプローチ

積彩の強みは、単なる装飾制作にとどまらず、デザインそのものを生成するプロセスにあります。今回は、独自のコンピューテーショナルデザイン手法により、様々なノイズパターンを掛け合わせてまず500パターンを自動生成。その中からコンセプトに近いものを抽出し、さらに500パターンを追加生成するというプロセスを実践しました。
「収束」ではなく「拡散」から始まるこのようなプロセスにより、クライアントと共にデザインを形づくる過程自体が大きな価値を生み、共創を通じて高い納得感と満足度へとつながっています。
4店舗それぞれに異なるデザイン、統一感ある世界観

積彩は、グランスタ丸の内、大阪髙島屋、天神地下街、EQUiA 北千住の4店舗すべてに対して異なる什器を制作しました。しかしそのすべてが「メタモルフォーゼ」という統一テーマに基づいた同一の生成ルールで作られており、形は違えども“似た空気感“を醸す統一性が生まれています。
これは単なるオリジナル性だけではなく、ブランドとしての一貫した世界観の構築にも貢献しています。
デザイナーや建築家とコラボする新しい選択肢としての「積彩」
積彩は、空間デザイナーや建築家と競合するのではなく、「共創」するパートナーです。クライアントのコンセプトに合わせてゼロからデザインを生成し、唯一無二の造形として具現化するプロセスを提供しています。
【空間装飾サービスのワークフロー】

◆ヒアリング・コンセプト共有
店舗やブランドが求める世界観を共有し、必要な什器の方向性を定義。
◆デザイン提案(パターン生成)
コンセプトをもとに積彩独自のアルゴリズムによりパターンを生成。顧客と一緒に方向性を検討。
◆プロトタイプ制作
3Dプリントによるモック制作や素材検証を通じて、現実的な設置計画へ。
◆本制作・設置
空間に最適化した設計と造形を行い、現地での設置をサポート。
積彩は今後も、ブランドの世界観を空間で体現するためのパートナーとして、3Dプリンティングやコンピューテーショナルデザインの可能性を広げていきます。
実施店舗
【BAKE CHEESE TART グランスタ丸の内店】

【BAKE CHEESE TART 大阪髙島屋店】

【BAKE CHEESE TART 天神地下街店】

【BAKE CHEESE TART EQUiA北千住店】

クライアント:株式会社BAKE
プロデュース&デザインディレクション:勝部 竜太朗
撮影:高木康広(グランスタ丸の内・EQUiA北千住)、増田好郎(大阪髙島屋・天神地下街)
株式会社積彩について

積彩は、3Dプリンティングを専門とするデザイン・ファブリケーションスタジオです。
コンセプト設計からデザイン、製造までを一貫して手がけ、3Dプリンティング技術を駆使して、多様なシーンに対応する唯一無二の空間体験を創出します。
特に、独自開発の3Dプリント着色技法によるサーフェスデザインは、光や視点の変化に応じて多彩な表情を生み出す魔法のような意匠効果を実現。その革新的な表現は、国内外で高く評価され、富山デザインコンペティション2020 グランプリ受賞、Innovative Technologies 2022 受賞、Design Shanghai Picks 2024 受賞など、数々のアワードを受賞しています。
Webサイト:https://sekisai.com