学校法人 日本女子大学
現実と仮想の境界が曖昧になりつつある現代社会において『人間とは何か』という根源的問いに挑む新学部
⽇本⼥⼦⼤学(東京都⽂京区、学⻑:篠原聡⼦)は、2028年4月に「人間科学部(仮称)」の開設を予定(構想中)し、準備を進めてまいります。
この構想は、創立120周年を機にスタートした大学改革の一環となります。2023年4月「国際文化学部」、2024年4月「建築デザイン学部」「建築デザイン研究科」、2025年4月「食科学部」と3年連続で新学部・研究科を開設。2027年4月には「経済学部(仮称)」および「食科学研究科(仮称)」の開設を構想しており、今回の新学部はそれに続くものです。
「人間科学部(仮称)」は、現在の「人間社会学部心理学科」を前身とした「心理学科(仮称)」と、「家政学部児童学科」を前身とした「人間発達学科(仮称)」からなる1学部2学科で、本学初の学部横断による新学部です。文理融合的な視点から人間を科学的に研究し、理論と実践を行き来しながら、「人を知り、人に寄り添い、人を活かす」姿勢を持ち、人間社会の持続的な発展に貢献できる力の養成を目指してまいります。
「人間科学部(仮称)」では、AIやVR(仮想現実)などの技術革新が急速に進み、現実と仮想の境界が曖昧になりつつある現代社会において、「人間とは何か」という根源的な問いに挑みます。

■新学部を象徴する共通科目・プログラムの新設※
新学部では、両学科の共通科目として「人間科学入門」「人間科学演習」などの基盤科目に加え、「アート×サイエンス・プログラム」「メンタルヘルス・マネジメントプログラム」「人間科学実践科目」などの特色ある幅広い学びを展開する予定です。
科学的探究と実践的アプローチという両輪で「視覚芸術×サイエンス」「音楽×サイエンス」「身体表現×サイエンス」「健康×サイエンス」といった文理複合的なテーマに迫ることができるのは、両学科が揃っている「人間科学部(仮称)」だからこそ実現できるダイナミックな学びの融合によるものです。これらの学びを通じて、未来を見据え、人間と社会のウェルビーイングの実現に寄与する人材の育成を目指してまいります。
【特徴的なプログラムの一例】
「アート×サイエンス・プログラム」
“芸術を感性や創造性、表現といった観点から科学的に分析し、人間の感情や認知との関係性を探求”してきた「人間社会学部心理学科」と、“実践的な芸術分野や表現活動を成長支援の手段に取り入れ、表現力や感性を育む教育的アプローチ”に強みをもつ「家政学部児童学科」の特徴を掛け合わせることで、科学的探究と実践的アプローチという両輪で「芸術と人間」の関係に迫ります。
※科目・プログラム名は全て仮称、構想中です

■学科の学びの特徴
人間科学部 心理学科(仮称)
心の働きの普遍的な側面を科学的に探究します。文系的アプローチだけでは困難であった実験的・科学的手法を積極的に取り入れ、「人工知能(AI)」に関する新たな科目も設置することで、現代社会が抱える複雑な課題にも対応できる人材の育成を図ります。
人間科学部 人間発達学科(仮称)
人間の成長や発達のプロセスを多角的に探究します。児童学を基盤に据えながら、科学的・共感的な人間理解や全人的な対人支援の力を高めていきます。さらに、現場におけるフィールドワーク、 企業との連携科目などを通じて、社会学や経営学にも関心を持つ新たな学びのニーズにも応えるとともに、国際交流・海外研修なども推進します。
新学部では、専門的な資格取得を目指すスペシャリストの育成に加え、人間科学に関する広い知見と応用力を備えたジェネラリストも育て、企業・行政など多様な社会の場で活躍できる人材を輩出することを目指します。
【取得を目指す資格(予定)】

心理学科(仮称) |
認定心理士、公認心理師【学部+院】、臨床心理士【院】、産業カウンセラー、他 |
人間発達学科(仮称) |
保育士、幼稚園教諭一種※、中学校・高等学校教諭一種(家庭)※、他 |
※申請予定。ただし、文部科学省における審査の結果、予定している教職課程の開設時期等が変更となる可能性があります。
■新学部の構想

学部名称 |
人間科学部(仮称) |
学科名称 |
心理学科(仮称) 人間発達学科(仮称) |
入学定員 |
心理学科(仮称):81名 人間発達学科(仮称):97名 |
開設時期 |
2028年4月(予定) |
開設場所 |
日本女子大学 目白キャンパス |
■今後の予定
「人間科学部(仮称)」の情報につきましては、詳細が決まり次第リリースおよび本学ホームページ等で発信してまいります。
■日本女子大学学長 篠原 聡子からのメッセージ
西生田キャンパスで育まれた人間社会学部心理学科と目白キャンパスで生まれた伝統ある家政学部児童学科を基盤とする、人間科学部(仮称)が誕生します。これは、2021年に行った西生田キャンパスを目白キャンパスに統合したことによる大きな成果と言えます。新学部では、共通する領域もありながら、それぞれに異なったバックグランドを持つ2つの学科が掛け合わさることで、「人を知り、人に寄り添い、人を活かす」学びのプラットフォームをつくります。
日本女子大学人間科学部(仮称)は、認知神経科学から芸術・文化まで、文理融合の学びを真に実践することによって、「人間とは何か」を静かに、深く、そして豊かに考える学部となります。その学びは、人々のウェルビーイングの実現に大きく貢献することを目指します。
これらの新学部構想を実現することで、家政・文・人間社会・理・国際文化・建築デザイン・食科・経済(仮称)・人間科(仮称)の9学部16学科体制となり、女子総合大学として文理融合の教育環境をより発展させます。
【参考】
人間社会学部心理学科
日本女子大学の心理学教育は、1901年の創立当初から「基幹科目」として位置づけられ、日本で最も早く女性に心理学教育の門戸を解放。1990年4月には「心理学科」が創設され、現在では複雑化する現代社会での「こころ」の問題を幅広く複合的に探究している。「こころ」の働きに関する基礎的、応用的研究に取り組み、実践力を身につけた人材を養成し、公認心理師および臨床心理士を目指すための基礎教育も充実しており、「公認心理師」「臨床心理士」や研究者を目指す学生も多く、15〜20%の学生が大学院へ進学していることも特徴。
家政学部児童学科
1948(昭和23)年4月に本学が新制大学に認可された際に創設された伝統ある学科。子どもの心と身体の発達を総合的に捉えることをはじめ、多様化・複雑化の著しい保育・教育現場でも対応できるよう、理論と実践の積み重ねを通して幅広く学ぶことができる。卒業生は、教育現場はもちろん、建築・住宅関連企業や、絵本・児童書に携わる出版社、ホテルや観光業などのサービス業など、子どもや家族をめぐる多様な分野で活躍している。
※上記記載内容については構想段階のものであり、今後文部科学省への相談結果により名称も含め変更することもあります。
日本女子大学は、日本初の組織的な女子高等教育機関として創立し、2021年に120周年を迎えました。私立女子大学唯一の理学部を有し、文理融合の教育環境をもつ女子総合大学です。「私が動く、世界がひらく。」のタグラインのもと、自ら学び、自ら行動し、新しい価値を創造できる人材を育てています。昨年度は「建築デザイン学部」を開設し、今年度には「食科学部」を開設しました。さらに2026年度に文学部2学科の名称変更を予定し、2027年度には「経済学部(仮称)」の開設(構想中)と、継続して大学改革を進めていきます。詳しくは、https://www.jwu.ac.jp をご覧ください。
プレスリリース資料は、以下リンクよりダウンロードしてください。