株式会社TEAMZ
「TEAMZ Summit 2025」過去最大規模で開催!Web3・AIの未来が東京に集結
2025年4月16日、東京・虎ノ門ヒルズにて「TEAMZ Web3/AI Summit 2025」1日目が完了しました。
Day1では、政府関係者、大手テック企業、スタートアップ、海外VC、投資家、開発者など、あらゆる分野のキーパーソンたちが登壇。万博やRWA、規制整備、Web3×AI、世界市場の投資戦略など、最新かつ多角的な議論が交わされました。
本記事では、Day1の全パネルセッションとキーノートの内容をダイジェストでお届けします。未来を創る現場で、どんな議論が行われたのか――ぜひご覧ください。
9:50 オープニング:TEAMZ Web3/AI Summit 2025へようこそ
スピーカー:Tianyu Yang(CEO / TEAMZ)TEAMZ Web3 AI Summit 2025が開幕。
予測困難な現代において、オンライン情報だけでなく、オフラインでの物理的な繋がりこそがビジネスやイノベーションに不可欠である。「人と人を直接つなげる」ことをミッションに、2017年からWeb3・ブロックチェーン、そしてAIをテーマに拡大してきた。
今や日本最大級となり、130名のスピーカー、400以上のパートナー、100のサイドイベントが集う規模に成長。パートナーや日本のWeb3コミュニティへの貢献も重視し、2026年の次回開催も発表。イノベーションの共創を呼びかけた。

10:00 EXPO2025デジタルウォレットが拓くWeb3の未来と大阪国際金融都市への飛躍

2025年大阪・関西万博は、「未来社会の実験場」というコンセプトのもと、Web3の社会実装を推進する重要な契機と位置づけられている。本セッションでは、万博会場で提供される「EXPO2025デジタルウォレット」がWeb3のマスアダプションにどう寄与するかを中心に、官民のキーパーソンが議論した。
モデレーターの神本氏(N.Avenue)は、ウォレットを実際に活用した体験から、NFTやSBTの取得などがシームレスに行える点を評価し、万博を通じたWeb3の普及に期待を寄せた。HashPort代表の吉田氏は、このウォレットがすでに多くの来場者に利用されていること、NFTの取得や支払いで「経験値」が蓄積される設計になっていることを紹介。経験値に応じてパビリオン抽選の当選確率が上がるなど、Web3技術が来場者体験に実利をもたらす構造となっている。さらに、ウォレットで使用できる「EXPOトークン」も導入され、これは1トークン=1円の価値を持ち、SBIが提供するチャージ拠点を通じて一般のVisa加盟店でも利用可能である点が革新的だ。
日本暗号資産等取引業協会の小田氏は、大阪を国際金融都市に育てる中でWeb3の役割を重視。大阪市と連携してフィンテックセンターを開設し、スタートアップや海外企業の誘致にも注力していると語った。大阪産業局の中村氏も、スタートアップ支援やグローバル連携を推進しており、万博内では中小企業・スタートアップによる展示の場も多数設けられている。
10:45 分散型経済の未来 – TRONが創る新たなWeb3エコシステム

Tron DAOのコミュニティ代表であるSam Elfarra氏は、Tronが安価で高速なブロックチェーンとして、特にステーブルコインと決済領域で大きな存在感を示していることを紹介。Tronは日次取引件数が700~800万、ウォレット数は3億を超え、グローバルサウス(アフリカ、ラテンアメリカ、東南アジア)で活用が進む。特に経済インフラが整っていない地域において、低コストかつ即時決済が可能なブロックチェーンは金融包摂を加速させている。Tronのガスアブストラクション機能により、ユーザーはガストークンなしでステーブルコインのみで取引可能になり、UXが大幅に改善。
11:00 Web3・AIがもたらす新しい経済圏と社会の未来

本パネルディスカッションでは、Web3とAIの融合がもたらす日本の経済・社会へのインパクトと、それに向けた制度整備・産業推進の現状と今後の展望が語られた。中心となったのは、自由民主党が発表した暗号資産に関する新たなホワイトペーパーであり、暗号資産を新たなアセットクラスと位置づけ、分離課税の導入や投資家保護の強化、市場の健全な発展を図る内容となっている。これにより、暗号資産は証券とは異なる独自の枠組みで整理され、より柔軟かつ実用的な法制度が構築されつつある。
11:45 Web3と金融の変革:現代の決済・清算インフラを再構築する

本講演では、決済業界のベテランであるSiang Tan氏が「トークン化3.0」と、その実装基盤であるPlatONチェーンの構想を紹介した。トークン化3.0とは、カード決済に限定されないブロックチェーンベースの決済の進化形であり、Web2とWeb3の双方を接続し、国境を越えた送金やトークン発行、商業決済、OTC取引など、多様な決済プロセスを統合的に支援するものとなっている。
12:00 XRPL Japan コミュニティローンチのお知らせ

登壇した古川氏は、XRPとその基盤技術であるXRPLedger(XRPL)の概要を紹介。XRPは日本国内で取引量が第2位に位置し、SECとの訴訟を経て「証券ではない」と認定されたことで信頼性が向上。XRPLは高速かつ安価な決済を可能にし、世界初のDEXを実装したブロックチェーンとして10年以上安定稼働している。スマートコントラクトを持たない設計により企業導入のコストを削減可能。
12:05 トランプ政権下の関税政策がもたらす未来:日本経済、Web3・AI産業への影響とその対策

本セッションでは、片山さつき参議院議員がトランプ政権下の関税政策が日本経済およびWeb3・AI産業に与える影響について見解を述べた。片山氏は、日米間の経済関係はすでに成熟しており、米国が進める製造業重視の政策によって、日本が直接的な標的になる可能性は低いとしつつも、「ユニバーサル・タリフ(包括的関税)」においては例外でいられない現実があると指摘。特に日本が1兆ドルもの米国債を保有する最大の債権国であることから、通貨・貿易政策を含む交渉では慎重かつ戦略的な対応が求められると語った。
13:00 AlibabaCloud で実現するエンドtoエンドのWeb3.0エコシステム

Alibaba Cloudの泉浩宣氏は、「Alibaba Cloudで実現するエンドtoエンドのWeb3.0エコシステム」をテーマに、同社の強みとWeb3支援体制について解説した。Alibaba Cloudは、アジアで最も多くのデータセンターを持つクラウドプロバイダーであり、Web3企業の拠点が集中するシンガポールやドバイとの親和性が高い。
13:15 Web3 & AI投資の最前線 – 次世代テクノロジーがもたらす新たな機会と課題

本セッション「Web3 & AI投資の最前線」では、次世代テクノロジーであるWeb3とAIが生み出す新たな機会と課題について、さまざまな背景をもつ投資家が国際的な視点から議論を展開した。AIとWeb3は、技術的に補完関係にあること、AIとWeb3をかけ合わせることでKYC等のアイデンティティ認証が改善され、生成AIによるコンテンツ増加に対してWeb3が価値評価や流通の基盤となる可能性があることが示された。
13:45 RWAと個人投資家の未来:Web3が拓く新たな投資機会

本セッションでは、日本におけるセキュリティトークン(ST)の動向と、個人投資家が享受しうる新しい投資体験について議論が行われた。まず、実物資産(RWA)のトークン化市場は約3,100億円規模まで拡大しており、不動産が7割を占める。KDXは国内初の不動産STを皮切りに複数案件を発行し、投資商品としての信頼性や分かりやすさ、物件そのものが持つ体験的価値を重視する第二幕に移行している。一方、TOYOTA FINANCE SERVICESは車載をST化し、投資家と自社顧客を直接つなぐ試みに挑戦。個人情報や契約書面での課題は大きかったが、実証により新たな枠組みづくりを進めている。
14:30 次世代のデジタルエンゲージメント:Web3とAIがもたらす企業コミュニケーションの進化

AKT HEAKTHはヘルスケアITを手掛ける企業で、患者や一般ユーザー自身が健康データをコントロールできる仕組みをブロックチェーン技術で構築する。具体的には「DePIN(分散型インフラ)」を活用し、ウェルネス機器と直接接続して取得したデータをトークンやNFTで可視化・報酬化する。今後はウェルネス領域から医療認可取得を視野に入れ、今月のベータ版や年末のマーケットプレイス公開を目指す。
14:40 アジア・米国・欧州のWeb3投資戦略の比較

米国・欧州・アジアのWeb3投資戦略を比較する本セッションでは、各ファンドの背景や投資方針が紹介された。アジア圏ではゲーミングやユーザー規模の大きいアプリケーション開発が盛んであり、一方で米国はインフラ領域の革新やDeFiが注目されている。規制に関しては、SECの訴訟取り下げや政府の政策により米国での投資環境がやや好転しており、アジアでも日本や韓国で税制優遇や機関投資家の参入が進むことで期待感が高まっている。
15:10 ビットコインの未来:デジタルゴールドとしての役割と金融システムへの統合

本パネルでは「ビットコインは本当に“デジタルゴールド”になったのか」をテーマに議論が行われた。ETFの拡大や企業のバランスシート採用などから、ビットコインが投資家や機関へ着実に浸透している一方で、ボラティリティが依然高いため、短期的には代替資産としての性格やリスク分散の役割が強調される。地政学的に世界が多極化する中、インフレや通貨不安を抱える新興国ではビットコイン活用が急速に進む可能性が高い。将来的には「価値の保存手段」を越えた生産的資産への進化も予想され、国や規制当局の姿勢次第で機関投資家の関与がさらに広がるとの見方が示された。最大の誤解はビットコインのボラティリティにあり、現実には個別株と大差ないとの指摘もあり、今後の市場成熟が注目される。
15:40 AIと資産運用:データ駆動型の投資戦略とリスクマネジメント

本パネルでは、AIと資産運用におけるデータ駆動型投資戦略とリスク管理が主要テーマとして論じられた。モデレーターのMax Zheng氏は、AIがまだLLM(大規模言語モデル)中心で発展途上にあり、将来的には意識あるAIエージェントへ進化し得ると強調。Nexus OneのSungku Kim氏は、AIとWeb3のシナジーが重要であり、ブロックチェーンの透明性・追跡可能性がAIの意思決定を支えると指摘した。SoSovalueのJessie Lo氏は、投資家向け情報プラットフォームをAIで最適化し、膨大な情報を整理する仕組みを紹介。Outliers FundのPoseidon Ho氏は、10年間のブロックチェーン投資経験を踏まえ、AIや量子計算など幅広い「コンピューティング」領域の拡大を見込む。
16:10 日本のWeb3イノベーションと国際協力:グローバルパートナーシップの可能性

日本のWeb3エコシステムは過去10年で数々の浮き沈みを経験しつつも、規制の強化やハッキング事件への対処を経て、現在は強固で信頼性の高い体制を築きつつある。最近は政府レベルでの支援が拡大し、大企業もオープンイノベーションに積極的である。さらに大量のIPやコンテンツをもつ日本はグローバルなプレイヤーの注目を集める好機にあるが、オンチェーン活動の少なさやノンカストディアル分野の遅れといった課題が残る。一方、JETROが海外スタートアップの法人設立や情報提供、ブーストプログラムなどを通じてグローバル進出・参入を支援し、Intersectのような取り組みも国際的連携を強化する。今後は官民の連携をさらに進め、トークン化やDAOなど新たなユースケースを実用レベルへ引き上げることが、国内外スタートアップの飛躍につながると期待される。
16:40 2025年注目のWeb3企業:日本と海外のトッププレイヤーの戦略

登壇者はそれぞれ、分散型インフラ(ストレージや計算資源)を提供する企業やAIデータ収集の仕組みづくり、エンプラ向けL1チェーンの開発、帳簿監査や税務会計を効率化するソリューションなど、多彩なサービスを展開。日本市場を選ぶ理由としては、厳格な規制や高い安全性、豊富なIP資産と技術的人材などが魅力とされる一方、企業文化の慎重さや言語障壁が参入障壁となる可能性も指摘。
17:20 2025年の仮想通貨市場展望:次の強気相場は来るのか?

「2025年の仮想通貨市場展望:次の強気相場は来るのか?」をテーマに、ビットコインなどの価格動向や規制整備、AIやブロックチェーン技術の進展などが多角的に議論された。登壇者の中で、米国の関税政策や景気動向から短期的な弱気を予想する声と、規制明確化や企業・機関投資家の参入を背景に2025年前後の強気相場を見込む声に分かれる。ステーブルコインの普及やWeb3インフラの整備も市場拡大を後押しすると指摘され、単なる価格上昇だけでなく、技術・制度の進化が今後の成長に不可欠との見解が示された。
17:50 TEAMZ Summit 2025 Day 1 クロージング

Teamz Summit 2025のDay1が無事に終了し、多彩なゲストとのセッションによって盛り上がりを見せた。夜には約20ほどのサイドイベントが予定されている。2日目の午後には特に豪華なプログラムを用意している。Day1のクロージングとして感謝を述べるとともにDay2に向けて来場者に楽しんで欲しいと述べた。