認定NPO法人 世界の子どもにワクチンを 日本委員会(JCV)
2025年4月21日(月)~4月25日(金)は「世界予防接種週間」です。コロナ禍以後、世界各地ではしか(麻疹、麻しん)が大流行し、今年に入ってからは国内でも発症例が多く報告されております。海外への渡航歴がない方の感染も見られ、日本に暮らす私たちにとっても対岸の火事とは言えない状況となっています。途上国の子どもたちを感染症から守るために子どもワクチン支援を行う「認定NPO法人 世界の子どもにワクチンを 日本委員会」(東京都港区、以下JCV)は、世界予防接種週間に、世界で感染が拡大する”はしか”の危険性について周知し、ワクチン接種の必要性を呼び掛けます。

【感染力の強い”はしか”の怖さ】
はしかは、麻しんウイルスによる感染症です。全身の発疹や口内の頬粘膜にできる白い斑点、高熱などの症状が現れるほか、脳炎や肺炎といった様々な合併症を起こして死亡することも多い病気です。また、免疫を記憶する細胞を破壊する特徴も持っています。ハーバード大学の研究によれば、発症すると、獲得免疫の11%から73%が消滅すると言われており、完治した後も別の病気にかかりやすくなってしまいます。
はしかの最大の特徴は感染力の強さです。飛沫感染、接触感染だけでなく空気感染でも広がり、1人の感染者から約12人程度にうつると言われています。これは全ての感染症の中でも最強レベルであり、ワクチン接種以外での予防は困難です。免疫を持っていない人が感染するとほぼ100%発症してしまいます。ワクチンは、1回接種することで約95%、2回の接種でほぼ全員が免疫を獲得できます。

【世界中で広がる感染】
ユニセフ(国連児童基金)と世界保健機関(WHO)が発表した分析によると、2024年、世界では35万9,521件もの人がはしかを発症しました。特に、ヨーロッパおよび中央アジアの53カ国で報告されたはしかの症例数は12万7,350件に上り、1997年以降で最多になるという深刻な事態に陥っています。そして、患者の4割以上は、5歳未満のちいさな子ども達で、半数以上は入院が必要だったということです。彼らの多くがワクチンを未接種か1回しか接種していませんでした。
また、今年、アメリカでもテキサス州を中心としたはしかの大流行が発生。既に600人以上の感染が確認され、残念ながら2人の子どもが亡くなってしまいました。アメリカではしかによる死者が出るのは10年ぶりの出来事です。この流行でも、発症者の97%はワクチンを接種していませんでした。コロナ禍以後、ワクチン接種の遅れや接種忌避により、免疫を獲得できなかった子ども達がはしかの脅威にさらされています。
はしかの感染が拡大しているのは国内も同様です。国立感染症研究所によれば、3月30日までに確認された今年のはしかの症例数は58件。これは、昨年同時期の2倍以上です。日本は世界でも珍しいはしかの清浄国であり、在来のウイルスは既に存在しないと言われています。今年の症例でも海外から帰国した人がはしかを持ち帰る形で発症するケースが多いですが、渡航歴がない人の発症も各地で確認されています。
【ワクチン接種の重要性】
社会のグローバル化が進んだ現代では、人の移動に合わせてウイルスや細菌も移動するため、感染症が拡散する危険が増しています。清浄国である日本で、今年、はしかの症例数がこれだけ増加していることは、ウイルスや細菌が人間と共に国境を容易に越え、流行を発生させることを改めて示す事例と言えるでしょう。
私達JCV は、現地のUNICEF事務所と連携して、開発途上国にワクチンを贈り、子どもたちの未来を守る活動、そしてワクチン接種の重要性を伝え、支援の輪を広げる活動を1994年の創設時より継続して行っています。世界のどこかで感染症の流行が起これば、いつ日本に持ち込まれてもおかしくありません。途上国の子ども達はもちろん、日本の子ども達を感染症から守っていくためにも、世界中で子ども達にワクチンを届け、感染症を予防することが非常に重要となっています。

【JCV団体概要】

団体名 |
認定 NPO 法人 世界の子どもにワクチンを 日本委員会 |
代表 |
理事長 剱持 睦子 (ケンモチ ムツコ) |
創設者 |
会長 細川 佳代子 (ホソカワ カヨコ、細川護煕元首相夫人) |
本社所在地 |
東京都港区三田 4-1-9 三田ヒルサイドビル8F |
URL |
www.jcv-jp.org |
設立 |
1994年1月29日 |
スペシャルサポーター |
竹下景子(ワクチン大使・女優)、和田毅(元プロ野球選手)、早見優(歌手・女優)、三國清三(シェフ・株式会社ソシエテミクニ 代表取締役)、進藤奈邦子(WHO 健康危機管理プログラムシニアアドバイザー)、鏡リュウジ(翻訳家・心理占星術研究家)、安藤優子(ジャーナリスト)、キャップ革命 ボトルマン(株式会社タカラトミー) |