第一工業製薬株式会社
第一工業製薬(本社:京都市南区、代表取締役社長:山路直貴)は、溶剤を含まず低粘度な多官能アクリレートモノマーであるニューフロンティアMFシリーズの開発を促進します。
当社が得意とする界面技術を生かし、環境への配慮を重視しながら、さまざまなお客様要望に対応できるUV硬化樹脂材料を提案します。
紫外線(UV)硬化樹脂材料は熱硬化樹脂材料と比べて『省資源、省スペース、廃棄物抑制、室温硬化、高生産性』などの特長を持つ環境に優しい材料です。この特長を生かして、電子光学部品、印刷インキ、塗料・塗装コーティング剤、その他の特殊分野で利用されています。
UV硬化樹脂材料の中でも光硬化性の高い多官能モノマーは、優れた機械物性を持つ硬化膜が得られるため幅広く使用されています。一方、汎用的な多官能モノマーは粘度が高いため、有機溶剤や低粘度のモノマーで希釈して使用されることが多く、環境面や性能面での課題※1があります。
これに対し、当社が保有するアルキレンオキサイド(AO)付加技術※2を生かした、無溶剤で低粘度な多官能モノマー『ニューフロンティア MF-001』を製造、販売しております。
また、当社のAO付加技術はUV硬化樹脂材料を低粘度にする※3だけでなく、光反応性、フィラー分散性といった多角的な性能を付与することが可能です。
例えば、低粘度化と分散性向上により、機能性フィラーを多く添加することが可能になります。これにより、コーティングフィルムの硬度や屈折率が高まり、ディスプレイの機能性を向上させます。

お客様のご要望に応じて、さらなる高機能化を進め、無溶剤で環境に優しい、多官能UV硬化樹脂材料を提案します。
今後、電子材料用途や光学用途への開発と拡売を進め、MFシリーズとして中期経営計画SMART 2030の最終年度である2029年度には、現在の5倍の売上数量をめざします。
当社は引き続き環境に配慮した製品開発を進め、持続可能な社会の実現に貢献します。
[用語解説・関連情報]
※1 環境面や性能面での課題
:有機溶剤を使用する場合、乾燥時に発生するVOC(揮発性有機化合物)が問題となります。また低粘度のモノマーを使用する場合は、硬化膜の機械物性が著しく低下する懸念があります。
※2 アルキレンオキサイド付加技術(AO付加技術)
:当社コア事業である界面活性剤の設計・合成技術のひとつ。界面活性剤の分子構造を制御し、親水性・疎水性のバランスやさまざまな物性をコントロールすることが可能です。


※3 低粘度
:ニューフロンティアMF-001の粘度をさらに50%まで低粘度化した新グレード(開発品)も開発しました。
●ニューフロンティアは第一工業製薬株式会社の登録商標です。
【本リリースに関するお問い合わせ先】
第一工業製薬株式会社 管理本部 戦略統括部 広報IR部
TEL.075-276-3027 E-mail: d-kouhou@dks-web.co.jp
〒601-8002 京都市南区東九条上殿田町48番地2
