株式会社髙島屋
20世紀北欧ミッドセンチュリーデザインの先駆者となったアーティスト活動初期の1930年代後半から晩年まで幅広く網羅した作品約300点を展示!【巡回】9月10日(水)〜 9⽉21⽇(日)大阪高島屋

スウェーデンの陶芸家そしてデザイナーであるスティグ・リンドベリ(1916-1982)は、現在もなお20世紀を代表するデザイナーの一⼈として、世界中の多くの⼈々に愛され続けています。
スティグ・リンドベリは、1937年にスウェーデンの磁器メーカー グスタフスベリ社にデザイナーとして入社しました。機能性とは何か、また調和や美とは何かを追求し、独創的なアイデアを活かして新しい表現⽅法に挑戦する彼が生み出したデザインは、没後40年以上を経たいまでも、同社を代表する商品として人気を集めています。
本展は、彼がデザイナーとして活動を開始した1930年代後半のものから晩年の1980年代初頭までの約300点を展示します。展⽰作品は、食器・皿などのテーブルウエアのほか、人気の高いファイアンス(錫釉陶器)や1点ものの作品を含むスタジオ制作の、テキスタイルプリントや原画のスケッチ、晩年まで手元においていた作品など、スティグ・リンドベリのデザインを包括的に展覧する内容になっています。展示作品はすべてスティグ・リンドベリの遺品と家族が所蔵する貴重なプライベートコレクションです。
モダンな北欧デザインに関⼼が集まる現在、20世紀デザインのパイオニアとして活躍した偉⼤なアーティストの⼀⼈としてスティグ・リンドベリを再発⾒し、⽇本ではこれまでに紹介される機会のなかった作品や、ストーリーも含めて、その芸術性を紹介いたします。
本展覧会キュレーターからのメッセージ
ラーシュ・デュエホルム=リンドベリ
父・スティグが生まれ育ったスウェーデン北部のウメオという街は、「白樺の街」として知られ、その人生と創作活動には白樺が大きな影響を与えました。彼の代表作である[ベルサ]は白樺の葉のモチーフが描かれ、[ビルカ]は白樺の樹皮からインスピレーションを得て制作され、いずれも不朽のプロダクトとして長きにわたり愛されています。
この展覧会では、そういったスティグが手掛けた初期から晩年までの作品の数々をご紹介します。彼が生涯を通じて築き上げた作品とデザインの世界をぜひ会場でお楽しみください。
プロフィール
スティグ・リンドベリの⻑男。⻑年に渡り、⽗であるスティグ・リンドベリの芸術作品を記録し、編纂し、⼀般公開のために⼒を注いで来た。これまでにグスタフスベリ磁器博物館(2016年)、ミレスゴーデン・ミュージアム(2021-2022年)、ヴェステルボッテン・ミュージアム(2022-2023年)などのスウェーデン国内の著名な美術館や東京の⻄武百貨店(2017年)などと協⼒して、スティグ・リンドベリの展覧会を開催してきた。
開催概要
展覧会名:20世紀北欧デザインの巨匠 スティグ・リンドベリ展
会期会場:2025年8⽉21⽇(木)〜9⽉7⽇(日)⽇本橋高島屋S.C. 本館8階ホール
2025年9⽉10⽇(水)〜9⽉21⽇(日)⼤阪高島屋 7階グランドホール
主催:スティング・リンドベリ展実行委員会
特別協⼒:スティグ・リンドベリ・デザインAB、ヴィラスティル・デザイン・プロダクションHB
後援:スウェーデン⼤使館
企画協力:(株)アートインプレッション
ホームページURL:https://www.stiglindberg-exhibition.jp
見どころ
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120世紀北欧デザインを代表する巨匠のひとり、スティグ・リンドベリがデザイナーとして活動を始めた1930年代後半から晩年の1980年代初頭までの代表的な作品、日本初公開の作品も含めて約300点が集結。展示作品はすべて、スティグ・リンドベリの遺品と家族が所蔵する貴重なプライベートコレクション。
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代表作のテーブルウエアのほか、⼈気の⾼いファイアンスや一点ものの、アートウエア、フィギュア、テキスタイルなど、スティグ・リンドベリの多彩なデザインの魅力を紹介。
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日本への愛情をはぐくみ、日本人と多くの交流を持ったリンドベリが手元に置いていた日本の品々や日本の美にインスピレーションを得て制作した作品を展示。
スティグ・リンドベリ (1916-1982)

1937年にスウェーデンの陶磁器メーカー、グスタフスベリ社にデザイナーとして入社。
機能性とは何か、調和や美とは何かを追求し、独創的なアイデアをもとに新たな表現方法へと挑戦し続けた彼のデザインは、現在もなお高く評価され、没後40 年以上を経た今も、同社を代表する人気商品として多くの人々に親しまれている。
19168月17日、スウェーデン北部のヴェステルボッテン ウメオに生まれる
1935ストックホルムのテクニスカ・スコーラン(工芸学校)(後の国立美術工芸デザイン大学<コンストファック>)で学ぶ(~1937)
1937グスタフスベリ製陶所に勤務し、アート・ディレクターのヴィルヘルム・コーゲに師事する
1939グンネルと結婚
1942スティグの提案により,美術部門「グスタフスベリ・スタジオ」が設立される
1944ヘイマン&オルセン社のためにプリントテキスタイルのデザインを提供
1945モーレロースガラス工房のアート・ディレクター務める(~1947)
ヴィルヘルム・コーゲ、ベルント・フリーベリ、スティグ・リンドベリ 3人合同展(NK百貨店)
1947ストックホルムのNK百貨店のテキスタイル部門主任であったアストリッド・サンプとの協働によりプリントテキスタイルのデザインを提供
最初の絵本挿絵『お菓子袋の中の好奇心』(レンナート・ヘルシング著)、その後レンナートのとのコラボレーションにより、多くの児童書の挿絵を描く
1948アメリカ ニューヨークのノールAssのためにプリントテキスタイルのデザインを提供
1949ヴィルヘルム・コーゲの跡を継ぎ、グスタフスベリ製陶所のアート・ディレクターに就任(~1957)
1954スティグの誘いにより、リサ・ラーソンがグスタフスベリ製陶所に採用される
1957コンストファックの講師をつとめる(~)
グスタフスベリ製陶所を退職
第11回ミラノ・トリエンナーレに出品し金賞受賞
1958ウェーベリ&ソン社のためにトランプカードのデザインを提供
1959回転スクリーン式テレビ「ルマヴィジョンLT 104」のデザインを提供
スウェーデンのデザインのプロモーションのため来日、伝統的なやきもの産地である瀬戸、信楽を訪ねる。/リンドベリの仕事が『工芸ニュース』27(7)(工業技術院産業工芸試験所 編、丸善発行)などに紹介される(日本)
日本の西武百貨店のために包装紙のデザインを提供
1960ベルサ〈Berså〉が発表される(グスタフスベリ製陶所)
プリンス・ユージン・メダル受章
1970コンストファックの教授となる
グスタフスベリ製陶所に復職(~1980)
1972グスタフスベリ製陶所のアート・ディレクターをつとめる(~1980)
第30回ファエンツァ国際陶芸展(イタリア) 金賞受賞
1975妻・グンナル逝去
1978[世界現代工芸展 スカンディナヴィアの工芸」展にスウェーデンを代表する陶磁器作家として紹介され、「皿」「花器」を招待出品(日本/東京国立近代美術館、京都国立近代美術館)
1979イタリアへ移住。アトリエを開く
1982陶芸家スヴェン・ヴェイスフェルトとの共同制作 ホテル アル・ラシッドの石の壁面(1978年ni着工、イラク/バクダッド)
19844月7日、イタリアで逝去
2003ギエラ・エロン著 作品集「Stig Lindberg: Tusenkonstnaren」が発行される
2004「Stig Lindberg: Tusenkonstnaren」の日本語翻訳本『スティグ・リンドベリ作品集』が発行される(プチ・グラパブリッシング発行)
2006展覧会「Stig Lindberg」国立美術館(スウェーデン)
2016生誕100年記念「スティグ・リンドベリ展」が開催される(グスタフスベリ陶器博物館)日本においても同展が開催される(東京/西武百貨店池袋本店 西武ギャラリー)
展示構成
第1章 テーブルウエア(1940-1980年)
1940年頃の初期作品から1980年代初めにおける最後のデザインに至るまで、スティグ・リンドベリのテーブルウエアを包括的に紹介します。1950年代、1960年代に作られた著名な[ベルサ] [プルーヌス] [サリックス] [ピンタ]シリーズのみならず、[ティング]など日本ではあまり知られていないシリーズも展示します。


第2章 「H55」(国際建築⼯業デザイン博覧会)
1955年にスウェーデンのヘルシンボリで開催され、20世紀北欧デザインを牽引する役割を果たした歴史的な国際建築工業デザイン博覧会。同展に出品された作品群、[テルマ] [スピーサ・リッブ][コロラド] [ドミノ]シリーズといった炻器のテーブルウエアを紹介します。


第3章 ファイアンス
リンドベリが長年にわたって制作したファイアンス (錫釉陶器) の作品を紹介する主要なセクションです。1940年代から50年代にかけて制作された、手描きの花柄模様や幾何学模様の作品のほか、1960年前後に制作されたプリントと手描きを組み合わせた装飾が施された[カーニバル]シリーズ、そして1966 年の明快な縞模様の[ファイアンシエン]シリーズなどの作品群を紹介します。


第4章 アートウエア
「アートウエア」は、ディナーテーブル用とは異なり、マントルピースや本棚に置くためにグスタフスベリ工場で作り続けられたオブジェです。リンドベリは、1950年代のエレガントなモノクロの[ヴェックラ]シリーズや[プンゴ]シリーズ、手描きによる銀の装飾が施された[グラーシア]シリーズや[フィリグラーン]シリーズなどのデザインで、数十年にわたりグスタフスベリ工場のアートウエア生産に貢献しました。リンドベリに愛された非対称な形状と、形と装飾を組み合わせた技術を紹介します。

第5章 フィギュア<人物と動物>
リンドベリは人物と動物をモチーフとした革新的なフィギュア作品を制作しました。小さなフィギュアや彫刻、レリーフからは、リンドベリの豊かな想像力や、様々な素材や製造方法を試したいという願望が感じられます。お馴染みの[スプリンガレ]シリーズの馬のフィギュア、素焼きの白い[パリアーン]シリーズなど、多岐にわたる作品を紹介します。


第6章 炻器の彫刻(ユニークピース)
主に1940年代にグスタフス磁器工房のリンドベリのスタジオで手びねりで制作され、部分的に釉薬をかけない技法が用いられた珍しい炻器の彫像を紹介します。


第7章 炻器の器(ユニークピース)
リンドベリはそのキャリアを通じて、常に一点ものの炻器の器を大量に製作することを支持しており、小人数のアシスタントとともにスタジオで製造された一点ものの作品は主に展覧会で販売されました。本章では、1950年代の細身で優美なパステルカラーの器から、1960年代の牛血紅やウラニウム釉を使った濃色の器。そして1970年代のより重厚で素朴な表現への方向転換に至るまで、リンドベリの炻器の発展をたどります。


第8章 テキスタイル
1940年代にリンドベリは、スウェーデンにおける大手のNK百貨店のテキスタイル部門部長、アストリッド・サンペとのコラボレーションを開始し、その協同事業は大きな身を結びます。リンドベリは、具象であれ幾何学模様であれ、細やかな構図を作ることに長けていました。本章では、麻やベルベット素材のヴィンテージテキスタイルと、2000年代に再版されたパターンのテキスタイル作品を紹介します。また、スケッチや、妻であるグンネルがリンドベリのデザインに基づいて手織りしたいくつかのタペストリーも展示します。


第9章 スティグ・リンドベリと⽇本
リンドベリは、1959年の日本への旅行やグスタフスベリの工場を訪れた日本人デザイナーやビジネスマンを通じて、日本への愛情を育み、日本人と多くの交流を持ちました。本章では、リンドベリが手元に置いていた日本の品々、日本の美にインスピレーションを得て制作した作品、そして来日時の写真等を紹介します。


第10章 ⼦供のためのデザイン
リンドベリは様々な分野において、子どものためにモダニズムのデザインをする先駆者でした。本章では、ユーモラスにデザインされた子ども用食器やリンドベリが挿絵を描いた児童書、チェスやトランプカード、原画のスケッチも合わせて紹介します。


【お問い合わせ】
・日本橋高島屋:03‐3211‐4111(代表)
・大阪高島屋:06-6631-1101(代表)