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スラムの西成から、世界の西成へ。万博が“未来”を語るその時に、一曲の“日本語のリアル”が、アメリカでチャート3位に刺さった。

◆ 錚々たる面々の中で、堂々の“3位”
2025年6月6日、アメリカiTunes「シンガーソングライター」チャート上位に並んでいたのは、以下のようなアーティストたちだった。
Dean Lewis(オーストラリアの国民的シンガー/1位)
Myles Smith(TikTokバズで急浮上中の英国シンガー/2位・4位のWランクイン)
Tracy Chapman(グラミー受賞シンガーソングライター)
James Taylor(フォークのレジェンド)
Jimmy Buffett(米国で伝説的人気を誇るシンガー)
Simon & Garfunkel(説明不要の歴史的デュオ)
Gordon Lightfoot(カナダの国宝シンガー)
そんな中で──
3位にランクインしていたのは、名も知れ渡っていない日本人シンガーソングライターNISHIOKAによる、日本語曲の『HANAZONO』だった。英語圏リスナー中心の同ジャンルにおいて、日本語楽曲でのランクインは極めて稀なケースとなる。さらに同日、サブジャンルである「オルタナティブフォーク」チャートTOP100では1位を獲得した。
日本語で歌われ、完全インディペンデントでリリースされた1曲が、
アメリカのルーツ音楽界の“レジェンドたち”と肩を並べた。
この出来事は、単なる順位ではなく、ジャンル構造そのものを揺るがす異常値であり、
音楽が言語や国境を越えて届く“本質”を突きつける現象である。

“知られていない”日本語曲がアメリカで響いた
『HANAZONO』は、大阪市西成区・花園町をルーツに持つシンガーソングライター・NISHIOKAが、自らの原点と向き合う形で制作した1曲。 暴動、貧困、差別など、長らく社会の周縁に置かれてきた地域の“音”を、素朴なサウンドと裸の言葉で描いた楽曲であり、派手な演出やバズとは無縁の内容だ。 日本ではほとんど知られていないまま、海外で先に評価を受けた。

◆ 万博と『HANAZONO』──見せる未来と、生きてきた現実
かつて日本最大のスラム街と呼ばれていた大阪市・西成区・花園町。
大阪の路地裏から生まれた1曲が、万博開催中の世界に響いた。
2025年春、大阪・関西万博が開幕し、世界中が“未来”を語っている。
だがその喧騒の裏で、ひとつの静かな歌が、“過去と今”を貫いて世界に届いた。
『HANAZONO』は、万博開催中の大阪から発信されたもうひとつのリアリティだ。
夢を語る大舞台の裏側で、地面に足をつけた音楽が、誰にも頼らずに世界へ届いた。
この到達は、「届いたこと」そのものがニュースであり、音楽という手段の可能性を改めて突きつけている。
◆ iTunes「シンガーソングライター」チャート3位の異常性
アメリカiTunesの「シンガーソングライター」ジャンルには、Dean Lewis、Tracy Chapman、James Taylor、Bob Dylan、Cat Stevens、Passengerなど、名だたる巨匠や現行トップアーティストが並ぶ。 その中で日本語の1曲が3位に登場したのは、構造的に極めて珍しい現象である。 さらに、サブジャンルである「オルタナティブフォーク」チャートでは1位を獲得。Joan BaezやAvi Kaplan(元Pentatonix)を抑えての順位であり、ジャンル的な文脈においてもインパクトは大きい。
◆ NISHIOKAについて

NISHIOKA(ニシオカ)は、大阪市西成区出身のシンガーソングライター。 現在は独立レーベル「Tune Factory」からのリリースを中心に、インディペンデントな活動を展開している。 制作・配信・プロモーションまでをセルフで行い、ジャンルや国境に捉われない“生きた音”を軸に活動している。
◆ 今後の展開
8月には新曲をリリースする予定で、今回のチャート実績をもとに、今後は海外ラジオ・インディーメディアとの連携も視野に入れているほか、 また、5月3日にはiTunes UK で5位、Spotify UK「Top 50」にも過去ランクインしており、欧米圏での静かな広がりを足がかりに、さらなる展開が注目される。
🔗 関連リンク
【公式サイト】https://nishioka.news
【Spotify】https://open.spotify.com/track/5zuy1P907sdajVojDeJM6e
【Apple Music】https://music.apple.com/us/album/hanazono/1809528045?i=1809528046