株式会社MeDiCU
多様な生体情報を学習するAIで、高精度に急変リスクを予測
株式会社MeDiCUは、患者の急変を予測し医療従事者に通知するプログラムに関する特許(特許第7686300号)を取得いたしました。本発明の技術を活用し、世界最大規模の救急・集中治療データベース“OneICU”を基盤に開発した急変予測AIを医療機関に実装していきます。

株式会社MeDiCU(本社:大阪府大阪市、代表取締役:木下 喬弘、以下「MeDiCU」)は、このたび「プログラム、コンピュータおよび情報処理方法」に関する特許(特許第7686300号)を取得いたしました。本特許技術は、AIを用いて生体情報を含む多種多様な医療情報から患者の急変リスクを事前に予測し、最適な介入タイミングを医療従事者に通知するための技術です。
■ 特許取得の概要
発明の名称:プログラム、コンピュータおよび情報処理方法
特許番号:特許第7686300号
出願番号:特願2023-189193
発明者:木下(切通) 喬弘、吉村 旬平
出願日:2023年11月6日
■ 特許技術の特徴
多次元的な時系列情報の統合学習
患者基本情報や繰り返し測定される脈拍・血圧などのバイタルサイン情報、電子カルテ由来の検査・治療情報など、複雑で多次元的な時系列情報を統合し、急変予測に活用します。
様々な急変症状の予測と医療従事者への通知
ICUへの入室が必要となる急変や呼吸状態・循環動態の変化、切迫心停止、播種性血管内凝固の発生など、重症患者において頻繁に発生する様々な急変を高精度に予測し、電子カルテシステムや生体情報モニタへ即時に通知します。これにより、刻一刻と状態が変化する多数の患者の中で、介入の優先度が高いものを医療従事者が的確に判断することが可能になります。
個々の予測因子の寄与度を表示し病態把握を支援
予測に用いる個々の因子(患者情報)が急変リスクに与える影響の寄与度を表示することで、それぞれの患者が抱える問題点を明らかにします。急変リスクが高い患者の病態の把握を容易にすることで、より有効性の高い介入の実現を支援します。
■ 今後の展開
MeDiCUは本特許技術を核に、以下の施策を加速してまいります。
臨床現場における医療 AI の導入
2025年度内に国内の複数の医療機関にα版の導入を開始し、院内システムとの連携機能を確立します。多数の重症患者が治療を受ける ICU の中から、急変する可能性が高い症例を自動的に提示することで、介入が必要な患者の把握を容易にし、臨床業務の最適化を実現します。
アルゴリズムの継続的改善
医療AI が導入された現場から継続的に匿名化されたデータを収集し、フィードバックループを構築します。「使えば使うほど進化する AI」により、モデルの予測精度と説明性を段階的に改良を重ねて向上させます。
医療機器メーカー・データベースベンダーとのパートナーシップ
様々な医療機器メーカーとのパートナーシップを実現することにより、異なる医療情報システムを活用している医療機関においても、医療 AI の臨床導入を可能にします。またデータベースベンダーとのパートナーシップにより共同研究を加速し、医療データから得られた知見を迅速かつ的確に臨床現場へ還元できる体制を構築します。
MeDiCUは、本技術を通じて国内外の医療現場における早期介入を支援することで、医療現場の効率化を実現するだけでなく、一人ひとりの患者の救命率の向上に貢献してまいります。
■ 株式会社MeDiCUについて
MeDiCUは、救急・集中治療分野に特化した日本最大級のRWD(Real-World Data)プラットフォーム“OneICU”を運営し、AIを活用した医療現場支援サービスを提供しています。データ解析力と機械学習に基づくソリューションで、迅速かつ的確な臨床判断を支え、医療の質の向上と医療格差の解消を目指します。
URL: https://www.medicu.co.jp/