株式会社スタッフサービス・ホールディングス
退職者の3割が入社1ヶ月未満の時点で「辞めようかな」と思う。退職者の8割が新卒で入社した会社を退職して「よかった」と回答
人材総合サービスを全国で展開する株式会社スタッフサービス・ホールディングス(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:阪本耕治)は、高校・高専卒、短大卒、専門学校卒、大卒、大学院卒の25歳までを対象に、「新卒3年未満で正社員を退職した若年層の意識調査」を実施しました。
現在、深刻な人手不足が続く中、新卒採用を重視する会社が増えています。一方で、ミスマッチが原因で、入社から3年で約3割が退職してしまうという、いわゆる「3年3割問題」(※)もいまだ継続しています。本調査では、新卒で正社員として入社した会社を早期離職した若年層の価値観や退職理由を探ることで、若年層の初職のミスマッチを減らし、個人が力を発揮できる職場環境づくりのヒントにしていただくことを目的にしています。
スタッフサービスグループは経営理念「チャンスを。」のもと、一人ひとりの価値観や意識の変化を捉え、“より良い働く”の実現を目指します。
(※)厚生労働省「新規学卒者の離職状況」によると令和3年3月の大卒者の3年目までの離職率は34.9%の状況
【調査結果のポイント】
<新卒入社した会社の退職について>
●退職した人のうち、新卒で就職した会社を半年未満で退職したのは3割。(調査結果①)
●退職した人のうち、3割が入社1ヶ月未満の時点で「辞めようかな」となんとなく思っている。(調査結果②)
●新卒で就職した会社の退職理由1位は「人間関係が悪かった」 。3割弱が人間関係を理由に退職。(調査結果④)
●8割強が新卒で就職した会社を3年未満に退職して「よかった」と回答。(調査結果⑤)
<転職活動について>
●新卒で就職してから、これまでの転職回数は約7割が「1回」と回答。(調査結果⑦)
●7割強が新卒で就職した会社を退職後、2社目の会社でも正社員として働いている。(調査結果⑧)
●転職時には、約4割が「家族や友人、パートナー、知人」の意見を参考にしている。(調査結果⑨)
<新卒の就職について>
●新卒の就職活動時の会社選びで重視するポイントは、1位「会社の安定性、成長性」「会社の規模の大きさ」 (同率) 、3位「福利厚生の充実」。(調査結果⑪)
●入社前と後で会社のイメージにギャップがあったと回答した人は6割強。 3人に1人が「入社1週間未満」でギャップを感じている。(調査結果⑫、調査結果⑬)
<調査概要>
■調査方法:インターネット調査
■調査期間:2025年6月10日(火)~16日(月)
■調査対象:全国在住18歳~25歳男女(新卒で正社員として就職した会社を3年未満で離職経験がある人)※調査対象の詳細はページ下部の<調査概要>に記載しています
■サンプル数:706人
※本調査リリースの調査結果・グラフをご利用いただく際は、必ず【スタッフサービス・ホールディングス調べ】とご明記ください。
■新卒入社した会社の退職について
調査結果① 新卒で就職した会社の在籍期間
●退職した人のうち、新卒で就職した会社を半年未満で退職したのは3割。
新卒で就職した会社を入社3年未満で退職した人に在籍期間を尋ねたところ、48.2%が「1年未満」と回答した。中でも「半年未満」と回答した人は30.8%にのぼり、約3人に1人が入社から半年未満に退職している実態が明らかとなった。

調査結果② 初めて「辞めようかな」と思った時期
●退職した人のうち、3割が入社1ヶ月未満の時点で「辞めようかな」となんとなく思っている。
新卒で就職した会社を、初めて「辞めようかな」となんとなく思った時期について尋ねたところ、入社初日までにそう感じた人は10.2%、1ヶ月未満では32.9%、3ヶ月未満では半数を超え、51.0%となった。1年未満の時点では82.2%が退職を考えた経験があると回答した。

調査結果③ 初めて「辞めようかな」と思った場面
●最も多かったのは「オフィス内の職場環境や雰囲気を知った時」。
新卒で就職した会社を「辞めようかな」となんとなく思った場面について尋ねたところ、1位「オフィス内の職場環境や雰囲気を知った時」(23.3%)、2位「オリエンテーション・研修」(17.2%)、3位「所属部署に着任時」(10.8%)「残業や休日出勤などをしなければならなかった時」(10.8%) (同率)となった。


調査結果④ 退職した理由
●「上司や同僚との人間関係が悪かった」 、「社風が合わなかった」の回答が3割弱で上位に。
退職理由について尋ねたところ、最も多かったのは「上司や同僚との人間関係が悪かった」(26.3%)となった。次いで、「社風が合わなかった」(26.1%)、「会社の将来に不安を感じた」(21.1%)が続いた。人間関係や職場の雰囲気といった“働く環境”が、早期退職の要因となっていることがうかがえる。

調査結果⑤ 早期退職したことはよかったのか、後悔しているのか
●8割強が新卒で就職した会社を3年未満で退職して「よかった」と回答。
新卒で就職した会社を入社3年未満で退職したことについて、最も多かったのが「とてもよかったと思っている」(44.2%)、次いで「どちらかといえばよかったと思っている」(39.7%)の順となった。2つの回答を合わせると83.9%が「よかった」と回答した。一方で、「どちらかといえば後悔している」は11.2%、「とても後悔している」は5.0%にとどまり、退職したことをポジティブに振り返る人が大多数を占める結果となった。

調査結果⑥ 早期退職を後悔する理由
●退職を後悔した理由、最多は「転職後の収入が減ったから」で約3割が回答。
新卒で就職した会社を3年未満で退職して「後悔している」と回答した人に理由を尋ねたところ、最も多かったのは「転職後の収入が減ったから」で、28.1%を占めた。次いで多かったのは「転職後に前の職場のほうが良い職場環境だと分かったから」 (21.9%) 、「転職後のキャリア形成が難航したから」(18.4%)という結果となった。

■転職活動について
調査結果⑦ これまでの転職回数
●約7割が転職回数は1回と回答、1社目の在籍期間が長いほど転職回数は少ない傾向に。
転職回数については、69.3%が「1回」と回答した。新卒で就職した会社の在籍期間別に見ると、「2年以上~3年未満」では2回以上の転職経験者が19.9%だったのに対し、「3ヶ月未満」では43.3%と倍以上となり、差が見られた。

調査結果⑧ 転職で入社した2社目の雇用形態
●7割強が新卒で就職した会社を退職後、2社目の会社でも正社員として働いている。
初めての転職で入社した会社(2社目)の雇用形態について尋ねたところ、71.1%が「正社員」と回答した。新卒で就職した会社の在籍期間別に見ると、「2年以上~3年未満」が2社目も正社員として働いている割合が最も高く、約8割(77.1%)となった。一方、半年未満の回答を「全体」と比較すると「正社員」の割合が約10%ほど低く、「パート・アルバイト」の割合が高い結果となった。

調査結果⑨転職活動時に意見を参考にした相手
●転職時には、約4割が「家族や友人、パートナー、知人」の意見を参考にしている。
初めての転職活動時に誰からの意見を参考にしたか尋ねたところ、38.7%が「家族や友人、パートナー、知人」の意見を参考にしていると回答した。一方で、「特に誰の意見も参考にしていない」と答えた人も24.8%おり、全体の約4人に1人が自分自身の判断で転職活動を進めている結果となった。

調査結果⑩転職活動時に活用したサービス
●「転職エージェント」を活用して転職をした人が2割強。
初めての転職活動時に活用した方法やサービスについて尋ねたところ、最も多かったのは「転職エージェント」(25.6%)で、次いで「求人サイト」(21.4%)となった。

■新卒の就職について
調査結果⑪新卒の就職活動時の会社選びで重視したポイント
●1位「会社の安定性、成長性」 「会社の規模の大きさ」(同率) 3位「福利厚生の充実」。
新卒で就職した会社を半年未満で退職した人は、「会社の安定性、成長性」、「会社の規模の大きさ」を重視して選ぶ傾向が見られるが、「1年以上~3年未満」で退職した人は「福利厚生が充実している」ことを重視して就職先を選ぶ傾向が見られた。

調査結果⑫入社前と入社後のイメージの違い
●入社前と後で会社イメージにギャップがあったと回答した人は6割強。
入社前に抱いていた会社のイメージと、実際に働き始めてからのイメージが異なると回答した人は65.3%にのぼり、全体の6割強を占めていた。

調査結果⑬入社前と入社後のイメージに違いを感じた時期
●3人に1人が「1週間未満」で入社前後の会社のイメージに違いを感じている。
入社前後で会社イメージの違いを感じた人を時期別に見ると、「1週間未満」に違和感を感じた人は34.3%、「1ヶ月未満」では半数を超える56.6%となった。さらに、新卒で就職した会社を退職した時期別に見ると実際に3ヶ月未満で退職した層では、「1週間未満」にイメージギャップを感じた人が56.4%を占め、早期退職者ほどより早い段階で入社前後のギャップを実感していることがうかがえる。

総括 「入社前後のイメージギャップを減らす採用活動と入社後のサポートを」
深刻な人手不足が続く中、多くの企業が人材の確保と育成の重要性を強く感じています。特に、新卒採用をはじめとする若手人材の獲得と定着は、今後の企業成長を左右する重要な課題です。一方で、引き続き新卒入社者の早期離職が社会的な関心を集めており、若年層が働く職場に対してどのような価値観や期待を持っているのかを把握することが重要になっています。
本調査では、新卒で就職した会社を3年未満で退職した若年層の実態に迫りました。その結果、3年未満で退職した人のうち約3人に1人が「半年未満」に離職しており、6割強が入社前後の会社のイメージにギャップを感じていたことが分かりました。また、退職した3人に1人が「1ヶ月未満」といった早期に「辞めようかな」と感じており、入社直後から職場とのミスマッチを感じるケースが多いことがうかがえました。
退職理由としては、「人間関係が悪かった」(26.3%)が最も多く、次いで「社風が合わなかった」(26.1%)、「会社の将来に不安を感じた」(21.1%)と続きました。こうした結果から、職場の雰囲気や人間関係などが離職の大きな要因になっていることが考えられます。
若手人材の定着を図るためには、企業の実態や職場の雰囲気をできる限り正確に伝え、入社前後のイメージギャップを減らす工夫が欠かせません。「人間関係」や「社風」といった入社前にはイメージしづらい情報であっても、会社説明会やインターンシップ、職場見学などの機会を通じて具体的に伝えることで、求職者との認識のすり合わせが進み、早期離職の防止につながる可能性があります。退職者は入社後のかなり早い段階でギャップを感じているケースもあるため、コミュニケーションを密にするなどして、若年層の悩みや不安へのサポートを手厚くする必要もありそうです。
(ご参考)新卒で入った会社を4ヶ月で退職後、派遣期間に新たなスキルを身に付けて大手メーカーで直接雇用、正社員に
新卒で入社された企業を早期退職し、当社での派遣就業を通じて、就業先である派遣先企業の直接雇用につながった事例です。
今の目標は、「多くのお客様の声に耳を傾ける部門で育ったことを強みに、いずれは商品の企画開発など他の仕事にも挑戦してみたい!」。
▼経歴

・製菓専門学校卒業のち、フルーツギフトやケーキ販売の会社に就職。
・ビジネスマナーや接客の研修では物足りず、先を見据えて他のスキルも伸ばしたいと決意。
新卒入社から4ヶ月で退職。
・当社の事務職の無期雇用派遣「ミラエール」でキャリアをリスタート。
・総合乳製品メーカーで事務職として派遣就業。3年後に直接雇用に切り替わり、正社員に。
※詳しくは、スタッフサービスグループの公式SNS「note」の記事をぜひご覧ください。(https://note.staffservice.co.jp/)
<調査概要>
■調査方法:インターネット調査
■調査期間:2025年6月10日(火)~16日(月)
■調査対象:
・全国在住18歳~25歳男女
・学歴:高校・高専卒、短大・専門学校卒、大卒、その他(大学院卒など)
・新卒で正社員として就職した会社を3年未満で離職経験がある人
・転職経験があること(2社目が「会社経営」「自営業」「スポットワーク(スキマバイト)は除く、
無職は除く」
・現在、有職か無職かは問わない
■サンプル数:新卒で就職した会社の在籍期間

※本調査リリースの調査結果・グラフをご利用いただく際は、必ず【スタッフサービス・ホールディングス調べ】とご明記ください。
・全データ記載版は別途資料を下記URLよりご参照ください。
https://www.staffservice.co.jp/nt-files/nr_250722_2.pdf
■スタッフサービスグループ概要
創業:1981年11月29日
代表:阪本 耕治
本部:東京都千代田区神田練塀町85 JEBL秋葉原スクエア
事業内容:人材派遣(事務職、技術者、ITエンジニア、製造業務、医療・介護分野)、紹介予定派遣、人材紹介、業務請負
売上高:4,487億(2025年3月期)
従業員数:5,525人(2025年4月1日時点)
拠点数:国内142拠点(2025年4月1日時点)