SPACE COTAN株式会社
~ 射場全体システムの要件定義・検証計画の立案を完了 ~
民間にひらかれた商業宇宙港「北海道スペースポート(HOSPO)」を運営するSPACE COTAN株式会社(本社:北海道広尾郡大樹町、代表取締役社長兼CEO:小田切義憲)は、2025年1月に宇宙戦略基金の技術開発テーマ「将来輸送に向けた地上系基盤技術: 打上げ高頻度化等を実現する地上系基盤技術開発」に採択され、ロケットの高頻度打上げを目指した射場基盤技術の研究・開発を進めています。
2025年8月時点での主な活動について、以下にお知らせいたします。
① 宇宙戦略基金事業の四半期進捗報告会
7月18日、PO(プログラムオフィサー)の神武直彦氏、PO補佐の上田嘉紀氏、小笠原宏氏、津田佳明氏、JAXA関係者(GP(ゼネラルプロデューサー)の沖田耕一氏ほか)、連携機関の担当者にご参加いただき、宇宙戦略基金事業の四半期進捗報告会を開催しました。
SPACE COTANからは、代表取締役社長兼CEOの小田切義憲、研究代表者の降簱弘城、各プロジェクトマネージャーが参加し、2025年度第1四半期に実施した研究活動の進捗・成果に関して報告しました。(主な内容は以下の通り)
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射場全体システムの要件定義及び各技術課題(インターフェース共通化技術、極低温推進薬制御技術、共通無線技術、気象環境予測技術)の要件定義が完了したこと
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射場全体システム及び各技術課題の検証計画の立案が完了したこと
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今後の計画(スケジュール、資金)

今後は、技術実証のための環境整備や各技術課題のプロトタイプモデルの基本設計・詳細設計及び製作を行います。
また、気象環境予測技術については、様々な観測装置による気象環境データ(風速・風向、気温、湿度等)の取得を行い、HOSPO周辺の気象環境データを蓄積していく計画です。(右写真:7月23日に実施したラジオゾンデによる気象観測実験の様子)

② 宇宙戦略基金PDの石田真康氏がHOSPOを視察
6月6日、宇宙戦略基金PD(プログラムディレクター)の石田真康氏がHOSPOを訪問されました。
当日は、SPACE COTAN代表取締役社長兼CEOの小田切義憲らと民間宇宙港の事業に係る意見交換を行ったほか、HOSPOの1,300m滑走路や建設中のロケット射場Launch Complex 1(LC1)を視察されました。

③ SPACE COTANの東京事務所を開設
6月1日より、エキスパートオフィス新橋(東京都千代田区内幸町1丁目3−1 幸ビルディング9階)803号室に東京事務所を開設しました。
宇宙戦略基金における研究・開発の円滑な進捗を図るために、JAXAや連携機関との打合せやSPACE COTAN内での議論の場として利用する予定です。

北海道スペースポート(HOSPO)とは
HOSPOは、2021年4月に大樹町で本格稼働した民間にひらかれた商業宇宙港です。大樹町はロケットを打上げる東と南方向に海が広がり、広大な土地による射場の拡張性の高さ等の地理的優位性があることから、宇宙港の適地として40年前から航空宇宙産業の誘致を進めてきました。
宇宙関連産業の集積である「宇宙版シリコンバレー」を北海道に創出することをビジョンとし、宇宙港を核とした地域活性化に取り組んでいます。
人工衛星の打上げに対応した射場Launch Complex 1(LC1)の整備を進めており、企業版ふるさと納税制度を活用して整備資金を集めています。地域性を活かした取り組みで人口減少に歯止めがかかっていることなどが評価され、大樹町は2022年度の内閣府特命大臣表彰を受けました。
また、大樹町とSPACE COTANは、2024年10月に世界5大陸の8商業宇宙港で国際協力に関する覚書(MOU)を締結し、打上げ需要の拡大に応えるため、参加宇宙港とともに射場の国際標準化による相互運用性の確保や運用コスト削減に向けた合理化などの検討を開始しました。2025年1月には宇宙戦略基金に採択され、ロケットの打上げ高頻度化を目指した射場基盤技術の研究・開発を進めています。
さらに、2025年7月には台湾企業の日本法人「jtSPACE」が、海外資本としては国内初となるサブオービタルロケットの打上げをHOSPOで行いました。
