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Indeed、「労働者のスキルに関する日米調査」を実施。スキル習得「意欲なし」日本29.3%に対し米国3.7%。企業のスキル習得支援策も、日本は「特になし」22.7% で米国2.0%と大きな差

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Indeed Japan株式会社

労働者・企業双方のスキルに対する意識、日米で際立つ差が明らかに

世界No.1求人サイト*「Indeed (インディード)」の日本法人であるIndeed Japan株式会社(本社:東京都港区、代表取締役:淺野 健、https://jp.indeed.com 以下 Indeed )は、日本と米国の労働者(各国3,096名)および採用担当者(各国1,030名)を対象に、早稲田大学政治経済学術院 大湾 秀雄 教授ご監修の元、「労働者のスキルに関する日米調査」を実施しました。このたび、本調査結果の中から、日本と米国における、具体的なスキルについての労働者と企業のニーズの違いや、スキル習得に対する企業の取り組み姿勢の違いに関する分析結果をお知らせいたします。

※本調査では、労働者のスキルを、世界経済フォーラム(World Economic Forum)が定める「Jobs of Tomorrow: Skills Taxonomy」に準拠した、全26のスキルに分類して、調査・分析を実施しました。

目次

■ 調査結果 主要ポイント

【労働者が「今後習得したい・高めたいスキル」】

  • 日米の労働者のスキル習得意欲に大きな差:日本は「スキルを習得したいとは思わない」が3割(29.3%)と、米国3.7%を大きく上回る。

  • 日本はソフトスキル、米国はテック系重視:日本は「回復力・柔軟性・敏捷性」、「好奇心」がTop2でソフトスキルが上位。米国は「テクノロジーリテラシー」、「人工知能・ビッグデータ運用」がTop2でテック系ハードスキルを重視。

【企業が求めるスキルと労働者ニーズに差】

  • 日本:企業は「リーダーシップ」重視、労働者は低関心:日本企業が従業員に求めるスキルは「リーダーシップ」「共感」「好奇心」がTop3。1位「リーダーシップ」(24.5%)は、労働者が身に付けたいスキルの7位(12.4%)で12.1ポイント差と、企業・労働者間のニーズに大きな差。

  • 米国:企業は「信頼性」重視、労働者とのギャップ大:米国企業は「信頼性」「回復力」「テクノロジーリテラシー」がTop3。1位「信頼性」(34.5%)は、労働者の14位(16.5%)で18.0ポイント差と、企業・労働者間のニーズに大きな差。

【企業の従業員へのスキル習得支援の取り組み】

  • 支援の有無に日米で大きな差:日本は「特になし」が22.7%に対し、米国はわずか2.0%。労働者側も日本では45.6%が自社で取り組みなしと回答し、企業の取り組みが従業員に伝わっていない状況か。

  • 米国は企業主導、日本は従業員任せ:日本はスキル習得内容を「従業員に委ねられている」が最多(29.3%)で、従業員の自主性に任せる傾向。米国は「学習機会の提供」(48.0%)、「身につけるべきスキルの明示」(45.7%)がTop2で、企業が積極的に従業員のスキル習得に関与し機会を提供。

■ 調査監修者コメント:早稲田大学政治経済学術院 大湾 秀雄 教授

早稲田大学政治経済学術院 大湾 秀雄 教授

日本の労働者のスキル習得意欲が低いという事実は、過去の先行調査でも明らかになっていましたが、今回、日本企業も従業員のスキル習得促進に向けた方針や取り組みが、米国に比べ、大きく立ち遅れていることが明らかになりました。

米国企業は、生成AIなど新技術の活用に積極的で、従業員にもテクノロジースキルや変化への対応力を求めるようになっており、それが従業員のスキル習得支援にもつながっています。対して、日本では、キャリア自律性を奪うような配置制度を続ける一方、従業員のスキル習得に関し無策である企業が多い様子が明らかとなりました。その一方で、従業員に「好奇心・学び続けるマインド」を求める企業が多いのは皮肉であると言えます。こうした傾向が続けば、日本は人的資本蓄積が遅れ、国際競争力をさらに急速に失っていくと考えられるでしょう。経営者は、より危機感を持つことが求められます。

【プロフィール】

早稲田大学政治経済学術院教授。同大学組織経済実証研究所所長、経済産業研究所ファカルティーフェロー、ピープルアナリティクス&HRテクノロジー協会理事、東京大学エコノミックコンサルティング株式会社アドバイザーなどを兼任。スタンフォード大学経営大学院で博士号取得後、ワシントン大学、青山学院大学、東京大学を経て2018年から現職。専門は人事経済学・組織経済学・労働経済学で、最適な人事制度や職場組織の設計に関する研究を行う。著書に『日本の人事を科学する 因果推論に基づくデータ活用』(日本経済新聞出版社)、『男女賃金格差の経済学』(日経BP 日本経済新聞出版)など。

■ 調査実施の背景

昨今の日本の労働市場では、テクノロジーの進化や雇用慣習の変化を背景に、労働者個人が持つ「スキル」への注目が高まっています。政府もリスキリング支援を強化するなど、スキルを軸とした人材戦略への転換が進みつつあります。一方、米国では、転職や副業が一般的で、キャリア形成における自律性が重視される文化の中、「スキル」は労働者の市場価値を高める中核的な要素として、すでに広く認識されています。こうした背景を踏まえると、今後の日本においても、スキルを基盤としたキャリア形成や人材育成の重要性はますます高まると考えられます。

本調査では、日本および米国の労働者・企業の双方を対象に、スキルに対する意識と実態を明らかにすることを目的としました。加えて、スキルに関する意識が日本よりも進んでいると見られる米国の状況を比較対象とすることで、今後の日本における人材戦略やキャリア支援のあり方に対する具体的な示唆を得ることを目指しています。

■ 本調査における「スキル」の定義

本調査では、国際標準的な一貫したスキル分類を導入することで、日米間でスキル分類の定義の違いによる回答のずれをなるべくなくし、日米間比較を可能にするため、世界経済フォーラム(World Economic Forum)が定める「Jobs of Tomorrow: Skills Taxonomy」に準拠した26の汎用的スキルを用いて実施しました。

■ 調査結果 詳細

1. スキルの重要性の高まり

<労働者のスキル意識>

日米の労働者に、職場で近年「仕事に関連するスキル」の重要性が高まってきていると感じるか尋ねたところ、「そう思う」が日本では56.2%(そう思う18.6%、ややそう思う37.6%の合計)、米国では82.5%(そう思う51.3%、ややそう思う31.2%の合計)にのぼりました。日本のスコアは米国よりは低いものの、半数以上の労働者が、スキルの重要性の高まりを感じていることがわかります。

<企業のスキル意識>

日米の企業の採用担当者に、近年、採用・評価・昇進等の基準において「仕事に関連するスキル」のウェイトが上がっていると思うか尋ねたところ、「上がっている」が日本では48.3%(上がっている12.2%、やや上がっている36.1%の合計)、米国では80.6%(上がっている36.5%、やや上がっている44.1%の合計)にのぼりました。労働者側の意識と同様、日本のスコアは米国よりは低いものの、企業においても約半数が、近年のスキルの重要性の高まりを感じていることがわかります。

2. 今後習得したい・高めたいスキル

<労働者の「今後習得したい・高めたいスキル」>

日米の労働者に「自身が今後習得したい・高めたいスキル」を聴取したところ、日本では約3割が「今後、スキルを習得したい・高めたいとは思わない」(29.3%)と回答し、最多の結果でした。同回答は、米国ではわずか3.7%に留まっています。

具体的に習得したいスキルを見てみると、日本は「回復力・柔軟性・敏捷性」(15.3%)、「好奇心・学び続けるマインド」(14.7%)、「共感・積極的傾聴スキル」(14.4%)など上位7位までをソフトスキルが占めています。一方、米国では上位2位が「テクノロジーリテラシー」(24.8%)、「人工知能・ビッグデータ運用スキル」(24.7%)となり、ハードスキル、特にIT・テクノロジースキルへの労働者におけるニーズが高まっていることがわかります。また、上位10位以内に、ハードスキルが4つ入っていました。

<企業の「今後、従業員に習得してほしい・高めてほしいスキル」>

日米の企業の採用担当者に「今後、従業員に習得してほしい・高めてほしいスキル」を聴取したところ、日本では約1割(10.9%)が「今後、スキルを習得してほしい・高めてほしいとは思わない」と回答しました。一方、米国ではわずか0.5%に留まっています。

具体的に習得してほしいスキルを見てみると、日本では「リーダーシップ・社会に影響を与えるスキル」(24.5%)、「共感・積極的傾聴スキル」(22.4%)、「好奇心・学び続けるマインド」(22.3%)など上位10位が全てソフトスキルとなりました。一方、米国の上位は「信頼性・細部への注意力」(34.5%)、「回復力・柔軟性・敏捷性」(31.6%)、「テクノロジーリテラシー」(29.9%)などで、上位10位内にハードスキルが3つ入る結果となりました。

【調査監修者:早稲田大学政治経済学術院 大湾 秀雄 教授より】

今後習得したいスキルとして、日本の労働者が「回復力・柔軟性・敏捷性」という変化への対応力を重視し始めているのは、物価高と円安と人手不足の進行で、ビジネス環境の変化を感じているからではないでしょうか。一方、米国の労働者は、日本の労働者以上に生成AIによる業務の変化を感じており、「テクノロジーリテラシー」のような具体的なIT・テック系スキルを身につけないと職を失いかねないという危機感を持ち始めているのだと思われます。

日本で「今後、スキルを習得したい・高めたいとは思わない」労働者が約3割もいることは、リスキリングの必要性が重要な政策課題となっている今、憂慮すべき結果です。ただ、それ以上に採用担当者つまり企業側の意識でも日米の差が大きいことは注目に値します。リーダーシップやチームワークといった社会的スキルを重視する傾向は、ここ数十年、日米の両方で見られていましたが、今回、IT・テック系スキル習得の奨励に米国企業がいち早く動いていることが明らかになりました。労働者、特に中高年労働者がスキル需要変化への反応が遅いのは世の常であり、企業側の能力開発支援が重要になってきています。

3. 従業員のスキルに関する企業側の方針や取り組み

<企業の従業員スキル習得に対する取り組み>

日米の企業に「従業員のスキル習得に対する取り組み」について尋ねると、日本は「特になし」22.7%で2割以上の企業で何の取り組みもされていないことが明らかとなりました。米国では「特になし」はわずか2.0%に留まります。

具体的な取り組み内容をみると、日本では「従業員がどのような仕事に関連するスキルを身につけるかは、従業員に委ねられている」(29.3%)が最多、「スキルを身につけるための学習に関わる費用について、会社から従業員に支給(補助)される仕組みや、方針の明示がある」(22.2%)が2位でした。企業としての取り組みはあっても、その内容については従業員に委ねているケースが多い状況が伺えます。

一方、米国では「従業員個人が仕事に関連するスキルを新たに身につけるための学習や習得の機会は、会社から提供されている」(48.0%)、「従業員がどのような仕事に関連するスキルを身につけるべきかは、会社や上司から明示される」(45.7%)が上位2位で、かつ、これらは約半数の企業にあてはまります。企業が、従業員のスキル習得の内容や機会の提供を積極的に行っていることがわかります。

<労働者に聞く、自社のスキル習得に対する取り組み>

日米の労働者に「自社のスキル習得に対する取り組み」を聞いたところ、日本では「特になし」が45.6%で最多となり、約半数の労働者が「自分の勤務先では何の取り組みもされていない」と認識していました。企業側では「特になし」が22.7%であったことを踏まえると、企業のスキル習得に向けた取り組みが、従業員に伝わっていない状況もありそうです。なお、米国では「特になし」は6.8%のみでした。

取り組み内容をみると、「どのようなスキルを身につけるかは、従業員に委ねられている」(21.7%)が最多、次いで「スキルを身につけるための学習に関わる費用について、会社から従業員に支給(補助)される仕組みや、方針の明示がある」(14.8%)でした。取り組み内容の上位2位は、企業側の回答と同じであり、日本では総じて、スキル習得が従業員に委ねられている状況が多いことがわかります。

米国では「従業員個人が、今後新しく身につけたい仕事に関連するスキルについて、会社や上司と相談する機会が設けられている」(42.1%)、「従業員同士で、業務に必要な知識・スキルを学び合う・共有し合う場が設けられている」(41.5%)が上位2位となりました。日本とは対照的に、企業から積極的にスキルに関する学習・習得やコミュニケーションの機会が提供されている様子がわかります。

<タレントマネジメントの導入状況>

1990年代後半から2000年代初めにかけて、企業が戦略的に優秀な人材(タレント)を採用・育成・配置・評価・維持し、組織の成長と成果を最大化する仕組みとして「タレントマネジメント」という概念が生まれ、欧米を中心に浸透してきました。この「タレントマネジメント」の取り組み状況を尋ねたところ、日米で大きな差が明らかになりました。

企業への調査では、日本でタレントマネジメントの仕組みが「ある」と答えたのは34.7%でしたが、米国では75.0%にのぼり、40.3ポイントの差が見られました。また労働者にも、勤務先での「タレントマネジメント」の導入状況を尋ねたところ、日本では「ある」が18.0%、「ない」が50.8%、「わからない」が31.2%でした。対して米国では「ある」が59.5%、「ない」が28.5%、「わからない」が12.0%でした。

【調査監修者:早稲田大学政治経済学術院 大湾 秀雄 教授より】

従業員のスキル習得について、日本は「従業員に委ねる」あるいは「そもそも方針がない」企業が多く、米国は従業員に学習機会やコミュニケーション機会を提供している企業が多いようです。かつては離職率が低い日本企業の方が米国企業より人的資本投資意欲が高いと言われた時代もありましたが、今は完全に逆転しています。生成AIを中心とした新技術やその用途の急激な進化でビジネスモデルや業務内容が大きく変わりつつある中、米国では外部労働市場で必要な人材を十分に獲得できなくなっている一方、日本ではまだ変化がさほど顕在化していないと言えるでしょう。それは、「タレントマネジメント」の導入状況の日米差にも現れています。

トレーニング機会の提供は人材獲得にも寄与します。日本企業も人材獲得難から、こうした外部労働市場の変化への対応を求められるようになるでしょう。

■「労働者のスキルに関する日米調査」概要

  • 調査主体: Indeed

  • 調査対象:

    A. 労働者調査:20歳~59歳の男女 日本・米国 各3,096名

    B. 採用担当者調査:企業の人事・人材採用担当者 日本・米国 各1,030名

  • 割付方法:

    A. 労働者調査:性別×年代(10歳刻み)合計8セル 各387名均等回収

    B. 採用担当者調査:従業員数99人以下、100人以上 合計2セル 各セル515名均等回収

  • 補正:

    A-1. 日本の労働者調査:令和4年就業構造基本調査を用いて、雇用者の性年代の構成比にあわせ補正

    A-2. 米国の労働者調査:Labor Force Statistics from the Current Population Survey 2025を用いて、Civilian labor forceの性年代別構成比に合わせて補正

    B-1. 日本の採用担当者調査:令和3年経済センサス‐活動調査 事業所に関する集計-産業横断的集計-事業所数、従業者数を用いて、従業者数99人以下と100人以上の構成比に合わせて補正

    B-2. 米国の採用担当者調査:NAICS AssociationのCounts by Total Employees(Updated 2024-12-03)を用いて、従業者数99人以下と100人以上の構成比に合わせて補正

  • 調査方法:インターネット調査

  • 調査期間:2025年4月11日(金)~ 2025年5月10日(土)

  • 調査監修:早稲田大学政治経済学術院 大湾 秀雄 教授

※構成比(%)、差分(pt)は小数第2位以下を四捨五入しているため、合計が100%にならない場合や、少数第1位までの計算とは数値が異なる場合があります。

Indeed (インディード)について

Indeed は、最も多くの人が仕事を見つけている世界No.1求人サイト(Comscore 2025年3月総訪問数)です。 Indeed には、6億1,000万件の求職者プロフィールがあり、28言語で60か国以上の人々が Indeed で仕事を探したり、履歴書を投稿したり、企業を調べたりしています。 350万以上の雇用主が Indeed を利用して新しい従業員を見つけ、採用しています。詳細はhttps://jp.indeed.comをご覧ください。

※本プレスリリースは、以下からもご確認いただけます。

 Indeed Japan News Room:https://jp.indeed.com/news/releases/20250808


*Comscore 2025年3月総訪問数

出典:PR TIMES

本プレスリリースの内容や詳細についてのお問合せは以下までご連絡ください。

企業プレスリリース詳細へ (2025年8月8日 12時00分)

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