ローランド ディー.ジー.株式会社
業務用インクジェットプリンターを製造・販売するローランド ディー.ジー.株式会社は、2025年6月28日よりフランス ナント市で開催されている「北斎(1760-1849)小布施北斎館の名作」展の出展作品のひとつである上町祭屋台天井絵「女浪」※1の複製に協力しました。

「北斎(1760-1849)小布施北斎館の名作」展は、毎年夏に100万人以上が訪れる文化芸術の街 ナント市の観光キャンペーン「ボヤージュ・ア・ナント(Le Voyage à Nantes)」の目玉企画として開催されている展覧会です。会場となるブルターニュ大公城/ナント歴史博物館はフランス国内でも有数の美術館として知られており、今年も20万人以上の集客が見込まれています。本展覧会では、長野県小布施町にある一般財団法人 北斎館※2の全面協力のもと、「水と波」などをテーマにした葛飾北斎の作品160点以上が展示され、多くの来場者を魅了しています。

当社は、北斎が弘化2年(1845年)、86歳の時に手掛けた上町祭屋台天井絵「女浪」の複製に協力。UVプリンター TrueVIS LG-640を使い、作品の一部である縁絵の再現プリントを担当しました。
北斎館館長の安村 敏信氏は「2026年に50周年を迎える北斎館は、“北斎の町 小布施”の魅力を世界に発信するため、積極的に国際協力事業を推進しております。本展覧会もその一環として開催されているもので、展示作品の大部分が当館のコレクションからの出展となります。しかし、貴重な文化財の保存上の観点や物理的な制約から、すべての作品を海外に持っていくのは難しく、いくつかの作品は精巧なレプリカを準備する必要がありました。上町祭屋台天井絵「女浪」もそのひとつでした」と語ります。
正確な複製を創り出すために必要不可欠な作品のデジタル化は、文化財のデジタル化を通じた地方創生を目指す株式会社NTT ArtTechnology※3(以下:NTT ArtTechnology)と、特許技術「高品位三次元質感画像処理技術(DTIP)」を有する株式会社アルステクネ※4(以下:アルステクネ)の連携により実現しました。両社の優れた知見と先端テクノロジーにより生み出された微細な質感情報までを含む高精細なデジタルデータは、約36億画素を誇り、当社はそのデータを元にLG-640で額装の絵柄を忠実に再現しました。
アルステクネ代表取締役社長の久保田 巌氏は「縁絵部分には、金箔の地の上に、獅子や孔雀などの動物や数種類の花が鮮やかな色彩で描かれています。さらに経年劣化や、金箔の皺、絵の具が剥げ落ち額縁材の木肌が露出している箇所、油煙墨の重ね塗りや日本画の多様な絵の具の反射質感。今回は、こうした現作品の微細な質感までをもデジタルプリントにより、三次元の物体として忠実に再現するという前例のないチャレンジでした。そのためには特殊な表現力を持ったプリント技術や、色合わせに関するノウハウが必要であり、ローランド ディー.ジー.は、その期待に見事に応えてくださいました。完成したレプリカを見た時は私自身思わず感嘆の声をあげてしまいました」と述べています。
また、NTT ArtTechnology代表取締役社長の国枝 学氏は「2022年にNTTインターコミュニケーション・センター[ICC]にて開催した「Digital×北斎」特別展「大鳳凰図転生物語」で展示した岩松院本堂天井絵「鳳凰図」の推定完成複原版も素晴らしい仕上がりでしたが、今回の上町祭屋台天井絵「女浪」はそれ以上の仕上がりと言えるのではないでしょうか。ローランド ディー.ジー.のおかげで、ナント市の展覧会で「男浪」(原画)と「女浪」(高精細複製画)を一緒に展示することができ、晩年の葛飾北斎の創造性の高さとその背景にある小布施町の魅力について、広く海外の方々に発信できることをたいへん嬉しく思います」と述べています。
今後も当社は、デジタル技術を活用した新しいアートの見せ方や楽しみ方を創出していくことで、世界中の人々に創造の素晴らしさや、そこから生まれる驚きや感動を提供してまいります。
※1 上町祭屋台天井絵「女浪」について:https://hokusai-kan.com/collection/kanmachi/
※2 一般財団法人 北斎館について:https://hokusai-kan.com/
※3 株式会社NTT ArtTechnologyについて:https://www.ntt-arttechnology.com/
※4 株式会社アルステクネについて:https://www.arstechne.co.jp/
展覧会概要

名称 |
「北斎(1760-1849)小布施北斎館の名作」展 |
期間 |
2025年6月28日(土)~9月7日(日) |
会場 |
ブルターニュ大公城/ナント歴史博物館 |
主催 |
ブルターニュ大公城/ナント歴史博物館 |
共催 |
一般財団法人 北斎館 |
後援 |
在フランス日本国大使館、小布施町、ナント国際芸術祭「ボヤージュ・ア・ナント」他 |
ローランド ディー.ジー.株式会社について
ローランド ディー.ジー.株式会社は「世界の創造(ワクワク)をデザインする」をパーパスに掲げ、誰もが手軽に表現やものづくりを行えるデジタルソリューションを通じてより豊かな社会の実現を目指します。主力製品の業務用インクジェットプリンターは、広告・看板からインテリア装飾まで幅広いビジュアルコミュニケーション用途で活用されています。また、個人のニーズに合わせたグッズのパーソナライズや、少量多品種のカスタマイズ生産を実現するプリンターやカッティングマシン、3Dものづくり製品などにより、デジタルファブリケーションの新しい可能性を開拓しています。近年では、プリント業務の生産性向上を実現するコネクテッドサービスや、独自のシステムで中小製造業の生産現場を改善するクラウドサービスを提供し、デジタルトランスフォーメーションの推進に積極的に取り組んでいます。
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