株式会社MTG
株式会社MTG(本社:愛知県名古屋市、代表取締役:松下剛)と森ノ宮医療大学 インクルーシブ医科学研究所所長・総合リハビリテーション学部理学療法学科教授 工藤慎太郎氏が共同開発した骨盤支持ソファに関する研究成果が、工藤教授、助教 中田光海氏によって、2025年7月27日から31日に行われた人間工学に関する国際会議『International Society of Biomechanics』にて発表されたことをご報告します。
■ 背景・目的
長時間の座位は、解剖学的に正しい姿勢よりも背骨が屈曲し、骨盤が後傾した姿勢を引き起こし、背部に機械的な負担がかかることで腰痛を引き起こします。また、ソファの座面はデスクチェアに比べて柔らかく、ソファに座ると背中から腰が曲がった猫背姿勢になりやすいため、特に腰部に負担がかかります。そこで、骨盤の前傾と腰椎の前弯を適切にする新しいソファを開発し、腰痛者と健常者を対象に、骨盤支持ソファと従来のソファの30分後の腰痛の強さ、アライメント、筋活動への影響の違いについて調査を行いました。
■ 実験概要
被験者:慢性非特異的腰痛者19名(21.6±4.6歳)、健常者19名(23.4±4.8歳)
試行方法:骨盤支持ソファと従来型のソファの各ソファにおいて、1回30分座位保持を実施
測定項目:矢状面の骨盤傾斜角度、体幹屈曲角度、多裂筋と脊柱起立筋の筋活動、腰痛の強さNRS(Numerical Rating Scale:数値評価尺度)
■ 結果
(発表データの一例)

従来型のソファと比較して、骨盤支持ソファに座ることで、健常者および腰痛者ともに背中や腰の筋活動を要さずに30分間骨盤を前傾位に保持されていました。
■ まとめ
本研究結果より、腰痛の有無にかかわらず、従来型のソファよりも骨盤支持ソファに座ることで30分後もアライメントは適切に保たれ、長時間座位による腰痛の悪化を防ぐことが示唆されました。
■ 発表タイトル
The Effects of the developed sofa on back pain, alignment, and muscle fatigue during prolonged sitting
■ 発表者
Akimi Nakata, Shintarou Kudo(Inclusive medical sciences institute, Morinomiya University of Medical Sciences, Osaka, Japan、Graduate school of Health Sciences, Morinomiya University of Medical Sciences, Osaka, Japan)
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