三井ホーム株式会社
~三井ホーム独自の木造建築技術を活かし、工期短縮と持続可能性に貢献~
三井ホーム株式会社(本社:東京都江東区、代表取締役社長:野島 秀敏、以下「当社」)は、2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)のカタール館建設プロジェクトに参画し、木造建築技術を提供したことをお知らせいたします。

カタール館のデザインは、カタールの伝統的な帆船「ダウ船」と、木材を釘などの使用なしに組み合わせる日本の伝統的な木工技術「指物技術」から着想を得て両文化の調和を象徴的に表現しており、大阪・関西万博のテーマ「いのち輝く未来社会のデザイン」を体現しています。
当社はカタール館の木造部分において、構造設計から生産、施工までを一貫して担当しました。本プロジェクトは、極めて短い工期の中で、プランニングの柔軟性にも対応する必要がありましたが、当社が非住宅分野で培ってきた施工合理化の経験と技術を結集することでこれを実現しました。一般流通製材で構成する木造枠組壁工法(ツーバイフォー工法)及びコネックトラス(※1)、断熱材でありながら構造体としても機能する断熱複合パネル(DSP)(※2)など規格化された構造材を採用することで現場負担を低減し、短工期への対応に大きく貢献しています。さらに、こうした課題に対応するだけでなく、万博のテーマを実現するための重要な要素「持続可能性」にも貢献するため、内部建屋の接合部にビスを併用することで部材の損傷を抑え、解体後の利活用も視野に入れた設計としました。
脱炭素社会の実現が不可欠となる中、木造建築は持続可能な社会を支える建築手法として注目を集めています。昨年創立50周年を迎えた当社は、木造建築の分野を牽引する企業として、環境に配慮した技術開発に積極的に取り組んでおり、本プロジェクトにも、これまでの木造建築における豊富な実績と、ツーバイフォー工法におけるリーディングカンパニーとしての技術力を活かしました。今後は住宅に留まらず、中大規模木造建築や各種施設、さらには木造技術の部分的な提供など、多様な建築物の木造化・木質化を推進してまいります。これにより、SDGs(持続可能な開発目標)や脱炭素社会の実現に貢献し、新たな事業領域の開拓を進めていく所存です。
※1 工場で生産された、規格化された屋根骨組みユニット。現場作業を極力減らし、労務費を軽減することが可能。
※2 ダブルシールドパネル。当社独自の技術で、発泡成形ポリスチレン(EPS)を芯材に、広葉樹のチップを集成した構造用面材(OSB)でサンドイッチした構造用断熱パネル。構造強度に優れ、木材使用率が在来の木造と比べて約1/2で済むことから、森林資源の保護にも役立つ。



【プロジェクト概要】

物件概要 |
大阪・関西万博カタール館新築工事 |
住所 |
大阪府大阪市此花区夢洲中1丁目 |
構成 |
木造一部鉄骨造2階建て |
木造部施工面積 |
1001㎡ |
建物デザイン |
隈研吾建築都市設計事務所 |
設計・施工 |
前田建設工業株式会社 |
請負体制 |
元請:前田建設工業株式会社関西支店 一次請:三井ホーム株式会社 木材建材事業本部 |
当社請負範囲 |
木躯体工事、その他(断熱、屋上デッキ、木質造作壁、壁ルーバー、EV等) |
躯体施工期間 |
建方 2024年9月2日~10月9日 |
外皮 |
鉄骨造+膜材 |
展示棟 |
地上2階建て 枠組壁工法(当社で構造設計・施工) |
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