Causal Foundry INC
データとAIで、サステナブルな医療物流へ。
スペイン・バルセロナに本社を構えるAIスタートアップ Causal Foundry(コーザル・ファウンドリ、日本法人:東京都渋谷区、CEO:アフリカ・ペリアニェス博士、以下「Causal Foundry」)は、豊田通商株式会社(本社:愛知県名古屋市中村区、取締役社長:今井 斗志光、以下「豊田通商」)との、新興国市場における持続可能で公平な医療物流の構築を目的とした業務提携に関する覚書(MOU)を締結しました。
両社は「Clean Loop(クリーンループ)構想」のもと、ワクチン配送と医療廃棄物の回収を統合した双方向型ロジスティクスモデルを共同開発し、AI技術と専用車両を融合した実証展開を推進していきます。

背景と目的:医療物流システムの革命的転換
多くの医療物流システムでは、ワクチンの配送と医療廃棄物の処理が別々に行われる「非統合型のプル型モデル」が採用されており、重大な非効率と環境負荷を生み出しています。
この課題を解決するため、両社は革新的な「Clean Loop(クリーンループ)構想」を推進します。これは従来の一方向配送システムを、ワクチン配送(往路)と医療廃棄物回収(復路)を統合した完全循環型の双方向物流システムに転換する画期的なアプローチです。
Clean Loop構想の4つの革新性
1. 完全循環型システム
冷蔵車両がワクチンを届けた帰路で医療廃棄物を安全に回収し、単一目的配送ルートを二重機能ヘルスケア物流に変革
2. AI駆動の最適化
Causal FoundryのAIプラットフォームが需要予測、循環型マルチストップ最適化、天候・道路状況に基づくリアルタイムルート調整を統合実行
3. 大幅な効率改善
空荷の復路を解消し、燃料消費を半減、ヘルスワーカーの移動距離を大幅削減しながら、遠隔地への公平なラストマイルサービス配布を実現
4. 環境・安全性向上
WHO準拠の適正廃棄物処理を確保し、燃料使用量とCO2排出量を削減、医療従事者の安全性を向上
各社の強みと専門性
【豊田通商:ラストワンマイルにおけるワクチン保冷輸送の先駆者】
豊田通商は、アフリカをはじめとした開発途上国において、自動車ビジネスを中心としたさまざまなビジネスを通じ、生活基盤の整備、産業振興・雇用創出等現地の社会課題の解決に取り組んでいる総合商社です。
主な実績:
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2021年、B Medical Systems社およびトヨタ自動車と連携し、世界初となるWHO-PQS認証を取得したランドクルーザー78ワクチン保冷輸送車(RVTV)を開発・供給開始
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過酷な未舗装路でも走行可能な(RVTV)をベースとし、最大400リットルの小児用ワクチンを収納可能
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電源無しでも最大16時間の保冷が可能で、外部電源からの充電にも対応
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現在20カ国以上に230台以上が展開され、アフリカにおけるワクチンコールドチェーン整備に大きく貢献
【Causal Foundry:実世界に根ざしたAIエキスパート】
Causal Foundry(コーザル・ファウンドリ)は、スペイン・バルセロナに本社を置く、ゲイツ財団やGoogle、Johnson & JohnsonやEli Lillyから支援を受けるグローバル先端テックカンパニーです。
主な特徴:
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AIによる行動予測・需要予測を強みに、アフリカ10カ国のヘルスケアNGO「mothers2mothers」、ルワンダ社会保険庁(RSSB)、東南アジア最大級の薬局ネットワークなど、多様な産業・機関と連携
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「適応型パーソナライゼーションAI」を提供:ユーザー一人ひとりの行動パターンや反応を継続的に学習し、自らの施策結果からもフィードバックを得て進化する自己進化型AI
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使えば使うほど精度が高まり、導入現場に最適化されていく特性
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需要予測、在庫切れ防止、ラストマイル配送の最適化、行動変容を促すナッジ設計等で持続的な成果を実現
期待される4つの成果
1. 効率性・安全性の向上
ラストマイル配送を二重機能型の循環ルートへと転換し、空荷の復路を解消。あわせて、医療従事者の安全性も向上させます
2. AI駆動の物流最適化
需要・廃棄物量を予測し、ルートを動的最適化、遠隔クリニックへの公平なカバレッジを保証
3. リアルタイム意思決定・可視化ダッシュボード
ドライバーには明確な現場ガイダンス、ステークホルダーには配送実績、廃棄物回収量、主要パフォーマンス指標をリアルタイム表示
4. 環境・システム全体への影響
燃料使用量と排出量削減、WHO準拠の廃棄物処理確保、統合データを活用したより環境に優しく、安価で、レジリエントな予防接種システムの構築
コメント
豊田通商株式会社 モビリティ本部CEO 原田 繁 氏
「豊田通商は、モビリティを通してアフリカをはじめとした各地域の社会課題の解決を目指しています。今回CAUSAL FOUNDRYとの協業は医療輸送における画期的な循環型システムの確立への一歩としてグローバルヘルスに貢献していきます。」
Causal Foundry CEO アフリカ・ペリアニェス 博士
「豊田通商の現場力とネットワーク、そして当社のAIプラットフォームを掛け合わせることで、私たちは医療輸送の在り方そのものを変えようとしています。モビリティが単なる移動手段を超え、現実世界のニーズを予測し、適応し、応答する「知的なインフラ」へと進化する未来を、共に築いてまいります。」
今後の展開
両社は今後、地域選定などを経て共同実証を随時開始予定です。
プロジェクトの進捗や成果は、国内外の関連機関やパートナーとも共有し、より広域な実装と持続可能なスケールアップを目指します。
会社概要
豊田通商株式会社(Toyota Tsusho Corporation)
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所在地: 愛知県名古屋市中村区名駅四丁目9番8号
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代表者: 代表取締役社長 今井 斗志光
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事業内容: 各種物品の国内取引、輸出入取引、外国間取引、建設工事請負、各種保険代理業務 等
コーザル・ファウンドリ合同会社(Causal Foundry G.K.)
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所在地: 東京都渋谷区恵比寿南1−1−1 ヒューマックス恵比寿ビル8階
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代表者: CEO アフリカ・ペリアニェス 博士
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事業内容: 適応型AIプラットフォームの開発と提供(物流、医療、政府、eコマース、ゲームなど)