株式会社イデックスビジネスサービス
1,047人調査で明らかに。中小企業が感じた生成AIの実用性と“導入の壁”
株式会社イデックスビジネスサービス（https://idex-f.co.jp/）は、①生成AI導入を検討中／②生成AIをすでに導入している中小企業の情報システム・総務担当者を対象に、「生成AI導入の壁」に関する調査を実施しました。
企業の生成AIに対する期待は高まっていますが、セキュリティや運用面への不安が活用を妨げている現状があります。
使いたいけれど踏み出せないという声もある中、すでに導入を進めた企業からはどのようなメリットがあげられるのでしょうか。
また、生成AI導入を阻む壁とは何なのでしょうか？
そこで今回、株式会社イデックスビジネスサービス（https://idex-f.co.jp/）は、①生成AI導入を検討中／②生成AIをすでに導入している中小企業の情報システム・総務担当者を対象に、「生成AI導入の壁」に関する調査を実施しました。
調査概要：「生成AI導入の壁」に関する調査
【調査期間】2025年7月10日（木）～2025年7月12日（土）
【調査方法】PRIZMA（https://www.prizma-link.com/press）によるインターネット調査
【調査人数】1,047人（①502人／②545人）
【調査対象】調査回答時に①生成AI導入を検討中／②生成AIをすでに導入している中小企業の情報システム・総務担当者と回答したモニター
【調査元】株式会社イデックスビジネスサービス（https://idex-f.co.jp/）
【モニター提供元】PRIZMAリサーチ
生成AI導入に期待する効果は「人的コストの削減」「業務の効率化」「業務品質の向上」
はじめに、生成AI導入を検討中の中小企業の情報システム・総務担当者にうかがいました。
「生成AIの導入や運用に向けて不安に感じていること」について尋ねたところ、『導入を担う人材の不足（50.6％）』が最も多く、『社内体制や役割分担の不十分さ（42.0％）』『活用ルールやガイドラインの未整備（41.6％）』と続きました。
生成AI導入の最大の不安要因として『導入を担う人材の不足』があげられ、生成AIの導入・運用には高度な専門知識やスキルが求められるけれど、そうした人材の獲得や育成は難しい現状が示されました。
また、『社内体制や役割分担の不十分さ』『活用ルールやガイドラインの未整備』も上位にあがり、生成AI導入を円滑に進めるための体制の整備が遅れていることもうかがえます。
次に、「生成AI導入に期待する効果」について尋ねたところ、『人的コストの削減（57.2％）』『業務の効率化（50.8％）』『業務品質の向上（42.6％）』が上位になりました。
生成AIを導入することで、定型的な作業やデータ処理を自動化し、作業時間や人件費を削減できることから、『人的コストの削減』『業務の効率化』が期待されているようです。
また、生成AIの活用により短時間で高精度なアウトプットが可能となり、従業員はより付加価値の高い業務に専念でき、人的ミスの低減や業務の標準化もできることから、『業務品質の向上』も上位にあがりました。
これらの結果から、生産性の向上や競争力の強化に直結する効果への期待が高いことが示されました。
生成AI導入に踏み切れない理由第1位は「セキュリティ面の不安」
生成AI導入についての不安や期待が明らかになりましたが、生成AI導入はどのような段階の方が多いのでしょうか。
引き続き、生成AI導入を検討中の中小企業の情報システム・総務担当者にうかがいました。
「生成AI導入の状況は、現在どの段階か」と尋ねたところ、『社内で導入を提案中（51.0％）』が最も多く、『情報収集中（39.2％）』『経営層の判断待ち（9.8％）』と続きました。
約半数が『社内で導入を提案中』で、生成AI導入の必要性を認識しつつも、社内での合意形成や導入決定には至っていない状況のようです。『情報収集中』も約4割と、現場の関心は高いけれど実際の導入の道筋は見えていない状況であり、生成AI導入には社内や経営層の理解が不可欠であることがうかがえます。
そこで、「生成AI導入に踏み切れない理由」について尋ねたところ、『セキュリティ面の不安（46.6％）』が最も多く、『コストがかかる（35.7％）』『社内での活用イメージがわかない（32.7％）』と続きました。
生成AI導入に踏み切れない最大の理由として『セキュリティ面の不安』があげられ、機密情報や個人情報の漏洩リスクへの懸念が大きいことがうかがえます。『コストがかかる』『社内での活用イメージがわかない』といった声も多く、初期投資や運用費用への不安、具体的な活用方法や効果が見えにくいことも障壁となっているようです。
「どのような支援があれば、生成AI導入に踏み切れそうか」と尋ねたところ、『導入企業の成功事例の共有（44.0％）』『業種・業務別の活用テンプレート（41.4％）』『セキュリティ対策済みの導入パッケージ（36.3％）』が上位になりました。
「成功事例の共有」「業種・業務別の活用テンプレート」を望む声が多く、具体的な活用イメージや導入後の効果を把握したいというニーズが強いことが示されました。
「セキュリティ対策済みの導入パッケージ」も上位にあがり、安心して導入できる環境整備が重視されていることもうかがえます。
これらの支援が充実すれば、中小企業の生成AI導入はさらに加速すると考えられます。
では、生成AI導入を検討中の方には、どのような情報が求められているのでしょうか。
「生成AI導入に関する情報収集で、重視するもの」について尋ねたところ、『導入企業の声や事例（49.6％）』が最も多く、『導入プロセスや体制のノウハウ（43.2％）』『セキュリティ対策の具体例（39.2％）』と続きました。
『導入企業の声や事例』が最も重視されており、前問でも「導入企業の成功事例」が最も求められていたことから、実際の成功例や課題から具体的なイメージを得たいというニーズが強いと考えられます。
『導入プロセスや体制のノウハウ』も多くあげられており、円滑に導入するための手順や組織づくりへの関心が高いようです。
また、生成AI導入に踏み切れない理由や求める支援でも上位だった「セキュリティ」についてがここでも上位にあがり、リスク管理への意識の高さもうかがえます。
生成AIは「想像よりも簡単に使えた」と大多数が肯定的
ここからは、生成AIをすでに導入している中小企業の情報システム・総務担当者にうかがいました。
「導入後、社員全体の業務効率について、どの程度改善されたと感じるか」と尋ねたところ、約8割の方が『大きく改善された（19.3％）』『ある程度改善された（63.5％）』と回答しました。
大多数が業務効率の改善を実感していることから、実際の生成AIの導入効果は高いことがうかがえます。
「生成AIを使って「導入してよかった」と実感した場面」について尋ねたところ、『情報整理（議事録、FAQ、マニュアルなど）（52.8％）』『文書作成（メール、報告書、提案書など）（48.8％）』『コンテンツ作成（SNS投稿、社内報、求人原稿など）（36.5％）』が上位になりました。
パターン化された業務や繰り返し行う業務など、生成AIによる自動化の効果が特に実感しやすい業務が上位にあがりました。これらは日常的に発生する業務であり、生成AIの活用による作業負担の軽減や業務効率・品質の向上を実感しやすいと考えられます。
どのようなことについて「導入してよかった」と実感したのか、詳しくうかがいました。
■生成AIを「導入してよかった」と実感したこととは？
・情報をインターネットから引用するなど、検索では調べづらい個別案件に対応してもらえて助かっている（30代／女性／徳島県）
・会社のホームページの更新担当を任され、自分の文章能力がないと不安に感じていたところ生成AIを勧められました。はじめは抵抗がありましたが、使ってみると本当に賢い！ので概要だけ伝えて文章は作ってもらっています。社長からも好評でいいねといわれることが多いので助かっています（30代／女性／大阪府）
・こういうときにどうしたらよいか、ということに対して、多くの事例をあげて事例を紹介してくれること。また、その情報源も示してくれるため、信頼性の確認も並行して行えること（40代／男性／京都府）
・トラブル対応をAIとチャットしながら解決できたとき。その後、よくAIに相談するようになった（50代／男性／神奈川県）
自分では調べにくい個別案件への対応や、文章作成のサポートによる業務負担の軽減、多様な事例や情報源の提示による信頼性の向上、トラブル対応の効率化などがあげられ、実用性や内容の質の高さを実感しているようです。
最後に、「生成AIを導入してどう感じているか」と尋ねたところ、『想像よりも簡単に使えた（41.8％）』が最も多く、『導入前に懸念していたことは実際には起こらなかった（22.6％）』『もっと早く導入すればよかった（19.6％）』と続きました。
「簡単に使えた」と感じている方が最も多いことから、導入前に必要以上に不安や懸念を抱いていたことがうかがえます。
また、「懸念していたことは実際には起こらなかった」「もっと早く導入すればよかった」という声も多く、事前の不安や課題意識が実際の運用で払拭されたケースが多いことがわかります。
生成AIの実用性や活用のしやすさが現場で高く評価されていることが明らかになりました。
まとめ：導入前の不安の払拭が中小企業への生成AI普及のカギ！必要な支援とは？
今回の調査で、中小企業の生成AI導入に対する不安と、生成AI導入後の実感が明らかになりました。
生成AI導入を検討している段階では、「人材不足」「社内体制・役割分担の不十分」「活用ルール・ガイドラインの未整備」が不安要素としてあげられており、専門知識・運用スキルの不足や、体制が整っていないことへの懸念が強いことがうかがえます。
生成AI導入に対する期待としては、「人的コストの削減」「業務の効率化」「業務品質の向上」といった効果が重視されており、生産性の向上や競争力の強化につながる効果が意識されていることがわかります。
生成AI導入に踏み切れない理由としては、「セキュリティ面の不安」「コストがかかる」「活用イメージがわかない」ことがあげられました。
「成功事例の共有」「業種・業務別の活用テンプレート」「セキュリティ対策済みの導入パッケージ」という支援があれば生成AI導入に踏み切れそうだと思えるようで、セキュリティや具体的な活用方法についての不安を払拭できる支援が求められていることがわかりました。
生成AIを導入した方の約8割が「業務効率が改善された」と感じており、導入効果の実感は高いことが明らかになりました。
特に「情報整理」「文書作成」「コンテンツ作成」などの定型業務について「導入してよかった」と感じており、生成AIの実用性や活用のしやすさを評価しているようです。
生成AI導入については、「想像よりも簡単に使えた」「導入前に懸念していたことは実際には起こらなかった」「もっと早く導入すればよかった」という肯定的な意見が8割以上を占めており、生成AI導入前に不安や懸念を抱きすぎている傾向が示されました。
生成AI導入は、「導入前の不安をいかに払拭するか」「不安を軽減する支援をどう届けるか」が今後の普及のカギとなるといえます。中小企業が自社の業務に合わせて無理なく生成AIを導入・運用できるよう、導入支援・教育体制・成功事例の発信といった多面的なサポートがますます重要になると考えられます。
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今回、「生成AI導入の壁」に関する調査を実施した株式会社イデックスビジネスサービス（https://idex-f.co.jp/）は、AI導入をサポートしています。
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