高槻市
文化的な魅力を高めるまちづくりの推進と雅楽を中心とした日本の伝統芸能文化の振興を図る

「雅楽」は日本で最も古く権威ある芸能文化として、古代より奈良・京都・大阪三都にある雅楽の三方楽所を中心に関西で継承・発展してきた伝統芸能で、歴史的・芸術的に評価されています。
協定を締結した一般社団法人雅楽協会は、宮内庁式部職楽部の楽師を含む雅楽演奏者を中心に、雅楽に携る関係者が連携して設立した初の「雅楽」の全国的な組織で、「雅楽」という貴重な文化の継承と発展を担う存在として活動しています。
一方、本市の鵜殿のヨシは、古来、雅楽の主旋律を奏でる篳篥(ひちりき)の蘆舌(ろぜつ=吹き口)の素材に用いられ、唯一無二のものとして宮内庁式部職楽部に納められるなど、今日まで雅楽を支え続けてきました。日本の伝統芸能にとって極めて重要な財産であると同時に本市にとっても先人が守り続けてきた誇るべき地域資源であることから、これまで本市は、鵜殿のヨシ原の維持・保全を目的に毎年2月頃に行われる「ヨシ原焼き」の支援に取り組んできました。しかしながら、近年、つる性植物の繁茂など生育環境の変化によりヨシの生育状況が悪化しているため、更なるヨシ原の保全について検討を進めてきました。
そうした中、「古来の雅楽の音色を保つためには日本の宝である鵜殿のヨシ原の保全が不可欠」とする一般社団法人雅楽協会と次世代への継承を願う本市のヨシ原保全への考えが一致し、それぞれの持つ資源と知見を活用して継続的な保全に取り組むため、令和7年6月に、雅楽協会、地元の鵜殿のヨシ原保存会、上牧実行組合と高槻市、オブザーバーとして文化庁、国土交通省が参画する「雅楽の楽器「篳篥」用ヨシ保全コンソーシアム」を設立し、鵜殿のヨシ原の保全活動を進めてきました。
また、本市は雅楽の三方楽所のいずれにも近く、鵜殿のヨシ原はこれらの中心地に位置していることから、古来より多くの楽人たちがこの地を訪れ、芸能文化的交流が育まれてきたことなど、日本の伝統芸能の源流である「雅楽」と深い関わりをもっています。
このような背景を踏まえ、一般社団法人雅楽協会と包括連携協定を締結し、鵜殿のヨシ原の保全に加えて、文化的な魅力を高めるまちづくりの推進と伝統芸能文化の振興を図るとともに、日本固有の文化を将来に継承していきます。
この日行われた協定締結式で、一般社団法人雅楽協会 小野真龍代表理事は「最も古く権威ある芸能である雅楽を高槻市とともに広めていけることを期待しています」と話し、濱田市長は「本日の協定締結を契機として、連携をさらに深め、鵜殿のヨシ原の保全はもとより、雅楽を核とした日本の伝統芸能文化の振興を図り、品格と魅力、そして活力に満ちたまちづくりを進めたい」と話しました。
【包括連携協定による連携事項】
・篳篥用ヨシの貴重な生息地である鵜殿のヨシ原保全に関すること
・雅楽を核とした日本の伝統芸能文化の振興に関すること
・高槻市のまちづくり施策との連携に関すること
・その他、本協定の目的に資する事項に関すること