ダイキン工業株式会社
医師と空気のプロが今からでもやるべき「熱あたり」対策をご紹介
ダイキンでは、全国の20代~60代の男女1,000人に「2025年熱あたり・熱中症対策に関する調査」を実施しました。今年の夏も厳しい猛暑が続く中、7月末の時点で、おおよそ2人に1人が体に熱がたまることでおこる体調不良“熱あたり”を経験しており、しかも約9割の人は病院には行かず対処していることがわかりました。これは、昨年2024年の『夏場の熱による体調不良に関する全国調査』の結果(※1)と同じ傾向です。
※1参考:https://www.daikin.co.jp/press/2025/2025050902
8月19日に気象庁が発表した3か月予報によると9月以降も厳しい残暑がつづく見通しです。この先もしばらくは、体に熱がたまることで起こる不調“熱あたり”への警戒が必要です。
調査サマリー
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7月末までで、おおよそ2人に1人が熱あたり/熱中症を経験している。
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暑さが原因で体調不良を感じても、約9割が病院に行かずに対処。
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体調不良経験者の約6割が熱あたりの初期症状(睡眠の質の低下、疲れがとれない)を経験。
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対策意識を尋ねると、暑さ対策はしているが熱中症対策の意識は低い。
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全体の約1割が暑さ・熱中症対策を「特にしていない」。
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熱中症対策として、「エアコンを使う」こと、「十分な睡眠をとる」ことへの意識は低い !?
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ハンディファン利用者の8割以上が猛暑日(気温35℃以上)でも使用している。
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酷暑の中でも、扇風機だけで過ごすことがある人が34%もいる。
この夏7月末までで、おおよそ2人に1人が熱あたり/熱中症を経験。そのうちの9割近くは、病院に行かずに対処している。
今年2025年の厳しい猛暑の中、7月末までで、おおよそ2人に1人が熱あたり/熱中症と思われる体調不良を経験しています。年代差はほとんどなく、どの世代も約半数が経験している結果でした。また、体調不良を感じても、9割近くの人は「病院に行かずに対処」してことが判明しました。

熱あたり経験者の約6割は「睡眠の質の低下」、「疲れがとれない」。
経験した体調不良の症状のTOP3は、2024年夏の全国調査(※1)と同じ傾向ですが、熱あたりの初期症状とも言える「睡眠の質の低下」、「疲れがとれない」の経験率がより高くなっていることがうかがえます。
※1参考:https://www.daikin.co.jp/press/2025/2025050902

「1位:水分補給(78%)」以外は「熱中症対策」としての意識は低い。「2位:エアコンを使う(51.1%)」、「5位:十分な睡眠をとる(26.7%)」
「熱中症対策を意識して行っていること」を尋ねると、1位の「水分補給」は約8割にのぼった反面、水分補給と同様に熱あたりや熱中症への対策として重要と言われている「エアコンを使う」は約半数(51.1%)、 「十分な睡眠をとる」は3割以下(26.7%)に留まり、約1割は「特にしていない」(10.1%)と回答する結果となりました。
本調査で選択肢に挙げたものはいずれも暑さを和らげるための行動で、多くの人が生活に取り入れている可能性はあるものの、人々は必ずしも熱あたりや熱中症の予防を意識して行動している訳ではなさそうです。
この結果からは、「熱中症対策と言えば水分補給」という意識が強いことがうかがえます。もちろん水分補給は大切なことは言うまでもありませんが、エアコンを使ったり、睡眠をとったりして体を疲労から回復させることも大切であることを啓発する工夫が必要かもしれません。

「水分補給」は熱中症対策として浸透しているが、取り入れ方に課題。
熱中症対策として、約8割の人が取り入れている「水分補給」ですが、「どのように水分補給をしているか」を尋ねると、3割以上の人は、その日の暑熱環境や活動によっては、熱中症対策にならないような飲み方をしている人もいることがうかがえます。「効果的な水分補給」の方法や、そうすべき理由の理解促進がまだまだ必要な結果となりました。

「ハンディファン」と「扇風機」の利用についても、大きな課題が残る結果。
近年、「ハンディファン」を使う人が若者を中心に増えています。こうした中、それほど多くはありませんが、熱中症対策を意識してハンディファンを使っている人がいることが分かりました。一般的に、ハンディファンは35℃以下の環境で使うことが推奨されていますが、今回の調査では、熱中症対策としてハンディファンを使っている人の8割以上が35℃以上でも使用しているという結果となりました。
また、ハンディファンと同様に気流を送る「扇風機」について室内での使用実態を調査したところ、今年の連続する猛暑の中でも、「扇風機だけで過ごすことがある」と回答した人が34%もいるという結果となりました。
暑い中では、ハンディファンや扇風機だけで熱中症を予防することは難しいと言われています。屋外ではクールスポットも活用したり、室内ではエアコンと扇風機を併用したりするなど、効率的に体の中から熱を逃がす「合わせ技」を紹介するなどの工夫も必要となりそうです。

谷口英喜先生/ダイキン担当者からのコメント・対策アドバイス
今回の調査結果、この夏7月末までの熱あたり/熱中症経験の実態について、どう考察できるでしょうか?
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今年の夏は7月末の段階ですでに2人に1人が熱あたり・熱中症と思われる経験をしており、そのうちの約6割は「睡眠の質の低下」、「疲れがとれない」となっています。これらは熱あたりの初期症状とも言える比較的軽めの症状ですが、症状が進めば熱中症を発症したり、症状が長引けば夏バテや残暑バテを起こしたりすることもありますので、油断せず、体調不良からの早めの回復を心がけましょう。(谷口英喜先生コメント)
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体の中にたまった熱を外に逃がす効果が期待できる野菜やフルーツなどを積極的に摂り、昼間だけでなく就寝時にもエアコンを使い、質の高い睡眠をとることが大切です。寝ている間にエアコンを切る人もいますが、エアコンは贅沢品ではなく「命を守る機器」と言っても良いかもしれません。無理せず朝までつけっぱなしにしておきましょう。(谷口英喜先生コメント)
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調査結果を見ると、熱中症対策として意識的に水分補給している人は約8割と多いですが、熱中症対策を意識してエアコンを使う人は約半数、十分な睡眠をとる人は3割以下となっています。この先9月以降もまだまだ厳しい暑さが続くことが予想されています。できるだけ暑熱を回避し、「こまめな水分補給」に加えて、「エアコンを使う」「十分な睡眠をとる」ことを心がけて、体に熱がたまらないように注意してください。(谷口英喜先生コメント)
調査結果で、他に補足できることはありますか?
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まず、「水分補給の方法」について調査結果を見ると、一気にまとめて飲む人や、食事のとき以外はあまり水分をとらない人も少数おられますが、ぜひ「こまめに水分補給する」ことを心がけてください。屋外など暑いところに出ていく場合には、目安として20~30分に1回、100ml程度の水を補給してください。室内で過ごす場合には、時間を決め、1日に180ml/コップ1杯を2時間毎に合計8回を目安に水の補給を習慣化することをおすすめします。(谷口英喜先生コメント)
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それから、「ハンディファン」や「扇風機」の使い方についても触れたいと思います。熱中症対策としてハンディファンを使っている方はそれほど多くない結果ではありましたが、そのうちの約8割の人は気温35℃以上でもハンディファンを使っています。また、3割以上の人が、家の中で扇風機だけで過ごしているという結果にもなっています。実は、35℃以上の環境では、扇風機やハンディファンだけで熱中症を予防するのは難しいと言われています。(谷口英喜先生コメント)
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一般的なハンディファンや扇風機、サーキュレーターは、気流を生み出して汗の蒸発を促すことはできますが、温度や湿度を下げる効果はありません。外出時はクールスポットを活用したり、ご自宅では我慢せずにエアコンを使ったりして、体の中の過剰な熱を体の外に逃がせるように、体のまわりの温度や湿度を下げることが大切です。(ダイキン重政氏コメント)
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エアコンの電気代が気になる方もおられるかもしれません。気流を生み出す扇風機やサーキュレーターは、エアコンと併用することで体感温度を下げたり、エアコンから離れた場所に涼しい空気を届けたりできます。こうした工夫でエアコンの設定温度の下げ過ぎを抑えることは節電にもつながります。(ダイキン重政氏コメント)

調査概要
