高槻市
実体験を生かした支援や利用可能な福祉サービスの紹介・同行支援などを実施
高槻市は、令和7年9月1日(月曜日)から、家族の介護や日常生活上の世話を過度に行っている子ども・若者(ヤングケアラー)に対し、元ヤングケアラーや精神保健福祉士等の資格を有する相談員がきめ細かな支援を行う「ヤングケアラーピアサポート事業」を開始。居場所の提供や相談、福祉サービスの紹介・同行支援などを行います。
障がいや病気がある家族の代わりに家事を担ったり、高齢や幼い家族の世話をしていたりするなど、年齢や成長の度合いに見合わない負担をしている子どもは、心身の発達や人間関係、勉強、進路などに影響を受けることがあると言われています。また一方で、自分のことをヤングケアラーだと自覚している子どもは少なく、本人の気持ちに寄り添った支援や家庭の状況に応じた支援が必要とされています。
本市でもこれまで、学校や関係機関との連携による相談やサポートを行ってきましたが、より一層ヤングケアラーの状況に対応するため、大阪府北摂地域で初めて、元ヤングケアラーや、ヤングケアラー支援の経験者が支援を行う「ピアサポート」事業を開始。当事者の気持ちを丁寧に聴き取りながらニーズに応じた支援ができ、家族のケアの話など学校では話しにくい内容も支援者の実体験をもとに話し合うことができるなどのメリットを生かして支援を充実します。
同事業を受託・実施するのは、相談・居場所づくり・同行支援などを行っている一般社団法人later on。代表理事を務める山中葉月さんは、自身も幼い頃から、病気の父親と心の不調を抱える兄をケアしてきました。その経験をもとに、現在は、大阪府から委託を受け、高校内に居場所カフェを開設するとともに精神科クリニックに所属しながらヤングケアラーの相談支援を行っています。同市川西町に開設するつどいの場は、対象者が交流や情報交換ができ自分らしく自由に過ごせる場になるように交流スペースやキッチン、読書スペースなどが設けられています。山中さんは、「自分の気持ちを誰かに話すことだけでも明日を考えるきっかけになる。まだ出会っていないケアを担う子ども・若者たちが存在すると思うので、その子たちにとって、安心できる居場所を作っていきたい」と話します。
また、メールや電話でヤングケアラーの相談を受け付け、相談者の状況や希望に応じて個別面談を行う相談事業も実施。そのほか、必要な福祉サービス等の申請書類の作成補助や手続きへの同行支援、家族のケアのため行事に参加する機会が少ない子どものために季節に応じた行事や外国文化の体験のイベントの企画も行う予定です。
市の担当者は、「居場所の設置やイベントの開催等、当事者同士の交流や社会とつながる機会を提供することでヤングケアラーの早期発見・把握、当事者の孤独・孤立感の軽減を図っていきたい。相談者が様々な事情を抱える子どもたちに寄り添い型の支援を実施することで、負担軽減や生活環境の改善につなげていきたい」と話しています。
【ヤングケアラーピアサポート事業の概要】
施設名:later on
所在地:高槻市川西町二丁目24番1号
居場所開設日時:火・木・土曜日
※火・木曜日は16時から21時30分まで、土曜日は13時30分から18時まで
※木曜日は第2、第4週のみ(要予約)
内容:
火曜日 中学生および高校生世代を対象に放課後や夜間の利用ニーズに対応
木曜日 高校生世代から29歳までの子ども・若者およびその家族を対象に個別相談による支援と居場所を提供
土曜日 全年齢の子ども・若者を対象に居場所を提供
利用料:無料
電話番号:090-7249-1826
電話相談
相談電話番号:090-7249-1826
開設日時:居場所開設時間内
内容:就職・進路に関することや、福祉サービスに関することなど、将来への不安や葛藤などの相談
メール相談
メールアドレス:tabenero1112@gmail.com
開設時間:24時間(但し返信は翌日以降となる場合があります)
【関連ホームページ】
高槻市ヤングケアラーピアサポート事業(高槻市ホームページ)