株式会社パルコ
代表作品には、札幌駅 星の大時計、サントリーや明治乳業のロゴ等
札幌PARCO(札幌市中央区南1条西3-3)は、札幌PARCO開業50周年を記念し、彫刻家・デザイナーとして活躍し、2025年2月に逝去された五十嵐威暢氏の展覧会「A–Z Homage to Takenobu Igarashi」展を開催します。



PARCOネオンサイン(8/7~) 撮影:酒井広司
五十嵐氏とPARCOの出会いは、1981年にオープンした渋谷PARCO PART3のプロジェクトでした。中心的なデザイナーのひとりとして参加した五十嵐氏は、ロゴや看板、ショッパー、館内グラフィックなど、多くのデザインを手がけました。シンプルで力強いPARCOロゴは、社内で「五十嵐ロゴ」として愛され、吉祥寺や名古屋などで現在も外壁サインとして使用されています。建て替えのために解体された渋谷PARCOの外壁から取り外されたネオンサインは、現在は渋谷や心斎橋の店舗内で大切に常設展示されています。五十嵐ロゴは、世代を超えて語り継がれる、PARCOの文化を象徴する存在です。
サントリー、明治乳業、カルピスなどのロゴを手がけ、立体的なアルファベット作品によって世界的に注目された五十嵐氏。独自の手法で数字を表現したポスターカレンダー[PARCO ver.=1982年制作、MoMA(ニューヨーク近代美術館)ver.=1984〜1991年制作]は、国際的な評価を不動のものとしました。
本展では、1994年に彫刻家に転身する以前の、デザイナーとしての五十嵐氏の活動に焦点を当てます。PARCO PART3のためのロゴデザインを紐解き、書体のバリエーションも紹介。渋谷PARCOのストリートギャラリーで発表されたアルファベット彫刻(現存する24点)や、MoMAのポスターカレンダーの原型となった、「PARCOバージョン」のポスターカレンダー(1982年)、AからZまでのアルファベットを題材にした彫刻やグラフィックデザインの作品を中心に、札幌PARCO館内全体を舞台として、氏の創造性あふれる作品を一堂に展示します。
タイトル:A–Z Homage to Takenobu Igarashi
会期:10月4日(土)~11月10日(月)
場所:札幌PARCO(1階 正面ショーウィンドウ、7階 SPACE7、地下2階~7階 STEPS207)、大丸札幌店(1階 吹き抜け) ※ 1階ショーウィンドウは現在展示中
入場料:7階 SPACE7 500円 ※ 未就学児無料
主催:札幌PARCO
共催:五十嵐威暢美術館かぜのび
協力:金沢工業大学 五十嵐威暢アーカイブ
■ Profile
五十嵐 威暢
いがらし たけのぶ
1944 – 2025

北海道滝川市生まれ。デザイナー、彫刻家。
多摩美術大学デザイン科卒業後、渡米。カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)大学院修士課程修了。代表作にニューヨーク近代美術館のカレンダー、PARCO PART3やカルピス、明治乳業、サントリーのロゴの他、日本各地の地場産業の技術を駆使したプロダクトデザインがある。1980年代にはさまざまな素材を使いアルファベット彫刻を手がけた。
グラフィック・プロダクトデザイナーとして活動後、1994年以降は本拠をロサンゼルスへ移し、彫刻制作に専念。石、木、金属、テラコッタ、ステンドグラスなど、さまざまな素材でパブリックアート作品を数多く制作した。2004年に帰国。NPO法人アートチャレンジ太郎吉蔵を設立しデザイン会議を開催。多摩美術大学では学長をつとめた。
北海道との関わりも深く、札幌駅の「JRタワー」のロゴ、「星の大時計」やコンコースの駅時計、展望室T38のテラコッタ作品「山河風光」などを手がけた。北海道文化賞受賞。金沢工業大学内には「五十嵐威暢アーカイブ」が設立され、北海道新十津川町の「五十嵐威暢美術館かぜのび」では、自身の彫刻作品とアトリエを公開している。2025年2月12日、進行性核上性麻痺のため札幌市の病院で死去。80歳。
五十嵐威暢
五十嵐威暢美術館かぜのび
https://takenobuigarashi.jp/kazenobi/
五十嵐威暢アーカイブ
■ 代表作品











特段の記載がない掲載写真については、すべて「五十嵐威暢美術館かぜのび」提供によるものです