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世界で語り継がれている名作映画を朗読劇として上演する「Classic Movie Reading」シリーズの第五弾「カサブランカ」が2025年9月6日(土)に博品館劇場で開幕。
ハンフリー・ボガートとイングリッド・バーグマンが共演し、1944年のアカデミー作品賞を受賞した本作は、第二次世界大戦真っ只中の1941年のモロッコ・カサブランカを舞台に、自由を求める人々が集うバーを経営するアメリカ人のリックが、運命の再会を果たしたかつての恋人イルザとその夫でナチスに追われるレジスタンス指導者ラズロの逃亡を手助けすべきか、それともイルザとの愛を選ぶかという選択を迫られるラブ・ストーリー。
脚本を鈴木智晴、演出を坪井彰宏が手掛け、キャストでは主人公、リック・ブレイン役の廣瀬智紀をはじめ、イルザ・ラント役の有沙瞳、ヴィクター・ラズロ役の鍵本輝(Lead)、さらには川上将大、広井雄士、奥村健介、山口夢菜、山口ふみや、船戸慎士、コウガシノブが名を連ねる。
開幕前日にゲネプロおよび取材会が行われ、廣瀬智紀、有沙瞳、鍵本輝が取材会に登壇。初日に向けての意気込みを語った。
廣瀬「熱血演出家の坪井さんのもと、しっかりと稽古を重ねてきた自負がございます。というのも、朗読劇は割と稽古日数が限られることが多かったりするんですけど、今回は結構稽古が出来たなと思っています。その分、求められているものも高かったりして、そういったところを乗り越えられていたらいいなという希望的な不安も実は半分ぐらいありますが、楽しみでございます」
有沙「公演回数が4回しかなくて、寂しくもあるんですけれども、稽古からすごい濃い時間を過ごさせていただいて、坪井さんの演出もすごく的確で、とても学びのある毎日でした。本番でお客様が入ってどんな感情になられるのか、そして伝わっているのか、明日からとても楽しみです。全4回、精一杯心を込めて務めたいと思います」
鍵本「この作品は言わずもがなではありますが、とてつもない名作で、僕の世代はこのお仕事の話をいただいて初めて知った作品ですけど、きっと上の世代の方は、青春でもありすごい感銘を受けた作品だと思います。その名作を日本の朗読劇として生まれ変わらせて、日本人が演じるということで、原作にはないちょっとした熱量だったり、繊細な日本人だからこそできる潜在な部分をこの朗読劇で表現出来たらなと思っておりますので、最後まで頑張ります」
役に挑戦するにあたって苦労した点を聞かれると、廣瀬は「この作品は印象的な名セリフが散りばめられていて、中でもリックは『君の瞳に乾杯』といったキザで普段言うことがないようなセリフが有名ですけど、リックが本当にそう思ってるからこそ魅力的な人間に見えているし、リアルな表現としてそういった言葉が出てきているので、そこは大事にしなきゃと思いました。普段言い慣れないからこそ、言葉一つ一つをしっかり大事にしていけたらいいなと思います」と話し、稽古前と最終稽古を終えての気持ちの変化はあったかという質問には「『あれ? 俺、セリフ全部覚えている』というのが、稽古前と稽古後の変化です。稽古初日に坪井さんが『セリフなんか覚えちゃっても大丈夫ですよ』ということを仰って、朗読劇で演じる身としてはプレッシャーだなと思いながら臨ませていただきました。いただく演出を受けながら演じていくと、自分の中で消化して深めた上でやる以上、ある程度セリフを入れていったほうがやりやすくて、自分の中で明確になっていくものも多いと思っていたら、いつの間にか全部セリフを覚えていました。そんな朗読劇は僕自身初めてだし、個人的には“ハイブリッド朗読劇”です』と語った。
「Classic Movie Reading」は2回目の出演となる有沙は、「前回は女性4人だけのキャストで、優しくてほっこりした雰囲気でしたが、今回は男性キャストが多くて、稽古場からお一人お一人のキャラクターやエネルギーがすごくて。私は女性ですけど、中に強いものを持って演じないと、深い作品にはならないのではないかなというのが稽古序盤の印象で、ぶつけ合うのが楽しい毎日でした」と前作「若草物語」との違いを語り、イルザを演じてみての感想では「感情の振り幅が大きいイルザのような役を演じてみたかったです。絶対しんどいだろうなとは感じていましたが、本当に心を通わして、勝手に溢れるものが自分の中でも感じられたり、でもそれが毎回違って、皆さんのおかげで舞台上で役として生きている感じがすごくありました。だからこそ、二度と同じ舞台はないんだろうなって思うんですけれど、イルザを演じて嬉しかったです」と笑顔で答えた。
稽古場での雰囲気について鍵本は「本読みの段階から、坪井さんの作品に対する情熱をすごい感じていて、だからこそ僕たちもちゃんと応えていかなきゃという思いで、みんなで毎日毎日違うアプローチをしつつ、トライアンドエラーを繰り返しながら、ゲネプロを迎えることが出来ました。稽古最終日に坪井さんが『ライブ感を大事にしてくれ』とおっしゃっていて、今日生まれるもの、明日生まれるものを大事に、舞台上で演じていきたいなっていう感じの稽古場でした」と振り返り、ラズロという役とご自身との共通点について「自分の行動一つで世の中を変えてやろうというラズロの志の高さは凄いし、もしラズロが現代の日本にいたら、この日本をさらに良くしていこうと国会議員になろうと立ち上がる人間だと思います。僕はそこまでの人間でありませんが、この業界にいて、1つの夢を目指して突き進んでいくぞという姿勢はラズロから学ぶものがありますし、そこは遠からず近からずみたいなところはあるかな」とコメント。また「おススメの登場人物は?」という質問に鍵本は「登場人物全員」と回答。さらに「今回本当にいろいろな色のある役者の方が集まっています。10人の登場人物が織りなす声の強さが出ていると思っていて、ラーメンに例えると、まずこの3人(廣瀬、有沙、鍵本)がスープと麺を作って、その後に美味しいチャーシュー、美味しいメンマ、美味しいネギをみんなが入れてくれたラーメンに仕上がったと思っています」と独自の解釈を披露し、会場を沸かせていた。
最後に廣瀬から「戦時下の作品ということで、戦争という目を背けることができないものが重くのしかかっていますが、その中に生きる人々の心や政治信念を持って生きている人々の心とか、その心情にフォーカスしてスポットを当てて、しっかりと内面を作る稽古をしてきました。その日の心境が変わるだけで、物語がどんどん変わっていく気もするので、そういったところもしっかり我々も楽しみつつ、誠実に生きていけたらなと思っております。その中で観てくださるお客様には、その人たちの信念や人が人のために生きる美しさ、人の命の尊さなど、お客様の心に1つでも残れば幸いだなと思っております。ぜひ劇場でお待ちしております」と挨拶して、取材会は終了した。



<公演概要>
Classic Movie Reading Vol.5「カサブランカ」
脚本:鈴木智晴(劇団東京都鈴木区)/演出:坪井彰宏
■あらすじ
1941年、戦火迫るモロッコ・カサブランカ。
自由を求める人々が集う酒場に、ひと組の亡命者と、ひとつの再会が訪れる。
かつて愛し合い、運命に引き裂かれた男女── 酒場の主人・リックと、亡命者であるレジスタンスのリーダの妻となっていたイルザ。
過去と向き合い、愛と信念の狭間で揺れる男の決断。
変わりゆく時代の中で、変わらぬ想いはあるのか──
永遠の名作『カサブランカ』、朗読劇として鮮やかによみがえる。
■出演
廣瀬智紀
有沙瞳
鍵本輝
川上将大
広井雄士
奥村健介
山口夢菜
山口ふみや
船戸慎士
コウガシノブ
■公演日程
2025年9月6日(土)~7日(日)
9月6日(土)14:00/18:00
9月7日(日)12:00/16:00
■会場
博品館劇場(〒104-8132 東京都中央区銀座8-8-11-8F)
■チケット (全席指定・税込)
特典付:9,900円/一般:9,000円
※特典:オリジナルミニフォトブック
※未就学児入場不可
■チケット取り扱い
チケットぴあ:https://w.pia.jp/t/casablanca-reading/
ローソンチケット(Lコード:36016):https://l-tike.com/casablanca_reading/
イープラス:https://eplus.jp/casablanca-reading/
企画・製作/主催:style office
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