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2025年9月6日(土)【広島市】
一般社団法人瀬戸内プロジェクトin広島は、7月に「江田島」の現地調査で、牡蠣を通して広島の海を学んだ「瀬戸内こども牡蠣調査団」(小学5年生~中学2年生の22名)が、今度はその学びを生かして牡蠣の幼生を水槽で実際に飼育観察する『牡蠣の飼育・観察プロジェクト』をスタートさせました。
9月6日に実施したスタートイベントを皮切りに、最大来年2月末までの期間で、牡蠣の飼育状況を観察していくことはもちろん、餌となる植物プランクトンの量や、牡蠣同士の密度によって水槽内の牡蠣の成育にどのような差が出るかなど、実際に広島の海で起きている環境変化を再現し学ぶことも目指しています。
このイベントは、次世代へ豊かで美しい海を引き継ぐために、海を介して人と人とがつながる“日本財団「海と日本プロジェクト」”の一環で実施しました。

開催概要
・事業名「瀬戸内こども牡蠣調査団~江田島で牡蠣の育つ海を調査し学ぼう~」
【牡蠣飼育・観察イベント】
事業の実施運営を受託している中国放送(広島市中区基町)の本社ロビーに牡蠣を飼育観察できる水槽を設置。最大6か月間の飼育期間を通して、牡蠣の成育過程を見て学ぶとともに「餌の多い少ない」「牡蠣の密度」などの要素で水槽内の牡蠣の成育にどんな影響がでるか仮説を立て、観察・考察していく。
・日程 スタートイベント2025年9月6日土曜日 午前9時~午後3時
・開催場所 中国放送本社ロビー、会議室(広島市中区基町)
・参加人数 小学5年生から中学2年生21名(1名欠席)とその家族 合計40名
・実施運営 中国放送 ・施工・技術協力 イノカ
・協力団体 江田島市地域支援課、さとうみ科学館、オーシャンポイント、寺本水産、
広島電鉄、広島県環境保健協会
・後援団体 広島県教育委員会、江田島市教育委員会、広島市教育委員会、廿日市市教育委員会
学んだことを実践。牡蠣を飼育・観察してみよう!
7月24日25日の2日間、江田島で牡蠣養殖の現場とその牡蠣を育む里海を学んだ「瀬戸内こども牡蠣調査団」の団員たちが、今度は実際に牡蠣を飼育することに挑戦です。えっ!牡蠣って飼育できるの?
今回自然の海の環境を再現する技術「環境移送技術」を持つベンチャー企業「イノカ」と協業し、
中国放送本社(広島市中区)のロビーに水槽を設置、子どもたちも参加して受精した牡蠣の幼生を飼育・観察するイベントを実施しました。水槽内では、牡蠣の幼生(稚貝)の密度を変えて垂下、餌が豊富な「富栄養」パートと、競争相手が多く餌が少なめの「貧栄養」パートを人工的に作り、今瀬戸内海で起きている貧栄養化や、過密養殖などの問題を実際に観察しながら学べるできる仕組みとなっています。今後最大6か月の飼育期間中、調査団員は定期的に集まり水槽の牡蠣の観察会を行う予定です。

スタートイベントでは生き物としての牡蠣を改めて学習
9月6日集まったのは「瀬戸内こども牡蠣調査団」の小中学生とその家族の総勢40名です。予告はしていたものの、実際に牡蠣の幼生(稚貝)が垂下されている水槽を見た途端「おお~!」と歓声が上がり、早速水槽を取り囲んで観察が始まります。
「殻が開いたり閉じたりしてる!」など実際に水槽内で生きている牡蠣の状態に興味津々です。
落ち着いたところでスタートイベント開始、今回水槽の施工設置を行った「イノカ」の技術者、金田颯斗さんによるクイズを交えた牡蠣についての知識をおさらいする特別授業を受けました。
「牡蠣が成長すると失う体の部分はどこ?」といったなかなか学校では教えてもらえないマニアックなクイズに親子で挑戦。ハイライトは牡蠣の人工授精。生きている牡蠣(オスかメスかはなかなか区別がつかない)から卵と精子を取り出し顕微鏡で観察しました。

「瀬戸内こども牡蠣調査団」の活動はこの後も続きます!
「瀬戸内こども牡蠣調査団」では7月の調査イベントでの学びと今回の学びを、今度は一人でも多くの人に伝えていく取り組みを行います。小学生は「江田島牡蠣新聞」にまとめ、10月中旬から1か月運行する広島電鉄のラッピング特別電車に掲出する予定です。この電車の車体は団員たちが描く江田島の里海や牡蠣の絵やイラストで飾られ「世界に一つしかない」電車になる予定です。さらに、中学生団員たちは、今回学んだ「牡蠣」を通した広島の海の学びを「教材」として年内を目標にまとめ、今後県内の小学校などで海の学びの授業で使用してもらう予定です。今後も「瀬戸内こども牡蠣調査団」の活動に注目です!

<団体概要>
団体名称:一般社団法人瀬戸内プロジェクトin広島
URL :https://hiroshima.uminohi.jp/about/
活動内容:身近で我々の生活と密接に関係し、独自の歴史と文化をはぐくんできた「瀬戸内海」をフィールドに、未来へ美しい瀬戸内海を引き継ぐための活動を行っています。

日本財団「海と日本プロジェクト」
さまざまなかたちで日本人の暮らしを支え、時に心の安らぎやワクワク、ひらめきを与えてくれる海。そんな海で進行している環境の悪化などの現状を、子どもたちをはじめ全国の人が「自分ごと」としてとらえ、海を未来へ引き継ぐアクションの輪を広げていくため、オールジャパンで推進するプロジェクトです。