株式会社ニッピ
~新たな医療用マテリアル開発への貢献が期待~

株式会社ニッピ(代表取締役社長:伊藤裕子、本社:東京都足立区)は、コラーゲンでは困難とされていた「高濃度かつ高精細な造形」を可能にする、3Dバイオプリンティング用のコラーゲンバイオインク(以降は「本製品」と表記)を開発しました。本製品は医学分野(整形外科領域、口腔外科領域、外科領域)や創薬研究分野において、複雑な三次元組織モデルの構築(移植用途・生体外試験用途)や新たな医療用マテリアルの開発に貢献することが期待されます。
■背景
近年、3Dバイオプリンティング技術は、生体内の組織や臓器などの複雑な構造を再現するためのツールとして、医学分野や創薬研究分野で注目を集めています。特にコラーゲン由来のバイオインクは、高い生体適合性と分解吸収性をもつため、医療用マテリアルとして優位性がありますが、造形後の形状維持が難しいことや、造形時に適切な温度管理が必要であることが課題となっています。
■概要
このたび開発した本製品は、当社の独自技術により、従来のコラーゲンバイオインク(1〜7%)を上回る10%以上の高濃度化と、細径ノズル(内径0.2 mm)での安定した吐出造形を両立させています。さらに煩雑な温度管理も不要で、室温での造形が可能です。これにより、従来のインクでは困難だったコラーゲンの高精細な三次元構造の造形を、より簡便かつ効率的に行うことができます。また、当社のこの技術は「バイオインク、成型体、製品、および成型体の製造方法」(特許7696580号)として特許登録されており、他にはない先進的な技術基盤を確立しています。今後は、本製品の販売を通じて、医学や創薬研究の発展に貢献するとともに、将来的な医療応用に向け技術開発を推進します。

■3Dプリンターによる組織構造体の造形

■細胞含有3D構造体の造形と培養

■製品特長

製品名: |
コラーゲンバイオインク(商品コード:892271) |
原料: |
ブタ真皮由来ペプシン可溶化コラーゲン(NMPコラーゲンPS) |
形態: |
シリンジ充填 凍結乾燥物(0.3 g) |
用途: |
三次元組織モデルの構築の他、移植用材料やドラッグデリバリーシステム用担体など、組織工学、再生医療、創薬研究に至るまで幅広い分野での利用が期待されます。 |
特長: |
✓高濃度: 独自技術によりコラーゲンの高濃度化を実現しており、剛性が高いため、プリント時の滲みや積層時の潰れの発生を抑えることが可能です。縦方向への積層造形ではサポート材料も不要です。 ✓高精細: 細径ノズル(0.2 mm)からの安定した吐出が可能で、微細かつ複雑な構造を高解像度で造形することが可能です。 ✓高い操作性: 従来のコラーゲンバイオインクで必要な温度管理(冷却、加温)が不要で室温で造形が可能です。pHが中性なので、細胞と直接混ぜ合わせることも可能です。 |
発売日: |
2025年内予定 |
【製品に関するお問い合わせ】
株式会社ニッピ バイオ・ケミカル事業部
TEL:03-3888-5184 (担当:石川)
e-mail:protein-info@nippi-inc.co.jp