株式会社DeltaX

株式会社DeltaX(本社:東京都千代田区、代表:黒岩 剛史)が運営する塾選びサービス『塾選』は、「中学生の親の悩み」について調査しましたので概要をお知らせいたします。
中学生になると、小学生のころとは違った新たな悩みに直面する親は少なくありません。子どもの成長は喜ばしい一方で、「スマホとの付き合い方はどうすればいい?」「反抗期でどう接したらいいか分からない」といった、戸惑いや不安を感じる瞬間も増えるでしょう。
そこで塾選ジャーナルでは、中学生の子どもを持つ親100名を対象に、どのような悩みを抱えているのかをアンケート調査を実施。中学生の親が直面しているリアルな悩みをランキング形式で具体的な対処法と併せて紹介します。
詳細はこちらをご覧ください。
中学生の親の2大悩みは「スマホとの付き合い方」「勉強・成績」
中学生の親が抱える悩みとして、最も多かったのは「スマホとの付き合い方」で全体の62%が回答していました。
また、1位とほぼ割合が変わらなかったのが「勉強・成績」で全体の61%が回答。半数以上の親が子どものスマホ利用と勉強・成績について何らかの課題を感じていることがわかります。
次いで「進路」が34%、反抗期(22%)、思春期の子どもへの接し方(21%)といった中学生の親ならではのお悩みが続きました。

中学生の親の悩み1位「スマホとの付き合い方」。その悩みの要因と対処法は?
要因(1)「スマホ依存」からの生活の乱れや成績への影響
スマホに関する悩みの要因として、特に目立ったのが「スマホ依存」です。多くの親が、子どもが暇さえあればスマホを触っている状況に頭を悩ませています。
夜遅くまでスマホを使うことで生活リズムが乱れたり、勉強がおろそかになったりといった、具体的な影響を心配する声が寄せられました。
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「スマホを手放さず、夜遅くまで使ってしまうことが多く、生活リズムの乱れや学習への影響が心配です。使用時間を注意しても反発されることがあり、保護者としてどう関わるべきか悩んでいます。」
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「夜遅くまで自室でスマホを触っており、明らかに睡眠時間が足りていません。注意しても聞かず、そのせいで学校の成績も下がってきているのが心配です。」
要因(2) スマホの適切なルール設定と親子関係の悪化
スマホの使用についてルールを設けても守られなかったり、注意すると反発されたりする状況から、どう接すれば良いか分からず困惑している様子が伺えます。親子関係が悪化するのを恐れて、強く注意できないという声も見られました。
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「スマホの使用時間を制限すると反発されて、親子関係がギクシャクするため、どう向き合えばよいか迷っています。」
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「注意してもスマホをずっと使っていて、私を無視するのが悩みです。」
要因(3)「ネットリテラシー」教育の難しさ
中学生になってスマホ利用が増えるにつれて、SNSやオンラインでの人間関係に関する悩みも出てきています。親としては、子どもがトラブルに巻き込まれないか、不適切な情報に触れてしまわないかといった不安が絶えません。
しかし、SNSの仕組みや危険性をどのように伝えれば良いのか、正解が分からず悩んでいる親も多いようです。
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「今はSNSをやらせていないが子どもは高校生になったらやってみたいと言っています。できれば、成人まではSNSと距離を取ってほしいと思っていますが、交友関係にも影響するため、SNSとの向き合い方を教えないといけないと思っています。でも大人でさえ失敗することが多いため、正解がわからない。」
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「スマホを使用するようになり、オンライン上で知人ができたりと把握できないことが増えてきており、自分の身は自分で守るネットリテラシーを心掛けられているのか心配があり、スマホやSNSなどとの向き合わせ方に悩みがあります。」
「スマホとの付き合い方」への対処法:親が実践するアプローチ
対処法(1) 親子でルールを話し合う
多くの親がスマホに関する悩みを抱える一方で、それぞれが様々な方法で対処を試みていることがわかりました。最も多く見られたのが、親子で話し合い、ルールを設けるという方法です。
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「使用時間のルールを家族で話し合い、夜は決まった時間にスマホをリビングに置くようにしています。本人の意見も聞きながら納得できる形に調整し、強制にならないよう意識しています。」
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「スマホを使う時間帯を家族でルール化し、夜9時以降はリビングで保管するように決め、親も同じルールを守っています。」
対処法(2) 物理的にスマホから遠ざける
スマホ依存への対処法として、物理的にスマホから離れる時間をつくる工夫もされていました。休日に一緒に外出する、スマホの使用が制限される塾に通わせたりすることも、意識をスマホ以外に向けることに有効な手になっているようです。
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「休日は一緒に外出して、スマホから意識をそらすような活動を増やしたりもしています。」
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「塾ではスマホを触ることが禁止されているので、なるべく塾へ連れていきスマホを強制的に触れないような環境にしている。」
家庭でのスマホのルールづくりについては以下の記事で詳しく紹介しています。
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中学生の親の悩み2位「勉強・成績」。その悩みの要因と対処法は?
スマホとの付き合い方の次に親を悩ませているのが、子どもの「勉強・成績」に関することでした。61%の親が「悩みがある」と回答しており、子どもの勉強と成績から進路や将来を案じる気持ちが強く表れています。
この悩みを深掘りしていくと、「やる気がない」「成績があがらない」「勉強以外とのバランス」という3つの要因が見えてきました。
要因(1) やる気が出ず、勉強に身が入らない
「勉強しなさい」と声をかけても反応が薄く、家ではスマホやゲームに流れてしまい、集中力も続かない…そんな悩みが多く聞かれました。受験を控えているのに本人に焦りが見られず、親だけが不安を感じているというケースも。意欲の引き出し方が見えず、どこまで親が関わるべきか悩む声が目立ちます。
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「家庭学習の習慣がなかなか身につかず、テスト前でも集中力が続かないことが多いため、成績に影響が出ないか心配しています。」
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「受験生だと言うのに全く自覚がなく勉強をしようという気がありません。成績もどんどん下がってきているのに全く焦る気もなく、親が焦ってしまいます。親が口うるさく勉強しなさいと言っても、やっているフリだけで全く勉強しないので本当に困っています。」
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要因(2) 頑張っているのに成績が伸びない
塾に通わせたり、本人も机に向かっているのに、成績が思うように上がらないことへの焦りも多く見られました。
努力している様子は伝わるものの結果が出ないと、自信を失ってしまう子どももいます。勉強法が合っていないのか、どう改善すればよいのか分からず、親子ともに戸惑っているようです。
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「頑張って勉強していて、本人なりに工夫して努力しているのに成績が上がらないこと。」
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「勉強はしているようですが、なかなか良い成績は取れず、どのように学習していったら良いかと思うことです。」
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要因(3) 部活や友人関係とのバランスが取れない
部活や友達との付き合いに夢中になり、勉強がおろそかになっているという悩みも多く寄せられました。生活リズムや優先順位の見直しが難しく、成績との両立に苦慮している様子がうかがえます。
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「息子はサッカー部に所属しているのですが、部活に夢中になって勉強が疎かになっていて成績がかなり悪くなっていて困っています。」
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「最近は部活動や友達との遊びに時間を使うことが増え、勉強に対する意欲が以前よりも下がってきていると感じています。家での学習時間も短く、成績が少しずつ下がってきているので、今後が心配です。」
部活と生活リズムのお悩みについては、精神科医のゆうきゆう先生による解説記事も参考になります。
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「勉強・成績」に関する対処法:親が実践する3つのアプローチ
対処法(1) 外部の力を借りて学習環境を整える
自力での解決が難しいと感じた場合、塾や家庭教師といった専門家の力を借りて、学習習慣ややる気の向上を目指す方法です。子どもに合った学習環境をつくることで、勉強への意識を高める狙いがあります。
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「息子の学力を鍛えるために、学校が休みの日に学習塾へ通わせています。」
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「塾に通わせて、苦手な教科への対応や、教材などを購入し、しっかりピンポイントで教えてもらえるよう、頼んでいる。」
対処法(2) 親子で向き合い、家庭でのサポート体制を築く
頭ごなしに勉強を強制するのではなく、子どもと話し合いながら、家庭でのルールやサポート体制をとる親も多く見られました。子どもの意見を尊重しつつ、伴走する姿勢が大切です。
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「勉強に対する意欲を高めるために、毎晩一緒に学習時間を設けるようにしています。また、わからないところは一緒に調べたり、時には学校の先生や塾の講師に相談してアドバイスをもらうようにしています。」
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「家庭学習の環境を整え、毎日の学習時間を一緒に見直しています。塾とも連携を取りながら、無理のない計画を立てるようにしています。」
対処法(3) 精神面でのサポートでやる気を引き出す
成績が伸び悩んだり、プレッシャーを感じたりする子どもの気持ちに寄り添い、精神面からサポートしようと努める親の声もありました。勉強の結果だけでなく、取り組みの過程や努力を評価することで、子どもの自己肯定感を育むことを目指しています。
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「子供の話を聞き、勉強のスケジュールなど共有してテスト結果をプラスに考えるようにしている。」
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「焦るようなことはさせず、じっくりまずどういう点が分からないのか、また苦手な項目やもっと理解したい点などをしっかりと話を聞いてなるべく平日1回だけ塾通いもさせて何とかマスターさせます。」
中学生の親の悩み3位「進路」。その悩みの要因と対処法は?
要因(1) 将来の目標が見えず、進路を決められない
多くの親が、子どもが将来の目標を漠然としか考えていないことに不安を感じています。「まだ早いのでは?」と感じつつも、周囲の状況を見て焦りを感じている親も少なくありません。
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「自分の将来について明確な目標を持てず、どの高校に進学すべきか決めきれずにいるのが心配です。親としては子どもの気持ちを尊重したい反面、時間が限られているなかでどのように背中を押してあげればよいのか悩んでいます。」
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「高校受験を具体的に考えなければならないが、本人の希望がいまいちはっきりしない。勉強する習慣もあまりついていない。」
要因(2) 親の経験則でアドバイスができない
近年、高校の選択肢は多様化しています。しかし、その分「どの高校を選んだら良いのか」といった迷いの中で、親自身の経験が役に立たないと考えている親もいるようです。
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「どこの高校を目指せばよいかなど全く考えていないようで、親も田舎出身でほとんど受験経験がないのでアドバイスするにも困っている。」
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「自分自身がやりたいことが見つからないままなんとなく大人になってしまったので、子どもの将来のロールモデルを示せていない。」
「進路」に関する対処法:親が実践するアプローチ
子どもの将来に関わる進路については、親も様々な方法で子どもをサポートしようと努めているようです。特に目立ったのが「親子で情報収集と対話を重ねる」というアプローチです。
対処法(1) 情報収集をサポートする
「まずは情報から」と、高校見学やオープンスクールに足を運び、親子で情報を集める親が多く見られました。選択肢を広げ、子ども自身が進路に興味を持つきっかけ作りをサポートしていることがわかります。
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「できるだけ色々な学校に体験入学を申し込んでみるなど、調べるだけではなく、実際に見に行くようにしていることです。」
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「学校の進路説明会やオープンスクールにできるだけ一緒に参加し、選択肢を広げるようにしています。」
対処法(2) 対話を通して子どもの気持ちに寄り添う
頭ごなしに「〇〇高校にしなさい」と決めるのではなく、子どもの気持ちを尊重し、対話を重ねることも重要な対処法の一つです。親の考えを押し付けるのではなく、子どもの不安や希望を丁寧に聞き出す姿勢が大切です。
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「進路に関する情報を一緒に調べたり、学校や塾の先生と面談を行ったりして、子どもが納得できる進路選択ができるようサポートしています。日頃から子どもと進路について話す機会をつくり、不安や迷いを少しでも軽くできるよう心がけています。」
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「本人とこまめに話すようにしています。できる範囲を聞き、足りないものを説明し、選択させることでやる気を引き出すよう心がけてます。」
塾選ジャーナルでは高校受験を終えた保護者の体験談も紹介しています。後悔しないためのヒントが見つかるかもしれません。
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中学生の親の悩み4位「反抗期」5位「思春期の子どもへの接し方」。その悩みの要因と対処法は?
アンケート結果で4位と5位に挙がったのは、「反抗期」と「思春期の子どもへの接し方」でした。回答率がそれぞれ22%、21%と近いことから、多くの親がこの時期特有の課題に直面していることがわかります。この2つの悩みを深掘りすると、子どもの変化に戸惑い、どう接すればよいか迷う親の姿が見えてきました。
要因(1) 会話の減少と態度の変化への戸惑い
子どもの反抗的な態度や、そっけない返事に悩む声が多く寄せられました。以前は話してくれた学校での出来事を話さなくなったり、親のアドバイスを素直に聞き入れなかったりする変化に、戸惑いを感じている親が多いようです。
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「親が良かれと思ってするアドバイスもうるさそうな顔をして聞き入れないこと。」
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「中学2年生になってから、急に話しかけても『うーん』とか『別に』みたいなそっけない返事ばかりで、どう接していいか分からず悩んでます。」
要因(2) 激しい感情の起伏と、親子関係の亀裂
感情の起伏が激しくなり、親子関係が悪化することを恐れている親も少なくありません。ちょっとしたことで不機嫌になったりするため「どう接すればいいのか分からない」という声が寄せられました。
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「口答えがひどくて困っている。気に入らないと黙り込んで部屋にこもる。」
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「イライラした様子で怒ることもあり、特に母親に対する態度が酷い。」
「反抗期・思春期」への対処法:親が実践するアプローチ
対処法(1) 子どものペースを尊重し、適度な距離を保つ
子どもがイライラしている時や、話したがらない時は無理に干渉せず、そっとしておくという方法です。「反抗期は誰にでもあるもの」と受け止め、適度な距離を保つことで、子どもの気持ちが落ち着くのを待つ親が多く見られました。
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「ムカつくと言われても、真正面から受け答えすると、喧嘩になるだけなので、反抗期だろうと思って受け流すようにしています。」
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「イライラしてそうな時は距離を置いたり、こちらからは必要最低限のことしか話しかけないようにしています。」
対処法(2) 親子間のコミュニケーションを工夫する
直接の会話が難しい場合でも、工夫次第でコミュニケーションを保つことができます。LINEなどのメッセージツールを活用したり、機嫌が良い時を見計らって話しかけたりと、子どもの気持ちに合わせた接し方を試みている親もいました。
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「しつこくならない程度にLINEでのやりとりをするようにしています。直接話を聞いても嫌がられて自室にこもってしまうことが多いので、LINEで聞いた方が子供も話しやすいらしく、ある程度のコミュニケーションは取れるようになりました。」
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「不機嫌な時はそっとしておき、本人の気持ちが落ち着いてから話しかけています。機嫌が良い時にそれとなく話題を振ることもあります。」
対処法(3) 専門家や周りの意見を参考に客観的な視点を持つ
自分だけで悩みを抱え込まず、外部の力を借りることも重要な対処法です。学校の先生に相談したり、経験者の話を聞いたりすることで、客観的な視点を得て、冷静に対応しようと努めている親もいました。
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「親や主人、ママ友などと話をしてどういうふうに対応したりしているかなど、経験者の方の意見を積極的に聞いてその通りに実行したりしています。」
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「学校の懇談で、先生からどんな学校生活を送っているのか教えてもらっている。子どもには聞かないようにしている。」
塾選ジャーナルが2025年7月に実施した高校受験期における親のストレスについての調査では、親がストレスに感じることの1位が「子どもの成績」で51.9%、2位が「子どもの態度」、3位が「進路選択の迷い」という結果でした。
子どもとのすれ違いが起きやすい高校受験期の対応については、関連記事でさらに詳しく掘り下げています。
高校受験ストレスのピークは中3・2学期!親子での乗り越え方を徹底調査
まとめ:中学生の親子間の悩みは「適切な距離感」と「対話」で乗り越える
今回の記事では、中学生の子どもを持つ親100名を対象に行ったアンケート調査をもとに、親が直面しているリアルな悩みや、その対処法についてご紹介しました。
調査の結果、多くの家庭で「スマホとの付き合い方」「勉強・成績」「進路」といった課題が浮かび上がりました。一方で、多くの親が子どもとの対話や接し方を工夫しながら、こうした悩みに前向きに向き合おうとしている様子も見えてきました。
思春期や反抗期のような難しい時期には、距離感や言葉のかけ方ひとつで悩みが深くなることもあります。そんななかで、「適度な距離」と「一緒に考える対話」を意識することが、悩みを乗り越えるきっかけになるかもしれません。
悩みの形はご家庭ごとに異なりますが、この記事の内容が少しでもヒントとなれば幸いです。
詳細はこちらをご覧ください。
アンケート調査概要
調査対象:中学生の子どもを持つ保護者(有効回答数100名)
調査時期:2025年7月
調査機関:自社調査
調査方法:インターネットを使用した任意回答
調査レポート名:「中学生の親の悩み」についての調査
※掲載しているグラフや内容を引用する場合は「塾選ジャーナル調べ:「中学生の親の悩み」についての調査」と明記し、『塾選ジャーナル』の記事(https://bestjuku.com/shingaku/s-article/28768/)へのリンク設置をお願いします。