株式会社エス・エム・エス
~客観的なアセスメントの実現により、障害のある一人ひとりが最適な働き方を選べる社会へ~
株式会社エス・エム・エス(本社:東京都港区、代表取締役社長:後藤夏樹、東証プライム、以下「当社」)が提供する、障害福祉事業者向け業務支援システム「かべなしクラウド」(URL:https://kabe-nashi.jp/)は、障害者総合支援法の改正を受け、2025年10月1日から新サービス種類「就労選択支援」に対応します。

■社会背景
少子高齢化に伴う生産年齢人口の減少を背景に、企業における障害のある方の雇用は21年連続で過去最高を更新する(※1)など、多様な人材の活躍機会は増加しています。障害のある方の人口増加に伴い就労支援事業所も増加する一方で、利用者は数多くの選択肢の中から自身に最適な事業所を見つけることが困難になるという課題が生まれています。
現在の仕組みでは、障害のある方が就労支援サービスの利用を希望する場合、多くのケースではまず就労移行支援や生活支援センター等で就労アセスメントを受けます。現状の就労アセスメントのプロセスでは、アセスメント(評価・分析)手法が確立・統一されていないこともあり、アセスメントを行う個々の事業所によって評価基準がばらつき、適切な支援内容の選定につなげづらいという課題がありました。また利用者にとっても、必ずしも自身の特性や希望にあった事業所を知ることができるとは限らず、早期退職や利用中止、利用事業所の固定化といったミスマッチが発生することがある状況でした。
このような状況を受け、障害のある方が多様な選択肢の中から就労先を検討しやすくなるよう、2025年10月より「就労選択支援」サービスが開始されることとなりました。制度開始により、利用者は「就労選択支援」事業者から利用事業所以外の目線で客観的なアセスメントを受けられるようになります。利用者は自己理解を深めつつ働く場とのマッチングを進めることができるため、自分に合った支援を受けやすくなることが期待されます。
一方で、「就労選択支援」の提供開始事業者は既存事業として就労移行支援や就労継続支援A型・B型を運営していることが想定されるため、新たな制度対応に伴う客観的なアセスメントが可能な体制の構築や、記録・管理業務といった負担増が見込まれます。提供事業者は、限られた人員の中でより質の高いサービスを提供するためにも、生産性を高めていくことが重要と言えます。
■エス・エム・エスの障害福祉領域での取り組み
当社は今後需要が高まる障害福祉領域において、これまで以上に質の高いソリューションを提供すべく、障害福祉領域の複数のサービスを統合し事業体制を強化することを目的とした新ブランド「かべなし」を設立しました。「かべなし」という名称は、障害は個人ではなく社会の側にあるとする「障害の社会モデル」の立場から「社会的障壁(かべ)をなくす」というコンセプトを事業活動の核とするものです。このブランドのもと、障害のある方、障害福祉事業者、障害のある方を雇用する企業が抱える課題解決を支援し、「障害によって生きづらさを抱えている方々のQOL向上」に貢献するというミッションの実現を目指しています。
なかでも障害福祉サービスを提供する事業者への業務効率化については、当社がこれまで介護・障害福祉事業者向け経営支援システム「カイポケ」における障害児通所支援事業所へのサービス提供を通じて培った知見を活かし、障害福祉事業者の業務支援システム「かべなしクラウド」の提供を行っています。
■「かべなしクラウド」の就労選択支援への対応について
この度の制度開始にあわせて、「かべなしクラウド」は「就労選択支援」事業所に対するサービス提供を開始します。
これにより、事業者は制度開始の10月1日時点からいち早く対応の完了したシステムを利用することができます。また、円滑な制度対応を支援するため、かべなしクラウドの契約において就労選択支援に加え任意のサービス種類を有料契約中の場合、就労選択支援の機能を期間限定無料で利用可能です。
さらに、サービス全体の価格体系も見直し、より多くの事業者が利用しやすい料金へと変更します。
就労選択支援事業所への主な提供機能:
・受給者証など利用者情報の一元管理
・アセスメントや会議録の作成・出力
・利用者確認の電子サイン機能
■今後の展望
当社は今後も、「かべなしクラウド」を障害福祉事業者の経営を支えるプラットフォームとして発展させていきます。直近では、多くのご要望をいただいている国保連請求機能を11月よりサービス種類ごとに順次リリース予定です。将来的には、記録・請求といった基幹業務の効率化にとどまらず、かべなしブランドの他サービスとも連携・周辺サービスの拡充も含め、事業経営全体の課題解決を支援するサービスへと拡大・深化させていきます。当社は引き続き「かべなしクラウド」の提供を通じて事業者の持続的な成長をサポートし、ミッションである「障害によって生きづらさを抱えている方々のQOL向上」に貢献します。
※1:厚生労働省「令和6年障害者雇用状況の集計結果」(https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_47084.html -p.1)より
【「かべなしクラウド」について】
障害福祉サービス事業所に特化した、業務の効率化を実現するための業務支援システムです。福祉事業所の現場の声を開発に活かし、使いやすさ、分かりやすさを重視しています。業務の流れに沿って、直感的に使える点などが支援員に「時間と心の余裕」を持たせ、サービス全体の質の底上げを目指します。
【株式会社エス・エム・エスについて】
2003年創業、2011年東証一部上場、2022年4月より東証の市場区分変更によりプライム市場へ移行。「高齢社会に適した情報インフラを構築することで人々の生活の質を向上し、社会に貢献し続ける」ことをミッションに掲げ、「高齢社会×情報」を切り口にした40以上のサービスを開発・運営しています。
名称:株式会社エス・エム・エス
所在地:東京都港区芝公園2-11-1住友不動産芝公園タワー
代表者:代表取締役社長 後藤夏樹
会社設立:2003年4月
資本金:25億5,172万円(2025年3月31日現在)
従業員数:連結4,528人、単体3,049人(2025年3月31日現在)
事業内容:高齢社会に求められる領域を、医療・介護/障害福祉・ヘルスケア・シニアライフと捉え、価値提供先であるエンドユーザ・従事者・事業者をつなぐプラットフォームとしての情報インフラを構築し、40以上のサービスを展開