トビラシステムズ
特殊詐欺の大半を占めるニセ警察詐欺、国際電話番号を悪用した手口が拡大
特殊詐欺やフィッシング詐欺の対策サービスを提供するトビラシステムズ株式会社(本社:愛知県名古屋市、代表取締役社長:明田 篤、証券コード:4441、以下「トビラシステムズ」)は、2025年8月に当社調査で確認された詐欺電話や詐欺SMSに関する独自調査レポートを公開します。(調査期間:2025年8月1日〜 8月31日)
また、直近の当社調査で確認された傾向についてもお知らせいたします。
<調査サマリー>
◉ 様々な国の国際電話番号を使い、ニセ警察詐欺が多発
◉ 実在する警察署の番号に「+180」をつけたニセ警察詐欺の電話が増加
◉「佐川急便」をかたるSMSが多発、各種クレジットカードをかたるSMSも増加
◉ 国勢調査を装った詐欺メールが急増、フィッシングサイトに誘導し電話番号悪用
1. 詐欺電話レポート
○迷惑電話番号の割合は国際電話番号が依然として高い数値に留まる
2025年8月に新たにトビラシステムズの迷惑電話番号データベースに登録された番号の種別割合は、国際電話番号が64.5%(前月比+4.1%)で前月から増加しました。
特定IP電話番号(050番号)、固定電話番号、携帯電話番号の割合は横ばい傾向で推移しています。

○実在する警察署の番号になりすますニセ警察詐欺が多発
当社の調査で、2025年8月に着信件数が多かった国際電話の国番号は、上位からアメリカ合衆国やカナダなどの北米地域、中国、ソロモン諸島、国際プレミアムレート(注1)、イギリスでした。

トビラシステムズの調査により、実在する日本の警察署の電話番号に「+180」をつけ、警察からの電話を装う「ニセ警察詐欺」が確認されました。「+1」はアメリカやカナダなどの北米地域の国際電話番号、「80」は同地域で利用されているフリーダイヤル(800)の一部分で、これに続けて実在する警察署の番号を組み合わせています。
また、今回確認された事案の多くは、兵庫県生田警察署をかたり、「イトウという人物を逮捕したところ、あなたの口座が犯罪に悪用されていることがわかった」と告げる内容でした。当社の調査では、国際電話番号を使って他の警察署の番号を装い、架空の事件について話す同様の事案が、今年5月にも複数確認されています。このことから、同一の犯行グループによる架電、あるいは同じ詐欺マニュアルが出回っている可能性が推測されます。

(注1)国際電話を使って海外の有料情報サービスにアクセスする仕組みで、通常の国際電話よりも高い通話料が発生する。
2. 詐欺SMSレポート
○宅配事業者と金融・決済サービスをかたるSMSの多発が継続
トビラシステムズの調査で、2025年8月に確認されたフィッシング詐欺のSMSの種別割合は、金融・決済サービスをかたる手口が増加し、35.3%となりました。宅配事業者をかたる手口は44.1%で、前月より減少したものの、依然多発が続いています。その他の手口は、メッセージアプリや電力会社をかたるSMSが増加し、14.1%でした。

○「佐川急便」をかたるSMSが最多、クレジットカードをかたるSMSも増加
実在する企業やブランドをかたる詐欺SMSについて、2025年8月は「佐川急便」をかたるSMSの割合が最多を占めました。クレジットカード会社をかたる手口では「三井住友カード」「Mastercard」「JCB」が目立ちました。その他、「国税庁」や「東京電力」をかたるSMSも継続して確認されています。

<参考資料>
佐川急便を装った迷惑メールにご注意ください(佐川急便)
https://www2.sagawa-exp.co.jp/whatsnew/detail/721/
フィッシング詐欺にご注意ください(Mastercard)
https://www.mastercard.co.jp/ja-jp/personal/get-support/phishing.html
弊社を装った不審なメールやSMSにご注意ください(三井住友カード)
https://www.smbc-card.com/mem/cardinfo/cardinfo4010384.jsp
【ご注意ください】JCBをかたる不審メールや偽サイトの詐欺が増加しております。(JCB)
https://www.jcb.co.jp/release/phishing_202105.html
不審なメールや電話にご注意ください(国税庁)
https://www.nta.go.jp/information/attention/attention.htm
詐欺SMSの検知状況をリアルタイムに観測し可視化する「詐欺SMSモニター」で、詐欺SMSに関する最新情報をご確認ください。
詐欺SMSモニター
3. <トピック>国勢調査を装った詐欺メールが急増
9月20日から開始された令和7年の国勢調査に便乗し、調査を装った不審なメールが相次いで確認されています。トビラシステムズの調査では、国勢調査をかたるメッセージから偽サイトへ誘導し、さらに電話番号や認証コードを盗み取る手口が確認されました。
当社の調査で確認された手口では、まずターゲット(被害者)に国勢調査を装うメールが届きます。メール内のリンクにアクセスすると、国勢調査の公式サイトに酷似したフィッシングサイト(偽サイト)が表示され、電話番号の入力を求められます。その後、ターゲットの端末へ認証コードが届き、そのコードもフィッシングサイトに入力させる仕組みになっています。
この一連の流れによって、攻撃者はフィッシングサイトを通じてターゲットの電話番号や認証コードを盗み取り、正規サイトへの入力を同時進行で行うものと見られます。こうした手口は「リアルタイムフィッシング詐欺」と呼ばれます。
今回の調査では、「ポケモンセンターオンライン」から認証コードが届く流れになっていたことから、同サイトで開催されていた「Nintendo Switch2」の抽選応募などに、攻撃者が電話番号と認証コードを悪用する目的の可能性が考えられます。
国勢調査を装う不審なメールやSMSが届いた場合は、記載されたリンクにアクセスしないようにしてください。


実際の手口をもとに解説した動画を、当社YouTubeで公開しています。
(動画URL)https://youtube.com/shorts/iC-kOanlvUo?si=5_aXx9ocdiqdR7xM
<対策>
◉身に覚えのないメールやSMSが届いた場合、文面に添付されたURLに触らない
◉日頃利用するサービスは、公式アプリやブックマークしたサイトから情報を確認
◉迷惑SMS対策サービスを活用し、フィッシング詐欺などの不審なSMSを自動で遮断
4. トビラシステムズについて

テクノロジーで社会課題の解決を目指し、特殊詐欺やフィッシング詐欺、グレーゾーン犯罪撲滅のためのサービスを提供しています。詐欺電話・詐欺SMS等の情報を収集・調査してデータベースを構築し、自動でフィルタリングする「迷惑情報フィルタサービス」は、固定電話、モバイル、ビジネス向けに展開し月間約1,500万人にご利用いただいています。
<会社概要>
会社名 :トビラシステムズ株式会社
代表者 :代表取締役社長 明田 篤
証券コード:4441(東証スタンダード市場)
設立 :2006年12月
所在地 :愛知県名古屋市中区錦2-5-12 パシフィックスクエア名古屋錦7F
公式サイト:https://tobila.com/