オリコ
株式会社オリエントコーポレーション(東京都千代田区、代表取締役社長:梅宮 真、以下「オリコ」)は、社会課題や環境課題の解決を推進する資金調達手段として、2022年10月に「オリコ・サステナビリティ・リンク・ファイナンス・フレームワーク」(以下、本フレームワーク)を策定し、本フレームワークに基づき「サステナビリティ・リンク・ボンド(第33回無担保社債および第35回無担保社債)」(以下、本社債)を発行しています。このたび、本社債について、発行時に選定したKPIで定めるSPT(サステナビリティ・パフォーマンス・ターゲット)が未達成となったため、本社債で設定したSPT未達成時に生じる債券の特性に従い、オリコが事業進出している東南アジアの国々に対してポジティブなインパクトを創出することを目的として活動を行っている一般に認知された法人・団体に対し、本社債総額の0.10%相当額の寄付を行いましたのでお知らせいたします。
前中期経営計画(2022年度-2024年度)にて、マテリアリティのひとつとして「持続可能な地域づくりへの貢献」を掲げ、海外事業では東南アジアにおいて国ごとに最適な金融商品やサービスの提供を通じた自動車市場の発展をめざしてまいりました。オリコは本フレームワークを通じて、サステナビリティ戦略と整合した取り組み目標(SPT)の達成状況と調達条件を連動させることで、社会・環境面から持続可能な事業活動や成長を推進すべく、オリコが事業進出している東南アジア3カ国(タイ、フィリピン、インドネシア)のオートローンの年間取扱高(新車はEVに限る)をKPIに選定し、2025年3月期までにKPIを819億円とすることをSPTに設定しました。なお、SPTの数値は、「持続可能な地域づくりへの貢献」で定めた目標の一部を使用し、東南アジアのマーケット状況を考慮したうえで、より幅広い層のお客さまに価値を提供するという考え方のもと、今後更なる成長が見込まれる中古車市場や拡販が期待されるEV市場を開拓するという挑戦的な取り組みとして設定しました。
結果としてKPIの実績は、2023年3月期/655億円、2024年3月期/537億円、2025年3月期/437億円となり、本社債で設定したSPT(2025年3月期までにKPIを819億円にする)に対し、2025年3月期/437億円でSPT未達成となりました。タイは地方進出、インドネシアは中古車市場参入により、初年度である2023年3月期の年間取扱高は順調に推移しましたが、その後、現地経済低迷の影響に伴う顧客の信用状態の悪化を受け、貸倒関係費が増加しました。これを受け、2年目以降は与信基準の厳格化と営業戦略の見直しによる良質債権の積上げに注力いたしましたが、結果として、当初計画していた年間取扱高の積上げが困難になったことがSPT未達成の主な要因です。
SPT未達成を受けて、本社債発行時に定めた債券の特性に従い、本社債総額の0.10%相当額を本社債の償還までに寄付することとなりました。寄付先は、本フレームワークで定めた、オリコが事業進出している東南アジアの国々に対してポジティブなインパクトを創出することを目的として活動を行っている一般に認知された法人・団体の中から計4団体を選定いたしました。選定した4団体は、オリコが進出する東南アジア各国で環境保護、雇用創出、教育、福祉、貧困対策などの支援を行っており、これらの活動はオリコのめざすサステナビリティである「誰もが豊かな人生を実現できる持続可能な社会」と、本フレームワークで定めた寄付先の要件と合致すると判断したものです(各団体の概要は【別表】ご参照)。その後、選定した団体には2025年9月29日付けで合計3,000万円の寄付を行いました。
オリコは、社会価値と企業価値の両立をめざす「サステナビリティ」を経営の上位概念に位置づけています。引き続き、2026年3月期を初年度とする中期経営計画において定めたマテリアリティの実現に向けて、資金調達についてもサステナビリティを意識した取り組みを継続してまいります。
【別表】
【オリコ・サステナビリティ・リンク・ファイナンス・フレームワークの概要】

KPI |
東南アジア(※)におけるオートローンの年間取扱高(新車はEVに限る) |
SPT |
2025年3月期までにKPIを819億円にする |
債券・ローンの特性 |
(i)借入金利のステップアップ・ステップダウン SPTを達成/未達成の場合、SPT 判定日以降最初に到来する金 利計算期間開始日から償還/返済日(もしくは次回 SPT 判定日以降最初に到来する金利計算期間終了日)まで、ファイナンス実施時に定める年率にて借入金利が低下/上昇します。借入金利の低下/上昇の別は金融機関と協議の上、各ファイナンス実施時に特定し開示します。 |
債券・ローンの特性 |
(ⅱ) 寄付 SPT を達成出来なかった場合、SPT判定日後に、調達額に対してファイナンス実施時に定める割合に応じた額を、当社が事業進出している東南アジアの国々に対してポジティブなインパクトを創出することを目的として活動を行っている一般に認知された法人・団体に寄付を行い、当該ファイナンスの償還/返済日までに完了します。寄付先については、必要な機関決定を経て選定し、当社Webサイトにて開示を行います。 |
レポーティング |
サステナビリティ・リンク・ファイナンスの償還/返済までの期間、設定したSPTの達成状況について、当社Webサイトにて年次で開示 |
検証 |
独立した第三者によるレビューを取得したことを、当社Webサイトにて年次で開示 |
※タイ、フィリピン、インドネシア(2022年10月28日現在)
オリコ・サステナビリティ・リンク・ファイナンス・フレームワーク
https://www.orico.co.jp/company/assets/pdf/sustainability/sdgs/sll_second_framework_20221028.pdf
セカンドオピニオン(R&I)
https://www.orico.co.jp/company/assets/pdf/sustainability/sdgs/sll_second_opinion_20221028.pdf
【KPIの実績】

2023年3月期 (実績) |
2024年3月期 (実績) |
2025年3月期 (実績) |
2025年3月期 (SPT) |
|
年間取扱高 |
655億円 |
537億円 |
437億円 |
819億円 |
SPT達成判定 |
ー |
ー |
未達成 |
ー |
【SPT未達成となったサステナビリティ・リンク・ボンドの概要】

回号 |
第33回無担保社債 |
第35回無担保社債 |
発行年限 |
5年 |
3年 |
払込期日 |
2023年3月6日 |
2023年7月13日 |
償還期限 |
2028年3月6日 |
2026年7月13日 |
発行総額 |
100億円 |
200億円 |
KPI |
東南アジアにおけるオートローンの年間取扱高(新車はEVに限る) |
東南アジアにおけるオートローンの年間取扱高(新車はEVに限る) |
SPT |
2025年3月期までにKPIを819億円にする |
2025年3月期までにKPIを819億円にする |
対象期間 |
2024年4月1日~2025年3月31日 |
2024年4月1日~2025年3月31日 |
判定日 |
2025年3月末日 |
2025年3月末日 |
債券の特性 |
SPT未達成の場合に寄付(発行総額の0.10%相当額) |
SPT未達成の場合に寄付(発行総額の0.10%相当額) |
寄付先 |
当社が事業進出している東南アジアの国々に対してポジティブなインパクトを創出することを目的として活動を行っている一般に認知された法人・団体 |
当社が事業進出している東南アジアの国々に対してポジティブなインパクトを創出することを目的として活動を行っている一般に認知された法人・団体 |
寄付金額 |
1,000万円 |
2,000万円 |
【寄付先・活動領域・寄付金額】

寄付団体 |
活動領域 |
寄付金額 |
公益財団法人 世界自然保護基金ジャパン(WWFジャパン) |
環境保護 |
1,500万円 |
公益社団法人 日本環境教育フォーラム(JEEF) |
雇用創出 |
900万円 |
特定非営利活動法人 アジア車いす交流センター(WAFCA) |
教育・福祉 |
450万円 |
特定非営利活動法人 チャイルド・ファンド・ジャパン |
貧困対策 |
150万円 |
合計 |
3,000万円 |
各団体には2025年9月29日付けで寄付を行っております。
【寄付先の概要】

団体名 |
公益財団法人世界自然保護基金ジャパン(WWFジャパン) |
団体概要 |
WWFは100カ国以上で活動している環境保全団体で、1961年にスイスで設立されました。人と自然が調和して生きられる未来をめざして、失われつつある生物多様性の豊かさの回復や、地球温暖化防止などの活動を行なっております。 |
URL |

団体名 |
公益社団法人日本環境教育フォーラム(JEEF) |
団体概要 |
自然体験や対話を重視した環境教育を推進しており、1992年に設立されました。インドネシアにおいて、環境教育を通じた環境保全と地域住民の生計向上との両立を目指し、エコツーリズム事業、マングローブ林の再生事業等を行っております。 |
URL |

団体名 |
特定非営利活動法人アジア車いす交流センター(WAFCA) |
団体概要 |
タイ、インドネシアにおいて、障がいのある子どもたちへの車いすの寄贈を行っており1999年に設立されました。バリアフリー化支援事業、教育支援、障がい児にむけた啓発活動等包括的な支援なども行っております。 |
URL |

団体名 |
特定非営利活動法人チャイルド・ファンド・ジャパン |
団体概要 |
地域開発支援、緊急・復興支援、啓発事業等アジアの貧困地域で暮らす子どもたちへの支援を推進しており、1975年に設立されました。フィリピンでは貧困地域で暮らす子どもたちへの教育支援や家族の生活改善などを行っております。 |
URL |