一般社団法人日本ろう芸術協会
一般社団法人日本ろう芸術協会(代表理事:牧原依里)は、2025年11月6日(木)〜9日(日)に開催する「手話のまち 東京国際ろう芸術祭2025」で、世界15カ国以上から映画・演劇・展示など全48プログラムを展開します。日本唯一の国際ろう舞台芸術フェスティバルとして、多様な作品を通じてろう文化の魅力を発信します。
あわせて今回、杉並区・高円寺の商店街を巡りながら様々な手話に出会える参加型「手話のカードラリー」を開催。さらに、来場者の要望に応え、より気軽に参加できる1日通し券を追加販売いたしました。

詳細・チケットお申込み:https://shuwanomachi.jp/
映画部門では、映画「Filmmaker」で「独立系映画の25人の新顔」に選ばれた、ろう者監督アリソン・オダニエルの視点による、ろう者と難聴者にとっての「音」を探求する『チューバ泥棒』を日本初上映します。さらに、世界各国から集まった、国内外の短編映画14作品をコンペティション部門として上映するなど、世界的にも注目を集める作品が揃います。
演劇・パフォーマンス部門では、演出家・小野寺修二によるノンバーバル演劇『100年の眠り』をはじめ、デンマークのTeater5005『オン・ザ・エッジ』、イギリスの南村千里『マーク・オブ・ウーマン』、フリンジ部門では台湾の大可創藝(ダック・アート・スタジオ)『フィール・トゥゲザー 百合』など国内外で高い評価を受けるアーティストが参加。即興力と表現力が試される国際的な手話バトル大会も実施され、多彩な表現でろう文化の広がりを体感できます。
開催背景
2025年は、日本で初めてデフリンピック(きこえない・きこえにくい人のためのオリンピック)が開催される節目の年です。これを契機に、手話やろう文化への理解を社会全体で広げる動きが加速しています。
本芸術祭では、舞台芸術の枠を超え、高円寺の街歩きを通じて手話に触れられるカードラリーやマルシェ、交流の場を展開。「舞台芸術の鑑賞」から「地域と一体となった参加型の文化体験」へと広げ、芸術・地域・社会が一体となって「手話のまち」を体現し、聴者とろう者・難聴者の相互交流の場を提供します。
高円寺の街をめぐる「手話のカードラリー」詳細
期間:2025年10月15日(水)〜11月30日(日)
場所:高円寺駅の対象店舗(12店舗)
内容:対象店舗でお買い物をすると、各店舗ごとに「手話のイラスト」と「手話動画」付きオリジナルカードをプレゼント
特典:12種類すべてのカードを集め「浮かび上がる手話」を座・高円寺のチケットボックス窓口にて表現いただいた方には、12種類の手話イラストがデザインされた 特製クリアファイルをプレゼント!
イラストは本芸術祭のキービジュアルを手がけた、オーストラリアを拠点に活動するろう者のビジュアルアーティスト、ジェイコブ・キャンベルがイラストを担当。ダイナミックでエネルギッシュなストリートアートを特徴とする彼の世界を、手話のカードを通してご堪能ください。
詳細:https://shuwanomachi.jp/cardrally.html

「1日券通しチケット」詳細
「1日だけでも参加したい」という声に応え新設。より多様な参加スタイルを可能にし、芸術祭への参加機会を広げます。
対象日:11月6日(木)〜9日(日)の各日
価格:大人6,000円〜、子ども3,500円〜 ※※日によって異なる他、対象作品のみになります。詳細はWEBサイトをご覧ください。
詳細・お申込み:https://shuwanomachi.jp/ticket.html
「手話のまち 東京国際ろう芸術祭2025」開催概要
開催期間:2025年11月6日(木)〜11月9日(日)
会場:座・高円寺(東京都杉並区高円寺北2丁目1-2)他
WEBサイト:https://shuwanomachi.jp/
チケットページ:https://shuwanomachi.jp/ticket.html
主催:一般社団法人日本ろう芸術協会 / 文化庁
提携:NPO法人劇場創造ネットワーク/座・高円寺
共催:杉並区 / 杉並区聴覚障害者協会 / 社会福祉法人 トット基金 /
NPO法人シアター・アクセシビリティ・ネットワーク / 一般社団法人 異言語Lab. / IMAGINUS(株式会社コングレ)
後援:一般財団法人全日本ろうあ連盟 / 公益社団法人東京聴覚障害者総合支援機構東京都聴覚障害者連盟 / 東京⼤学 先端科学技術研究センター当事者研究分野
協力:NPO法人 東京高円寺阿波おどり振興協会 / 静岡×カンヌ×映画プロジェクト実行委員会
助成:公益財団法人東京都歴史文化財団 アーツカウンシル東京【芸術文化魅力創出助成/東京芸術文化鑑賞サポート助成】/ 文化庁委託事業「令和7年度障害者等による文化芸術活動推進事業」
※本事業は、障害の有無や、言語・文化の違いを超えて、誰もが楽しめる東京を目指すキャンペーン「オールウェルカムTOKYO」に賛同しています。
総合ディレクター 牧原依里 コメント
2025年、記念すべき第1回「手話のまち 東京国際ろう芸術祭」が、いよいよ始まります。
この芸術祭は杉並区との共催で、座・高円寺を中心に開催されます。東京・杉並区からろう芸術文化を発信する国際的な舞台として、国内外のアーティストが集い、交流を深める場となります。
地域社会と芸術、ろう者・難聴者と聴者のあいだに、新たな化学反応とつながりが生まれることを目指しています。
今回は、演劇・パフォーマンス・映画など、ジャンルを超えた多彩な作品が国内外から集まりました。
どの作品も、参加者や観客に新たな視点をもたらしてくれることでしょう。
ろう者の身体や感覚から生まれる芸術、聴者の視点から見たろう者・難聴者像や手話――その多様なまなざしは、訪れる皆さんにとって、きっと新たな発見となるはずです。
正直なところ、この企画を立ち上げた当初は、「この芸術祭が杉並区に受け入れてもらえるのだろうか」という不安もありました。
しかし、いざ蓋を開けてみると、「新しい文化を受け入れることこそが、杉並区の文化である」と実感する出来事に何度も出会いました。
杉並区の懐の深さ、そして多くの方々が「手話のまち 東京国際ろう芸術祭」を温かく歓迎してくださったこと。
さらに、「この芸術祭だけで終わらせてはいけない。杉並区に手話が根付くようにしなければ」という熱い言葉をかけてくださった方々に、心から胸を打たれました。
今回の芸術祭では、10月15日から11月30日までの期間、高円寺の商店街を巻き込んだ「手話のカードラリー」という新たな試みも行います。
これは、キービジュアルを手がけてくださった、オーストラリア出身のろう者アーティスト、ジェイコブ・キャンベル(Jaycob Campbell)さんのイラストと手話動画が埋め込まれたカードを、商店街でのお買い物を通じて集めていただくプロジェクトです。
さらに芸術祭期間中は、ふらりと立ち寄って、誰もがその場で「ろう文化」を身体で感じられるよう、無料で楽しめるサテライト企画も多数ご用意しています。
デフリンピックの開催月にあたるこの11月、杉並区は4日間にわたり「手話のまち」となります。
この芸術祭をきっかけに、どのような化学反応が生まれるのか。私自身、とてもワクワクしています。
皆さんと一緒に、この祭りを盛り上げていけたら嬉しいです!